「10万円を運用する際におすすめの金融商品やサービスはある?」
このような疑問にお答えします。
アルバイトなどで貯めた10万円をそのまま使わず、投資で効率良く増やしていきたいと思う方も多いですよね。
本記事では、10万円を投資するのにおすすめの金融商品・サービスを6つ紹介します。
また、10万円の運用時に活用した方が良い制度や、投資時の注意点も合わせて解説するため、投資や資産形成に興味がある方はぜひご覧ください。
10万円を投資するのにおすすめの金融商品・サービス
10万円を投資する際に適した金融商品やサービスを、以下の表にまとめました。
資産運用 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
個人向け国債 | 資金調達のために国が発行する債券 | 信用リスクが低い | 価格変動が小さい |
投資信託 | 投資自体をプロの投資会社や専門家に任せる | 少額から始められる | 費用が多くかかる |
ETF(上場投資信託) | 上場している投資信託 | いつでも売買が可能 | 売買委託手数料がかかる |
株式投資 | 資金調達のために企業が発行する株式を売買する | 単元未満株を利用すれば1株から購入可能 | 株価の暴落リスクがある |
融資型クラウドファンディング | プロジェクト運営のための資金を企業に融資する | 平均利回りが2〜7%と比較的高い | 貸し倒れのリスクがある |
不動産クラウドファンディング | 不動産投資用物件の購入資金を企業に融資する | 賃貸収入や不動産売却益の一部が還元される | 価格変動や家賃滞納などのトラブル・リスクが多い |
それぞれを詳しく解説するため、自身のライフスタイルに合ったものを探してみましょう。
個人向け国債
個人向け国債とは、個人の投資家から資金を調達するために国が発行する債券(借用証書)を指します。
個人向け国債には償還日や償還金額などが設定されており、保有中は定期的に利息が支払われ、償還日になると10万円の元本が返還されます。
また、企業が発行する株式とは異なり国債の発行元は国であり、信用リスクが低い点がメリットです。
しかし、価格変動が小さく、株式投資ほどのハイリターンは期待できません。
そのため、10万円を個人向け国債で運用する際は、他の金融商品やサービスと併用することをおすすめします。
投資信託
投資信託とは、投資自体をプロの投資会社や専門家に任せる金融商品です。
投資信託は各投資家から集めた小口資金を大口に変えて運用する仕組みで、いきなり10万円全額を投資せず、数百〜千円の少額から始められます。
また、主な投資信託の種類を以下の表にまとめました。
投資信託の種類 | 特徴 |
---|---|
株式投資信託 | ポートフォリオに株式を組み込む |
インデックスファンド | 日経平均株価やS&P500などの指数に連動した運用を目指して収益を出す |
REIT(不動産投資信託) | 不動産を購入して、家賃収入や売却益の一部を投資家に分配する |
株や不動産投資など難易度の高い資産運用でも、投資信託を利用してプロに投資を一任すれば、10万円を資産運用で増やせる可能性が高まります。
しかし、投資信託は購入時手数料・信託報酬(運用管理費用)・信託財産留保額などの費用が多く発生するため、投資信託の購入のしすぎには注意が必要です。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは「Exchange Traded Funds」の略で、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している金融商品を指します。
ETFには、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指標の動きに連動する運用成果を目指すインデックス型と、指標の動きに連動しないアクティブ型があります。
また、非上場の投資信託は1日一回しか取引できませんが、ETFは取引所の取引時間内であれば、成行・指値注文でいつでも売買可能です。
そのため、早朝や深夜など好きな時間に10万円を投資したい方におすすめです。
ただし、取引頻度が多いと、その分売買委託手数料がかかる点に注意しましょう。
株式投資
株式投資とは、企業が資金調達のために発行する株式を売買し、売却差益や配当金を得る金融商品です。
最低売買単位は1単元100株以上ですが、単元未満株(S株)を利用すれば1株から購入できます。
また、企業によっては商品券や割引券など株主優待を受けられる点もメリットです。
実際に、元プロ棋士の投資家・桐谷広人さんは、現金をほとんど使用せず株式優待のみで生活しています。
そして、株価が上昇すれば10万円を青天井に増やすことが可能である一方、企業の業績悪化や経営不振によって株価が暴落するリスクがある点に要注意です。
融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングとは、プロジェクトの運用目的で資金を企業に貸し付け、運用成績に応じて分配金や利息を受け取れるサービスです。
