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加重平均とは?意味や計算式を簡単にわかりやすく解説|求め方やWACC(加重平均資本コスト)について

 

 

皆さんは加重平均をご存じでしょうか?一般的な「平均」とは違う形で計算を行うものであり、学校の授業でもあまり取り上げられないため、知らない人が多く、投資とどのように関係があるのか、気になる人も多いでしょう。

 

この記事では加重平均に関する情報を中心に、計算式や加重平均の求め方などをご紹介していきます。

目次

加重平均とは?

加重平均という言葉を聞いたことがない人も多いはずです。加重平均とは、数値の重みを考慮した平均値のことを言います。それがどういう意味を持つのか、ご紹介していきます。

加重平均の意味

加重には「重さが加わる」という意味があります。加重平均では平均値を出す際に、特定のものだけ重要性が高い場合にその重要性を加味した平均値を出すことができます。これによって実態を反映させた平均値を出せます。

 

一般的な平均であれば単純に数値を足し算して割り算を行えばいいですが、加重平均では比重の大きい数値が反映されやすいようになっており、単純な平均値よりもより実態に近くなります。いわば加重平均は実態により迫ることのできるものと言えるでしょう。

加重平均はどんな時に用いられている?

加重平均は果たしてどのようなときに求めるものなのでしょうか。ここでは加重平均が使われているケースを中心にご紹介します。

TOPIX(東証株価指数)

日本の経済の指標として分かりやすい存在なのが日経平均株価、そしてTOPIX(東証株価指数)です。日経平均株価は代表の225銘柄の平均株価、TOPIXは東証全体の平均指数という具合になっています。この2つは一見すると同じ計算方法で算出されているように思われますが、実は違うのです。

 

TOPIX(東証株価指数)に関しては時価総額を考慮し、加重平均で算出されています。時価総額が高い株価に比重が置かれやすくなるため、より実態に迫れると言えるでしょう。日経平均株価の場合は実は単純な株価の平均なので、どちらかといえばTOPIX(東証株価指数)の方がより相場の状況を反映していると言えます。

加重平均利回り

株を購入し、定期的に配当が出る場合があります。この場合、1株あたりいくらというところから平均利回りが算出されます。この状態で出されるものが単純平均利回りと呼ばれます。一方で、上場株式数を考慮した平均利回りが加重平均利回りです。

 

加重平均利回りでは時価総額の中で配当がいくら出されているか、その割合を示すことになります。海外では加重平均利回りを算出するのが一般的なため、比較を行う際には加重平均利回りを算出してから比較を行うことになります。

奨学金の返済

より身近なところでは奨学金の返済に加重平均が用いられます。奨学金の返済において利子がつく場合には、利率を加重平均で求めていきます。どのように加重平均で求めていくかは有利子で奨学金の貸与を行う組織によって異なります。

 

加重平均で求めることで、実は毎月の利率は若干変わっており、常に一定というわけではありません。ただし、変化するといっても数字の誤差レベルの変化しかないため、返済において加重平均を実感することはあまりないでしょう。

加重平均は投資のどんな時に役に立つ?

加重平均は投資を行う際にさほど関係がないのではないかと思われがちです。しかしながら、加重平均は投資の場面でも役に立ちます。どんな場面で役に立つのかをご紹介していきます。

同じ投資信託の商品を複数回購入した時

最初に購入した投資信託の商品が利回りもよく、買い増しをした方がいいだろうと考えたとします。何回も購入を重ねた場合、その平均値は購入額を単純に平均して算出できるものではありません。いくらの時に何口購入したかの加重平均で平均価格を出していきます。

 

これにより、より実態に近づいた価格になるため、現状よりも得なのか損なのかもある程度わかるようになるでしょう。

トレンドの転換を見極める時

加重平均を活用したものに「加重移動平均線」があります。加重移動平均線とは近々の価格に比重をかけ、トレンドの敏感な動きを察知することができ、トレンドの転換にも対応しやすくなります。

 

