LENDEX業務部の石野です。
今回は投資の知識として「利回り」について詳しくお伝えしていきます。
老後資金として2000万円が不足するという金融庁の試算が出たことを契機に、サラリーマンを始めとした方たちが資産形成に乗り出しています。初めて資産運用を行う人にとって分からない言葉がたくさんある中で、注目したいのが「利回り」です。
利回りとは何か、利回りでは何に注意をすればいいのか、利回りに関することを中心に解説します。
利回りとは何か
資産形成・資産運用を行うにあたり、非常に重要なワードに「利回り」がありますが、そもそも利回りとは何なのか、ご紹介します。
利回りは利益率である
利回りとは何かを簡単に説明すると、利回りは利益率です。つまり、最初に投資した金額に対してどれくらいプラスにできたか、それが利益率であり、利回り率となります。
例えば、100万円を投資した場合に110万円に増やすことができれば、利回りは10%となります。資産運用における利回りは年間の利益で表現されるため、1年間で100万円を110万円に増やせたら、年間の利回りは10%と言われます。
利回りと利率の違いとは何か
利回りに似た言葉に利率があります。この利回りと利率との違いとは何か、利率の意味から探っていきます。
利率とは何か
利率はあらかじめ決められている利息率を指します。例えば年利5%であれば、投資分の5%が利息率、利率です。100万円を年利1%の定期預金で預けた場合、1年後には101万円になります。定期預金などの年利は基本的に固定されています。
一方、利回りは利息分だけでなく、不動産や株式などを売却した際の利益なども計算した上で算出されます。運用によって生じる利益で利回りは変動するため、常に利回りが安定しているわけではありません。
安定的に一定のパーセンテージ分増えていくのが利率、運用による利益で変わるのが利回りです。
配当利回りとは?
配当利回りは、株式投資において特に重要な指標の一つです。これは、企業が株主に対して支払う年間の配当金を、現在の株価で割ったものを指します。配当利回りが高い企業は、安定したキャッシュフローを得たい投資家にとって魅力的な選択肢となります。
配当利回りの計算方法
配当利回りは以下の式で計算されます。
配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価が1,000円で、年間配当金が50円の株式を持っている場合、配当利回りは5%です。配当利回りが高い企業に投資することで、株価の上昇を待つだけでなく、配当金として定期的に収益を得ることができます。
配当利回りが重要な理由
配当利回りは、株価の値上がりによるキャピタルゲイン(株価の上昇益)と異なり、インカムゲイン(配当収益)を重視する指標です。特に、長期的に株式を保有して安定した収益を得たい投資家にとって、配当利回りの高い株式は魅力的です。また、株価が下落したとしても配当が安定していれば、配当利回りが上昇し、さらに魅力的な投資先となる可能性があります。
配当利回りと他の投資指標との比較
株価が下がっても配当が維持される場合、配当利回りは上昇します。しかし、高配当利回りの株式は必ずしも安全な投資ではなく、企業の業績や将来の見通しによっては、配当が減額されるリスクもあるため、他の指標(PER、PBRなど)と併せて判断することが重要です。
利回りの計算方法とは?