融資と投資の両面を併せ持つ資産運用の方法で、LENDEXやクラウドバンクなどのサービスも増えており、近年大きな注目を集めています。
また、平均利回りが2〜7%と比較的高く、数万円の少額から投資をスタートできる点が特徴です。
ただし、融資型クラウドファンディングの運営会社や融資先企業が倒産すると、資金を回収できない可能性があります。
そのため、10万円を投資する前は、運営会社のサービス継続年数や元本割れの件数、企業のプロジェクトの内容などを確認しておきましょう。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとは、投資家から募った資金で投資用の不動産を購入し、不動産の賃貸収入や売却差益の一部を投資家に還元するサービスです。
居住用不動産は人が住んでいる限り需要が発生するため、収益が安定しやすい点が特徴です。
また、初期投資に多額の費用が必要な不動産投資と違い、不動産クラウドファンディングでは数万円程度と少額から気軽に投資をスタートできます。
ただし、不動産事業は不動産の価格変動や災害などのリスク、入居者の家賃滞納といったトラブルが多く、案件によっては元本割れが起きやすいこともあります。
そのため、不動産クラウドファンディングで10万円を投資するなら、大きなトラブルが起こりにくい短期の案件を選ぶのがおすすめです。
10万円を運用する際に利用したほうが良い制度
10万円を投資で運用する場合、以下の制度を利用することをおすすめします。
- NISA(少額投資非課税制度)
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
NISA口座を使うと一定額までは所得税や住民税が発生せず、iDeCoを活用すれば将来年金を受け取れます。
それぞれの制度の詳細を知れば費用削減や長期的な資産形成につながるため、ぜひ参考にしてください。
NISA(少額投資非課税制度)
NISAとは2014年1月から始まった少額投資非課税制度です。
通常、金融商品に投資すると20.315%(所得税15.315%+住民税5.0%)の税金が発生しますが、NISA口座で運用すると、一定金額まで利益が非課税になります。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)が由来で、日本版ISAのNISA (Nippon Individual Savings Account)の愛称で呼ばれるようになりました。
また、NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠の2種類があり、それぞれの非課税保有期間
や年間投資枠などを以下の表でまとめました。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
非課税保有期間 | 無制限 | 無制限 |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円 | 1,800万円のうち1,200万円 |
対象の金融商品 | 長期の積立・分散投資に適した投資信託 |
|
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
参照:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
つみたて投資枠で10万円を運用した場合、15年で非課税限度額の1,800万円に到達し、それ以上の収益を出してもNISA口座では節税できません。
しかし、保有中の金融商品を売却すれば、翌年以降に非課税保有限度額を再利用できます。
また、成長投資枠は年間投資枠が240万円とつみたて投資枠の2倍で、非課税保有限度額の合計1,800万円のうち、1,200万円まで税金がかからない点が特徴です。
ただし、NISA口座では債券や外貨預金、不動産投資などで10万円を運用できないことがデメリットです。
とはいえ、20.315%の高い税金が発生しない点や、18歳以上の方なら誰でも利用できる点などから、NISAはおすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは私的年金制度の一つで、自身で選んだ金融商品で掛金を運用し、60歳以降になると年金を受け取れる仕組みです。
加入対象は20歳以上65歳未満の全ての方と幅広く、加入者が障害または死亡の場合、60歳前でも障害給付金や死亡一時金を受給可能です。
また、iDeCoの加入対象者と毎月の拠出限度額を、以下の表にまとめました。
加入対象者 | 拠出限度額(/月) |
---|---|
自営業者など(第1号被保険者・任意加入被保険者) | 68,000円 |
会社員・公務員など(第2号被保険者) | 12,000〜23,000円 |
専業主婦(夫) | 23,000円 |
国民年金任意加入被保険者 | 68,000円 |
参照:https://www.ideco-koushiki.jp/start/
たとえば、サラリーマンの方が10万円を運用する場合、月々の拠出限度額は12,000〜23,000円で、4ヶ月分の掛金の種銭にできます。
