ニュースなどで出来高というフレーズを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。出来高は株などの売買で用いられる言葉であり、株式投資を行う方にとっては知っておくべきフレーズです。
今回は出来高とは何かに注目し、出来高の意味や確認方法、出来高で何がわかるのかなどをご紹介していきます。
出来高とは?
「出来高」という言葉を聞いたことがあっても、正確な意味を説明できない方もいるかもしれません。この記事では、出来高の基本的な意味とその重要性について解説します。
出来高の意味
出来高とは、株式や他の金融商品の売買が成立した取引量を指します。具体的には、1日の出来高、1週間の出来高といった期間ごとに、どれだけの取引が成立したかを表します。出来高が多いということは、買い手と売り手が活発に取引を行っていることを意味します。
出来高が多い時期には、市場に活発な取引が行われている証拠であり、株価の変動や市場のトレンドを読み解く手がかりとして注目されます。
出来高の重要性
出来高は、株価の変動を分析する上で重要な指標です。たとえば、出来高が急増する際には、特定のニュースや市場イベントが影響していることが多く、投資家心理の変化や株価の方向性を示す手がかりになります。
出来高と株価の動きを一緒に見ることで、今後の価格変動を予測する材料として利用されることがあります。
意外な企業が出来高ランキング上位に来る理由
出来高ランキングを確認すると、必ずしも有名な大企業だけが上位に来るわけではありません。たとえば、1株あたりの価格が低い企業がランキング上位に入ることも珍しくありません。
例えば、1株10円の企業の場合、1万株購入しても10万円で済みます。ここで仮に1円でも株価が上昇すれば11万円になります。
このように、低価格の株は小さな価格変動でも大きな利益が見込めるため、投機的な意味合いで取引されることが多いのです。
出来高ランキングを活用するポイント
出来高ランキングは、市場の注目銘柄や取引が活発な銘柄を知るための便利なツールです。出来高が急増している銘柄は、今後の株価の動きが活発になる可能性があり、投資戦略を立てるうえで参考にできるでしょう。
出来高の見方とは
投資家が出来高に注目する理由は、どれだけ取引がしやすいかを判断するためです。出来高が高い銘柄は、買い手と売り手が多く、取引がスムーズに成立しやすいため、流動性の高い市場を表しています。このような状況は、売り買いが活発で参加者が多いことを意味し、投資家にとって重要なポイントです。
また、出来高が増える場面は、多くの場合、ニュースや決算発表などが関係していることが多く、投資家心理が大きく動いているサインとも言えます。出来高は、こうした市場の動向を読むためのシグナルとして投資戦略に活用されています。
一方で、出来高が少ない場合は注意が必要です。出来高が少ない銘柄は、取引が成立しにくく、売りたいときに思うように売れなかったり、期待していた利益が得られないリスクがあります。このような状況では、取引が停滞し、価格変動が抑えられる傾向にあるため、流動性が低いことが投資判断に影響を与えます。
出来高ランキングで上位に位置する企業は、何らかの理由で取引が活発な状況にあり、投資家にとって注目度が高いと考えられます。特に、ランキング上位に現れる企業の中には、少額で購入でき、少しの価格変動で利益が期待される銘柄も多く見られます。
出来高の確認方法とは
出来高ランキングなどを通じて、各企業の出来高は簡単に確認することができます。では具体的にどこでチェックすればよいか、方法を紹介します。
確実なのは証券会社
株式投資を行うほとんどの方は、証券会社で取引口座を開設していることでしょう。この取引口座を使って、各企業のページで出来高の状況を確認できます。さらに、営業時間内であればリアルタイムの出来高もチェックできるため、正確なデータを得るには証券会社が最も信頼できます。
インターネット上にも出来高をチェックできるサイトがありますが、タイムラグが生じる可能性もあるため、リアルタイムでの確認には証券会社を利用することが理想的です。
MINKABUなら出来高以外にも
「MINKABU」では、出来高ランキングに加えて、出来高変化率という指標も提供されています。出来高変化率は前日と比べてどれほど出来高が増減したかを示しており、ランキングの上位には数千パーセント、数万パーセントといった大幅な変化が見られることもあります。
出来高ランキングとは異なり、ここに登場する企業は急激な売買が発生した企業が多く、有名企業が少ない傾向です。急な出来高変動の背景を調べることで、市場の動きを学ぶ絶好の機会となるでしょう。
出来高で何がわかるのか
出来高をチェックすることで、株式市場のさまざまな情報を読み取ることができます。以下、出来高でわかることを解説します。
どれくらい活発な取引か
冒頭でも述べたように、出来高が多いことは売り買いが活発に行われていることを意味します。取引が活発である場合、価格の変動が起こりやすいため、特にデイトレーダーから注目されやすくなります。
取引が活発であれば、短時間で価格が動く可能性が高まり、瞬間的な利益を狙うデイトレーダーにとって好都合です。活発な出来高は、新たな動きにつながりやすいと言えるでしょう。
どれくらい流動性があるか
