資産運用をこれから始める方にとって、株式や債券、金投資など聞きなれたものもあれば、あまり聞いたことがないものもあるはずです。その中の1つにインデックスファンドがあります。果たしてインデックスファンドとはどういう金融商品なのでしょうか。
本記事ではインデックスファンドとは何かを中心に、インデックスファンドの仕組みや配当などをご紹介していきます。
インデックスファンドとは何か
インデックスファンドは投資信託の1つであり、指数に連動して値動きが変わっていく金融商品です。ここからはインデックスファンドとは何かを具体的にご紹介します。
インデックスファンドの意味
インデックスファンドのインデックスとは指数を示します。この場合の指数は、日経平均株価やTOPIX、ダウ平均株価、ナスダック総合指数などが該当します。
日経平均株価は東京証券取引所プライム市場に上場している銘柄の中から225銘柄に厳選し、その株価の平均です。一方、TOPIXは現状、東京証券取引所全体の銘柄の平均値となっていますが、再編に伴い、TOPIXでも銘柄の選定が行われる予定となっています。
インデックスファンドはこうした指数の値動きに連動した投資成果を目指していくものです。
インデックスファンドの仕組み
インデックスファンドは日経平均株価やTOPIXの指数と同じような値動きになるように投資成果を出していきます。どのようにして同じような投資成果を出していくのか、その仕組みをご紹介します。
比率をほぼ同じにする
日経平均株価は225銘柄の平均株価を指しています。そのため、225銘柄を購入することで同じような値動きを目指すほか、先方のインデックスと同じ銘柄、同じ比率で購入していくことで同じような値動きを実現します。この手法をレプリケーション手法と呼びます。
比率をほとんど同じにしてしまえば、株式指数と同じような動きになるのは当然です。一方、比率を同じにしてもファンドと株式指数には時価総額の違いがあり、全体の総額が小さい分、若干違いが生じます。完璧に同じ投資成果を出すことは難しいですが、ちょっとした上振れないし下振れの利回りを出すことは十分に可能です。
インデックスファンドの平均利回りや配当金
インデックスファンドの平均利回りや配当金はだいたいどれくらいなのか、情報をまとめました。
インデックスファンドの平均利回りとは
インデックスファンドの平均利回りは、4~10%ほどとされています。平均利回りに大きな差があるのは国内株式や海外株式などどの株式指数を活用するかの違いであり、若干日本の株式指数の方が海外よりも低く出やすいです。
一方で、インデックスファンドによっては年間で相当な高利回りを見せるケースもあります。多少リスク狙いで高い利回りを狙う、もしくは堅実に手堅い利回りを狙う、それぞれの考え方の中で理想とするものを探していきます。
インデックスファンドの配当金とは
インデックスファンドに限らず、投資信託では配当金はありません。配当金は株主に配られるものであり、投資信託の購入者は対象外となります。ちなみにファンドで購入した株式で得られた配当金はファンド内で再び投資を行うための資金に回されます。
一方でファンドからの分配金は存在しており、決算ごとに分配金が与えられる形です。ただ得られた分配金は課税対象となり、税金がその都度かかるため、分配されない方が結果的には得になることもあります。ですので、分配金で稼いでいくようなやり方は得策とは言えません。
インデックスファンドと投資信託との違い
インデックスファンドと似たようなものに投資信託があります。厳密にはインデックスファンドも投資信託の一種ですが、ここではインデックスファンドとアクティブファンドと呼ばれるファンド、それぞれの違いをご紹介します。
手数料の違い
インデックスファンドとアクティブファンドの大きな違いは手数料です。インデックスファンドは株式指数に連動するように購入するため、手数料はさほどかかりません。ところが、アクティブファンドは自由に株式や債券などを購入できるため、結果的に手数料が高くなりやすいです。
手数料が利回りを左右し、手数料が高いと利回りを押し下げてしまいます。いわばコスト面の違いがインデックスファンドとアクティブファンドの間に存在します。
利回りの違い
インデックスファンドとアクティブファンドでは利回りもそれなりに異なります。インデックスファンドは指数に連動する形なので、指数を見ていればおおよその利回りがわかります。アクティブファンドは指数に左右されない運用を行うため、利回りもインデックスファンドより激しめになりやすいです。
アクティブファンドの方が利回りが高くなることがある一方、下手を打って失敗することもあります。より堅実的なインデックスファンド、多少ギャンブル性のあるアクティブファンドという違いが見られます。