なお、公的年金は20歳から60歳までの納付金額によって年金の額が決まる一方、iDeCoは掛金の運用成績に応じて受給額が変動します。
そのため、iDeCoを利用する際は自己責任で行いましょう。
10万円の資産運用シミュレーション【利回り別】
利回り1・2・3・5・10%の範囲内で10万円を1〜10年運用した場合、いくらまで増やせるかを以下の表でシミュレーションしました。
なお、運用時に発生する税金や手数料などの費用は除外してあります。
利回り / 運用期間 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1% | 101,000円 | 102,000円 | 103,000円 | 105,100円 | 110,500円 | 122,000円 | 134,800円 |
3% | 103,000円 | 106,100円 | 109,300円 | 115,900円 | 134,400円 | 180,600円 | 242,700円 |
5% | 105,000円 | 110,300円 | 115,800円 | 127,600円 | 162,900円 | 265,300円 | 432,200円 |
10% | 110,000円 | 121,000円 | 133,100円 | 161,100円 | 259,400円 | 672,700円 | 174,900円 |
参照:https://keisan.casio.jp/exec/system/14288998856258
10万円をわずか1%の利回りで運用した場合、30年後には約1.3倍までしか増えず、資産運用の効率が悪くなります。
一方、同じ10万円でも5%で運用すれば、30年後には約4.3倍にまで資金が増加します。
つまり、10万円を投資する際は、投資期間のみでなく利回りの高さも考慮しながら金融商品を選ぶのが良いでしょう。
また、投資で得た利益は20,315%の税金が差し引かれ、手取りは約8割になってしまいますが、節税したい方はNISAで10万円を運用することがおすすめです。
10万円を投資する際の注意点
10万円を投資で運用する際は、以下の点に注意する必要があります。
- 目標額と運用期間を決めておく
- 長期・分散・積立投資を意識する
- リスクを理解する
- 生活防衛資金を投資に回さない
- うまい儲け話には乗らない
- 投資初心者の方は投資アドバイザー(IFA)に相談する
投資に対して無頓着でいると、何のために10万円を増やすか分からずモチベーションが下がったり、投資詐欺に遭って10万円全額を失ったりするリスクがあります。
それぞれの注意点を解説するため、10万円を安全かつ効率良く運用しましょう。
目標額と運用期間を決めておく
10万円をいくらまで増やすか、何年投資するかを事前に決めておけば、投資に対するモチベーションが高まり10万円の投資が上手くいきやすくなります。
たとえば、孫の進学費用のために、10年後に10万円を1,010万円に増やしたい場合を考えてみましょう。
利回りや税金、手数料などを除外すると毎年100万円積み立てる必要があり、ハイリターンを期待できる株式投資や不動産投資を選んだ方が良いことが分かります。
つまり、目標額と運用期間が明確であれば、選ぶべき金融商品・サービスの種類や運用方法もある程度分かります。
長期・分散・積立投資を意識する
10万円を投資する際は、長期・分散・積立の三原則を意識することが大切で、以下のようなメリットがあります。
- 短期間の株価や債券などの値動きに一喜一憂することがない
- リスクを分散できる
- 複利効果を活用することでコツコツ資金を積み立てられる
短期間で10万円を2倍3倍と増やそうとすると、ギャンブルのような不確実な取引をする必要があり、細かい値動きで精神が不安定になってしまいます。
一方、長期投資ではそのようなデメリットがありません。
また、一つの銘柄に集中投資するよりも複数の銘柄で分散する方が、急激な価格変動が起きても資産全体には大きな影響がありません。
そして、投資には複利効果によって利息が利息を生むという特徴があり、10万円を堅実に運用できます。
リスクを理解する
投資の世界では、以下のようなリスクが発生することを覚えておきましょう。
リスクの種類 | 詳細 |
---|---|
価格変動リスク | 株価や債券などの価格が変化しやすい |
信用リスク | 財政難や経営破綻といった理由で、国や企業などの発行体が元本と利息を支払えない |
流動性リスク | 適切なタイミングや希望した価格で取引できない |
金利変動リスク | 金利の変動によって、金融資産の価値も変わりやすい |
為替変動リスク | 為替相場の変動によって、外貨建て金融資産に損益が出る |
カントリーリスク | 投資している国の社会情勢によって、金融資産の価値が変動する |
たとえば、個人向け国債や株式投資では価格変動リスク、融資型クラウドファンディングでは信用リスクがつきものです。
しかし、投資の世界でリスクは危険ではなく価格の値動きの大きさを表し、ノーリスクの金融商品は存在しません。