活発に売買が行われ、出来高が十分にある状態は流動性が高いと言えます。この状況では、急激な価格変動が起こりにくく、現実的な値動きが維持されるため、取引もスムーズに成立しやすいのが特徴です。
一方で、流動性が低いケースでは、思うように売買が成立せず、極端な値動きが生じることがあります。激しい変動が見られるものの、その幅は一定の範囲に収まる傾向があります。
どんなトレンドなのか
出来高の動きを確認することで、株価のトレンドを把握することが可能です。出来高が増加している場合、上昇または下降トレンドが強い傾向にあり、当面そのトレンドが続く可能性があります。トレンド判断の一環としても、出来高は大切な指標です。
出来高と株価との関係性
出来高と株価は密接な関係性があると言えます。ここでは出来高と株価の関係性について解説します。
投資家の心理を示すサイン
株価が下がったタイミングで出来高が増えるケースや、株価も出来高も下がるケースなど、さまざまな動きが見られます。前者の場合は、少しでも安く株を買いたいという投資家の意図が現れ、後者の場合は、株価が下がっても買いが入らない投資家の心情が反映されていると言えます。
また、株価が大きく下がった時に出来高が急増することもあり、これはトレンドが変わる分岐点となることが多いため、特に注目すべき動きです。このように、出来高と株価の動きは、投資家の心理を推測するサインとして役立ちます。
高値で出来高が増えた場面は注意
出来高がどの価格帯で増加するかも、重要なポイントです。特に高値の状況で出来高が増える場面では、その後に下降トレンドに入る恐れがあるため、注意が必要です。「少しでも高く売りたい」「少しでも安く買いたい」という投資家の心理が働くため、高値で売り注文が増えるタイミングは、上昇が一段落するサインであることが多いのです。
逆に、これ以上は下がらないだろうという水準で買い注文が集まることもあります。こうした動きを把握することは、相場の転換点を見極める際に役立ちます。
価格帯別出来高も要チェック
出来高にはいくつかの種類がありますが、その中でも「価格帯別出来高」は特に注目される指標です。価格帯別出来高は、どの価格で売買が活発に行われたかを示しており、投資家が集まる具体的なタイミングや状況が把握できます。
言ってしまえば、価格帯別出来高を見ることで、その株のターニングポイントや分岐点が一目瞭然になります。価格帯別出来高は、トレードツールなどで簡単にチェックできるため、取引時の重要な指標として活用されます。
出来高とFX取引など投資における活用方法
出来高は株式だけでなく、FX取引や仮想通貨など他の投資分野でも活用されています。ここでは、株以外の投資における出来高の使い方をご紹介します。
流動性と取引のスムーズさの確認
FX市場での出来高は、通貨ペアごとの取引量を示します。どの通貨に流動性があるのかを端的に把握できるため、投資家にとって有用な指標です。特にFXでは流動性が高いとスプレッドが狭くなりやすく、取引コストの削減にもつながります。
多くのFX会社は、カバー取引を行う際に一定の取引量が集まった段階で実行するため、流動性が高ければその分、取引がスムーズに進みます。逆に出来高が少ないとカバー取引が難しくなり、スプレッドが広がる傾向があり、注文のしやすさに影響を与えます。このように、FXにおいても出来高は重要な指標となります。
仮想通貨における出来高の重要性
株式では出来高が増えても大きな値動きは起こりにくいですが、仮想通貨の場合は異なります。出来高が増えると、仮想通貨の価格が急上昇または急下降しやすいのが特徴です。
仮想通貨は外部の影響を受けやすく、ビットコインなどは春節などのイベントをきっかけに大きな値動きと出来高の増加が見られることが多いです。こうした急激な動きは、特に初心者にとっては取引のリスクが高まる状況といえるでしょう。
出来高を確認する方法
仮想通貨の出来高をチェックする際は、確認する場所に注意が必要です。出来高は取引所でも確認できますが、取引所ごとの出来高であり、市場全体の出来高を示しているわけではありません。仮想通貨全体の出来高を確認したい場合は、「CoinMarketCap」などを利用することが推奨されます。
9000近くある仮想通貨を見てわかること
「CoinMarketCap」では、9000種類におよぶ仮想通貨の時価総額や出来高などの情報を確認できます。出来高が少ない仮想通貨の中には、取引が全く行われない日があったり、数万円程度の取引高しかないものもあり、その人気の低さがうかがえます。
例えば、ビットコインの24時間の取引高は4兆円、時価総額は100兆円を超え、圧倒的な規模を持っています。ビットコインに続くイーサリアムも時価総額40兆円程度で、出来高が多い通貨ほど取引の安定性が期待できます。
時価総額が1兆円を超える仮想通貨はわずか15銘柄であり、多くの通貨は数千億円規模にとどまります。大規模な仮想通貨は安定した出来高を持ち、活発な取引が行われやすいのが特徴です。
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まとめ
出来高はトレンドをつかむ上で欠かせないファクターであり、見方さえわかってしまえば株式投資を行う際にいい判断材料となります。もちろん、今回ご紹介した傾向は一例であり、すべてが当てはまるわけではありません。
出来高の正しい見方を理解し、実際に仮説を立てながら売買を行う中で出来高の考え方をつかみ、ライバルに打ち勝つトレードを行っていきましょう。