利回りを算出するための計算方法にはどんな方法があるのか、簡単な利回りの計算方法についてご紹介します。
利回りの計算方法
利回りの計算式ですが、「利益÷投資元本」で算出できます。不動産投資や株式投資などの場合、まず1年間でどれだけの配当や利益が出たかを求めます。仮に100万円を投資元本とし、1年間で10万円の利益が出たら、10万円÷100万円で0.1となり、10%が利回りです。
この利益には投資信託における分配金、売却益も含まれるため、投資信託の場合には分配金と売却益をセットにすることが求められます。
利回りシミュレーションを使って投資計画を立てよう
利回りは、資産運用の計画を立てる際に重要な指標です。しかし、利回りが実際にどのように資産形成に影響を与えるかを具体的に知るためには、利回りシミュレーションが役立ちます。シミュレーションを行うことで、投資元本、利回り、運用期間を元にして、将来的にどのくらいのリターンが得られるかを計算できます。
利回りシミュレーションの具体例
例えば、100万円を年利5%で運用すると仮定した場合、以下のようなシミュレーションができます。
投資元本:100万円
利回り:5%
運用期間:10年
この場合、単利であれば10年後には150万円になりますが、複利を利用すると10年後には約162.9万円に増加します。このように、利回りの違いや運用期間の変化により、資産の増加ペースが変わることをシミュレーションを通じて確認できます。
利回りはなぜ重要なのか
資産運用を行う際に利回りの数字を気にする人が少なくありません。なぜ利回りが重要なのか、老後資金2000万円問題と一緒に解説します。
老後資金2000万円を貯金だけで貯めるには
例えば、老後資金2000万円が足りない問題において、どの時点までに2000万円を確保しないといけないか、皆さんはご存じですか?この場合の老後資金2000万円は会社を定年退職してから亡くなるまでの30年間で必要とされる資産です。
できれば定年までに2000万円を確保するのがベストですが、注目は2000万円を貯めるのにどれくらいの時間がかかるかではないでしょうか。仮に資産運用なしで単に貯金だけで2000万円を貯めようとした場合、毎月5万円の貯金では実に33年もかかり、65歳定年であれば32歳から始めなければなりません。
10万円であれば17年弱なので、48歳ぐらいから始められるため、まだ間に合う人も多いでしょうが、48歳となると30歳で結婚し、子どもが生まれていた場合であれば、子どもが大学生になろうかという時期で、高額の教育資金などが必要となります。教育資金を捻出しながらも老後資金で毎月10万円を工面し始めるのは、かなり大変でしょう。
資産運用の利回りは資産形成をアシストする
貯金だけでは現実的とは言い難い年数がかかってしまいます。そのため、資産運用を行い、老後資金2000万円の資産形成に挑むのです。そこでポイントになるのが利回りです。毎月一定金額を積立運用する形で資産運用を行った場合、利回りが大きな影響を与えます。
例えば、毎月5万円で年3%の運用した場合、およそ10年で700万円ほどになります。仮に2000万円を形成するのであればだいたい24年弱かかる計算です。単なる貯金だけでは33年もかかったことを思えば、たった3%の利回りで10年短縮でき、65歳の定年を考慮すると41歳から始められます。
これが年5%の利回りで運用された場合はどうでしょうか。およそ20年で完了します。そして、年10%の利回りなら15年です。このように利回りが大きければ大きいほど、短い年数で資産形成が行えます。毎月10万円の工面は厳しくても5万円であれば何とか切り詰めたり、副業を行ったりすればクリアしやすくなるでしょう。
複利計算を活用した長期的な資産運用の効果
複利計算は、投資の世界で強力な武器となります。複利とは、得られた利益を元本に組み込み、その元本に再び利息がつく仕組みです。つまり、複利では利息が利息を生む形で資産が増えていくため、時間が経つほどその効果が大きくなります。複利を活用することで、投資元本が加速度的に増加する可能性があるのです。
複利計算の基本式
複利の計算は以下の式で表されます:
複利計算式: 元本 × (1 + 利回り) ^ 期間
例えば、100万円を年利5%で運用する場合、10年間でどのように資産が増えるかを見てみましょう。
- 投資元本:100万円
- 利回り:5%
- 運用期間:10年
この場合、複利を使うと10年後の資産額は約162.9万円となります。もし単利で計算していた場合、同じ条件では10年後には150万円にしかなりません。複利の効果により、12.9万円多く増えることがわかります。
複利の効果を最大限に引き出すには?