また、10万円を投資する際にリスクを下げるには、複数の金融商品を組み合わせて分散投資し、各金融商品の購入時期を分けてみましょう。
生活防衛資金を投資に回さない
投資する際は10万円が余剰資金である必要があり、決して生活防衛資金を使用してはいけません。
生活防衛資金とは、生活や緊急時に必要な資金で、生活費の約3〜4ヶ月分が該当します。
生活防衛資金で投資すると、大損した場合に生活レベルが著しく下がる可能性が高いため、おすすめしません。
そもそも、投資は生活に余裕があるタイミングで行うものです。
そのため、生活防衛資金が少ない方は、投資する前にまず生活防衛資金を貯めてみることから始めてみましょう。
うまい儲け話には乗らない
うまい儲け話には以下の共通点があり、投資詐欺の可能性が高いため、決して10万円を投資してはいけません。
- 不安を煽る
- 話題のテーマを絡めてくる
- 100%元本保証を謳っている
- 「楽して儲かる」と告げる
- 過去の実績を強調する
- 著名人とのつながりをアピールしてくる
- 夢を語ってくる
営業トークが上手な詐欺師は、年金2,000万円問題やコロナなどの不安を煽ったり、仮想通貨やクラウドファンディングなどの話題のテーマを取り上げたりと、手口が巧妙です。
また、投資の世界で100%元本保証はありえず、楽して儲かることもありません。
「FIREを目指そう」「年収1億円を目指そう」など、実現性が低い夢を押し付けてくる相手にも要注意です。
条件を満たしたからといって100%投資詐欺だと断定はできませんが、相手から少しでも怪しい儲け話をもちかけられたら、関わらない方が無難です。
投資初心者の方はIFA(投資アドバイザー)に相談する
はじめて投資をする方は、10万円を運用する前にIFA(投資アドバイザー)に相談に乗ってもらうことも選択肢の一つです。
IFA(投資アドバイザー)とは「Independent Financial Advisor」の略で、相談者の年齢や自己資金、投資目的や目標額などに応じて最適な金融商品を提案する専門家です。
金融先進国のアメリカでは、人生をサポートする専門家としてIFAの存在が認知されています。
また、自社が注力している金融商品を提案することが多い銀行や保険会社などと違い、投資アドバイザーは中立的な立場で投資のアドバイスをしてくれます。
ただし、IFA経由で金融商品を購入すると手数料が割高になりやすいため、注意が必要です。
融資型クラウドファンディングで10万円を投資するならLENDEX(レンデックス)にお任せ
融資型クラウドファンディングを利用して10万円を運用したい方は、LENDEX(レンデックス)の利用がおすすめです。
LENDEXとは、2018年に開始した融資型クラウドファンディングのサービスです。
平均利回りが7.09%と高水準で、「元本割れ0件」「運用実績400億円以上」という華々しい実績があります。
また、最低投資可能額は2万円と少額で、一度に最大5つのファンドまで申込が可能です。
口座開設は無料ででき、開設から最短2営業日程度で10万円の投資を始められます。
10万円の投資に関するよくある質問や疑問
10万円の投資に関するよくある質問や疑問をまとめました。
それぞれの質問をQ&A形式でお答えするため、10万円を投資する前にぜひご覧ください。
毎月10万円の積立投資は年収いくらから可能?
月々10万円を投資で積み立てる場合、年収は特に関係ありません。
たとえば、年収が240万円(月収20万円)でも、1ヶ月の生活費が10万円と少なく生活防衛資金が充分貯まっていれば、毎月10万円を積立投資に使用できます。
そのため、毎月10万円の積立投資は、年収などの属性に関係なく誰でも可能です。
10万円で何株買える?
10万円の資金で何株購入できるかは株の銘柄にもよるため、一概にはいえません。
たとえば1株=100円の銘柄の場合、単純計算で1,000株購入できます。
また、株価が高すぎて10万円では最低売買単位である100株を満たせない時は、単元未満株(S株)を利用すれば1株から購入可能です。
数百〜数千万円と高額な資金が必要なイメージがある株式投資ですが、実際は10万円あれば気軽に始められます。
積立NISAで毎月10万円を投資して何年?
NISAのつみたて投資枠を利用して10万円を投資する場合、15年で非課税限度額の1,800万に達し、その金額までは20.315%の税金がかかりません。
また、非課税限度額に達した後は、保有している金融商品を売却することで翌年以降に非課税投資枠を再度利用できます。
将来に備えて10万円を投資で手堅く運用しよう(まとめ)
本記事では、10万円を投資するのにおすすめの金融商品・サービスを6つ紹介しました。
数百〜数千円と少額から始められるものから、ほったらかし投資ができるものまで、資産運用の種類はさまざまです。
また、投資で節約したい方はNISAが、10万円を年金形式で積み立てたい方はiDeCoを活用することも適しています。
なお、10万円を投資する際は長期・分散・積立の三原則を意識したり、発生するリスクを理解したりすることも大切です。
この記事で紹介した金融商品・サービスを実際に利用し、10万円を堅実に運用してみましょう。