インデックスファンドのメリット
ここまでインデックスファンドについてご紹介してきましたが、インデックスファンドのメリットとはどういうものなのかをまとめました。
初心者でもわかりやすい
1つ目のメリットは初心者でもわかりやすい点です。
例えば、日経平均株価やTOPIXは毎日のニュース番組で紹介されており、日経平均株価がいくらになったかが度々注目されます。インデックスファンドは日経平均株価やTOPIXと同じような値動きを目指していくため、指標としてとてもわかりやすく、参加しやすいと言えます。
日経平均株価は225の銘柄で構成されており、自然と分散投資がなされ、安定した値動きで推移します。初心者が最初に購入する金融資産としては難易度が低く、試しに資産運用をする際には理想的と言えるでしょう。
コストがかかりにくい
2つ目のメリットはコストがかかりにくい点です。
ファンドなので、本来は運用報酬などの手数料がかかる場合があります。しかし、インデックスファンドの場合は手数料が少なかったり、場合によってはかからないケースもあります。
また購入する際や換金を行う際の手数料も発生しないインデックスファンドがあるため、増えた分を丸々受け取れるのも特徴的です。
少額から始めやすい
3つ目のメリットは少額から始めやすいことです。
「資産運用はまとまった金額から始めるもの」という認識を持つ人がいるかもしれません。実はインデックスファンドは少額から始められ、場合によっては100円から投資を行うことができます。
近年ポイント投資が人気を集めていますが、ポイントを使ってインデックスファンドを購入することも可能です。資産運用とはどういうもなのか、お試しで始めるのにインデックスファンドはまさにうってつけと言えます。
インデックスファンドのデメリット
メリットがあればデメリットもあるのが世の常です。ここではインデックスファンドのデメリットについてご紹介します。
指数以上の利回りは狙えない
1つ目のデメリットは指数以上の利回りは狙えないことです。
インデックスファンドは指数の値動きを目指して運用されているので、基本的に指数に近い動きを見せます。例えば1日で5%の指数アップが見込まれた場合、5%に限りなく近いアップ率が見込めるものの、10%、15%になる可能性は限りなく低いです。
裏を返せば、5%の指数ダウンがあれば5%のダウン率に限りなく近いダウン幅となるので、必要以上に損をすることもありません。ニュースで登場する指数に一喜一憂するぐらいの感覚で楽しめるのもインデックスファンドの特徴です。
元本割れも十分にある
2つ目のデメリットは元本割れも十分にあることです。
投資信託の場合、毎日値動きがあるので、どこかのタイミングで購入時より値が下がってしまうことがあります。特に日経平均株価が3万円を超えれば、どこかのタイミングで3万円を割り込むこともあり、3万円を超えるタイミングで購入した人からすれば2万円台に突入した時点で元本割れです。
他にも手数料や信託報酬なども負担しないといけないので、その分が最初からマイナスになります。成長が見込めれば一時的な元本割れはあっさり回収できますが、どこかのタイミングで元本割れになった際に慌てないことが求められます。
インデックスファンドはNISAにぴったり
これから資産運用を始める方にとって、NISAの存在はとても大事であり、利益が一定範囲まで非課税になるNISAの積極的な活用が大切になります。実はインデックスファンドはNISAにぴったりです。
その理由はNISAに対応したインデックスファンドが非常に多いからです。そもそもインデックスファンドは経費がかかりにくく、その分、値が上がれば利益が出やすい特徴があります。中には総経費率が0.01%のものがあったり、0.1%台でとどまる商品も多く存在します。
少額から始めやすく、なじみのある指数を使い、コストもかからないとなると初心者の方が手を出すには好条件が色々と揃っています。特に毎月の貯金感覚で積み立て、資産運用の勉強はあまりしたくない場合、インデックスファンドは渡りに船と言えます。
まとめ
今回はインデックスファンドについてご紹介してきました。
インデックスファンドは日経平均株価やTOPIX、ダウ平均株価などニュースで聞いたことがあるような指数を用いたもので構成されており、初心者の方でも選びやすい金融商品です。NISAでも選びやすく、資産形成を目指していく上で候補の1つに入れることをおすすめします。
また少額から始められるのもインデックスファンドのいいところです。ポイント投資など100円から始められるケースもあり、資産運用とはどういうものか、お小遣いを少しだけ使ってお試しでやってみるのもいい勉強になります。資産運用への興味関心のためにも少ない資金から始めてみてはいかがでしょうか。