複利計算を最大限に活用するための鍵は、早く投資を始め、できるだけ長く続けることです。時間が経つほど利息が元本に組み込まれる回数が増え、投資額が指数関数的に成長するため、早めにスタートすることが大きなリターンを生むのに役立ちます。
また、定期的に再投資を行い、複利の効果を維持することも重要です。投資信託や株式などで得た利益を再投資することで、複利の効果を最大限に引き出すことができます。
利回りを下げる税金の存在
利回りは1年間の利益によって定まります。しかし、投資信託、株式投資において利益が出るたびに税金が発生してしまうのです。この税金と税金対策についてご紹介します。
利益にかかる税金
投資信託や株式投資にかかる税金のパーセンテージは決められており、生じた利益の20.315%がかかります。内訳ですが、所得税が15%、住民税が5%、東日本大震災の復興に用いられる復興特別所得税が0.315%です。
せっかく100万円の利益が出ても、20万円ほど税金でとられてしまいます。利回りの影響を考えると、1000万円の元手で100万円の利益が出た場合、利回りは10%ですが、20万円ほど税金でとられてしまい、本当の利益は80万円ほど。実に2%の利回りダウンです。利回りが5%であれば、20%の税金で4%になるなど、なかなかに厄介な存在と言えます。
税金対策でおすすめのNISAとiDeCo
利益にかかる20%の税金を何とかしたい場合におすすめなのが2つあります。1つがNISAです。NISAは年間投資枠の中で積立や株式投資が行えて、一定の金額以内に投資元本を抑えられれば、その元本内で生じた利益はすべて非課税となる制度です。
NISAは2024年から制度が変更され、最大1800万円まで保有でき、非課税の期間は無期限となりました。1800万円まで保有し、その間の利益はすべて非課税なので、安心して利益を生み出すことが可能です。
iDeCoは個人型確定拠出年金の略称で、自分で掛け金を出して自分で運用を行っていく年金制度となっています。老後資金を確保するのに用いられ、利益が出ても非課税で、しかも、掛け金が所得控除となるほか、確定拠出年金を一時金で受け取る際も年金で受け取る際も所得控除が使えます。
どちらも老後資金の工面という点では同じですが、iDeCoの場合は掛け金が所得控除となるため、ふるさと納税をするよりも節税効果にかなり期待が持てるという意味で近年かなりの注目を集めています。
トータルリターンと利回りの違いを理解しよう
トータルリターンと利回りは投資成果を評価するための異なる指標です。それぞれがどのように役立つのかを理解し、適切に使い分けることが重要です。このセクションでは、両者の違いとそれぞれのメリットを解説します。
トータルリターンとは?
トータルリターンは、投資期間中に得られたすべての収益(配当金、売却益、利息など)を加味した、総合的な投資パフォーマンスを示します。トータルリターンでは、資産価値の変動や配当金を含めたリターンを評価します。
例えば、100万円を3年間投資し、毎年5万円の配当を得て、最終的に120万円で株を売却した場合、トータルリターンは以下のように計算できます。
トータルリターン = (売却益 + 配当金) ÷ 投資元本 × 100
この場合、トータルリターンは(20万円 + 15万円) ÷ 100万円 × 100 = 35%です。
利回りとは?
一方、利回りは1年間あたりの利益を示す短期的な指標です。利回りは主に年間の配当や利息を基にして算出されるため、配当利回りや債券利回りを評価するために用いられます。
トータルリターンと利回りの違い
- 評価期間の違い:利回りは1年間の収益率に焦点を当てる短期的な指標であるのに対し、トータルリターンは投資期間全体を評価する指標です。
- 含まれる要素:利回りは主に配当や利息を含む一方で、トータルリターンは売却益や元本の増減も含めた総合的なリターンです。
どちらを使うべきか?