加重移動平均線とは別に、単純移動平均線がありますが、これは比重をかけず単純に価格で割って算出された平均線です。比べてみると、単純移動平均線と比べて加重移動平均線の方が早めにトレンドについていっており、敏感に反応できています。FXや株式投資において、加重移動平均線はより鋭く反応していくのに使えるでしょう。

加重平均の計算式

加重平均を実際に計算していく際には計算式に当てはめていくことが大切です。ここでは計算式をまとめました。

加重平均の求め方

まず加重平均で重要になるのは、それぞれの重みについてです。例えば3つの会社の平均年収を出すことにします。A社は500万円、B社は400万円、C社は300万円としました。仮に単純な平均年収を出すとすれば、(500+400+300)÷3をして400となるので、平均年収は400万円となります。

 

一方、A社は1000人、B社は500人、C社が100人だった場合、3社の合計は1600人となり、A社は5/8、B社は5/16、C社は1/16となり、分母を16に統一すると、A社は10/16となります。今度は平均年収に、この分数を掛け算して数値を出します。A社は312.5、B社は125、C社は18.75になり、最後にこの3つの数値を足して出た456.25が加重平均の結果です。

 

単純な平均をすれば400万円だったものが、加重平均をすれば456.25万円となります。明らかに数値としては異なり、実態に近いのは加重平均をした側となるでしょう。

 

加重平均の計算方法は確かに複雑な部分もありますが、何回か計算を行っていく中でわかってきます。またエクセルで算出することができるなど、計算式が分からない方はエクセルで計算してみることをおすすめします。

WACC(加重平均資本コスト)について

ここからはWACC(加重平均資本コスト)についてご紹介していきます。WACC(加重平均資本コスト)は資本コストを計算する際の一般的な計算方法となります。この数値が何を意味するのか、ご紹介していきます。

WACC(加重平均資本コスト)の意味

WACC(加重平均資本コスト)には資金調達にかかるコストを算出する意味合いがあります。資金調達の方法は株主から投資をしてもらう際のコスト、銀行などから借り入れをする際に生じるコストの2つがあります。

 

株主から受け取った資本の方が多いのか、はたまた銀行などから借り入れをした際の資本の方が多いのか、それぞれの割合を定めてから加重平均を行っていきます。

WACC(加重平均資本コスト)の平均は?

WACC(加重平均資本コスト)はおおむね5%から7%でとどまりやすいと言われています。業種によって様々で株主資本がしっかりと入っている業界ほどWACC(加重平均資本コスト)は下がりやすい傾向にあります。

 

一方、機械工業などリスクがある程度高いところはWACC(加重平均資本コスト)の数値が高くなりやすいなど、業種によってバラバラです。

加重平均は初心者から知っておくべきか

ここまで加重平均についてご紹介してきましたが、投資初心者にとって加重平均は知っておくべきことなのか、ご紹介していきます。

加重平均はまだ知らなくていい

TOPIXなど加重平均が使われているものがあるという知識は知っておいてもいいでしょう。しかし、加重平均を求めなければ投資で痛い目を見るケースはあまり考えにくく、もし加重平均の必要性を感じるとすれば、それは上級者になってからです。

 

ですので、初心者の段階では加重平均はまだ知らなくて問題ありません。計算式もすぐにはマスターできるものではないですし、しかも、扱う数値は時にケタ数が多く、細かな数値になりやすいため、間違ってしまうことも考えられます。間違った数値になってしまったら意味がありません。

まとめ

今回は加重平均についてご紹介してきました。加重平均は説明を受ければ何となくイメージがしやすいものではありますが、日常生活において本当に必要なものかと言われれば、疑問符がつきます。そして、投資の場面でも無理して加重平均の計算方法を知っておく必要はないかもしれません。

 

一方で、加重平均を全く知らなくていいと断言できるほどのものでもないのが実情です。現に加重平均を用いているケースもあり、仕組みとして覚えておいて損はないでしょう。加重平均を実際に計算式で求めていくと面白いので、適当な数字をつけて簡単にでも計算していくことをおすすめします。

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