短期的な運用成績を知りたい場合は利回りが適していますが、長期投資の総合的な成果を把握したい場合はトータルリターンを使うのが効果的です。例えば、株式や不動産などの長期投資では、トータルリターンで運用成果を評価することが一般的です。
利回りとは何%がベストなのか
ここまで利回りの大切さをご紹介してきましたが、おおよそ何%の利回りが理想であり、ベストなのか、不動産投資、投資信託などのケース別にご紹介します。
不動産投資におけるベストな利回り
不動産投資は安定的な家賃収入が魅力的ですが、不動産投資の場合は「グロス」と呼ばれる表面利回り、「ネット」と呼ばれる実質利回りの2つがあります。
グロスは不動産の価格に対する家賃収入の割合を指し、ネットは税金などの費用を差し引いた家賃収入の割合で、実際に注目すべきは実質利回りですが、注意したいのは不動産投資の情報では表面利回りが出やすく、実質利回りはあまり出にくいです。
また新築を買うか、中古を買うかでも利回りに影響を与え、安く購入できる中古物件の方が利回りは高くなりやすいとされています。またマンションやアパートよりも戸建ての方が、利回りが高く出やすい傾向もあるなど、条件や地域によって利回りはかなり変わるでしょう。
表面利回りにおける理想は、中古だとだいたい10%前後、新築だとだいたい8%前後ですが、常に満室を想定し、売却時の価格も考慮しないといけないため、何年間保有し続けるかも考えなければなりません。
投資信託の理想的な利回り
投資信託は、金融商品によってリスクや利回りが大きく変動します。国内や海外の株式や債券のほか、原油や金などの先物ファンドもあるため、取り扱うものによって大きな利回りを狙えるものもあれば、債券重視で手堅さを狙えるものもあります。
このため、利回りは3%台にとどまる金融商品もあれば、実に10%を狙えるものも。中には10%を大きく超える金融商品がありますが、それだけリスクが大きく、元本割れの可能性を持つものも含まれています。
利回りとリスクのバランスを
高利回りであれば、複利運用をすることで資産形成がしやすくなります。しかし、利回りが高いことはリスクも孕んでおり、利回りとリスクのバランスが大切です。
何事にも元本割れの可能性がある
老後資金を貯めるのに確実に資産を増やすことが求められますが、結局のところ、どんな金融商品にも元本割れの可能性があります。利回りが高くても低くても元本割れは生じる可能性がある一方、リスクヘッジの割合が高いと元本割れの可能性が低く、勝負一辺倒であれば元本割れを起こしやすくなります。
その代わり、攻めた投資信託はそれだけ利回りが高く、うまくいけば資産形成のスピードも増すでしょう。典型例は仮想通貨で、いわゆる「億り人」になった人たちはリスクがかなりあった中で資金を投入していました。
元本保証の投資信託に高利回り商品はほぼない
リスクヘッジを重視し、できるだけ元本保証の投資信託を選ぼうとする人もいるでしょう。しかし、元本保証の投資信託に高利回りの商品はほとんどないのが実情です。例えば、定期預金は元本保証の最たる例ですが、現状の定期預金の利回りがどれくらいかは今更語ることではないでしょう。
あまりにも低すぎて話にならず、老後資金2000万円を手にするのに何千億円ものお金が必要になるくらい、利率は低いです。債券も元本保証に近く、リスクがとても低いですが、年率が低いのが実情です。
逆に国債の中には高利回りの国債もありますが、新興国が多く、国としての信頼に欠けるケースが目立ちます。結局債券においても信用が大きく左右するので、安全なところほど利回りは低くなります。
資産運用をさらに加速!利回り重視の投資ならLENDEX
利回りについて理解が深まった今、 安定した収益を目指せる投資プラットフォーム「LENDEX」 で資産運用を始めませんか?
LENDEXとは?
不動産を中心とした融資型クラウドファンディングサービスで、 平均利回り7.09% の案件を提供しています。2018年の創業以来、 400億円以上の運用実績 と 元本割れゼロ という信頼を誇ります。
LENDEXの特徴
- 高い利回り:投資信託や定期預金に比べて、業界トップクラスの利回りを実現
- 安全性:専門スタッフによる厳正な審査を通過した案件のみ
- 少額投資可能:2万円から投資をスタートでき、最短2営業日で運用開始
貯金や定期預金では得られない高い利回りを、LENDEXで体験してみましょう。まずは無料会員登録で一歩踏み出してみませんか?
まとめ
利回りは資産形成では非常に重要ですが、あまりにも利回りを意識しすぎると元本割れの可能性を高めて、思ったような成果を生まない可能性があります。かといって、元本保証を意識しすぎてもいけません。
NISAやiDeCoなどを活用して、運用益に税金がかからない方法も色々とあるので、資産形成をすぐに始める前にまずは少しでも無駄を省くための勉強をしていくことがおすすめです。
平均利回り6%以上のソーシャルレンディング投資、LENDEXの投資口座開設はこちらから行うことができます。