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太陽光発電投資はやめとけ?そう言われる理由とリスク、初期費用・節税・個人が失敗しないポイントを徹底解説

太陽光発電投資は、ひと昔前の「高利回りで放置OK」というイメージだけで語れない時代に入りました。売電単価の低下や出力制御の増加、FIT終了後の収益変動など、収入がブレる要因が増えた一方で、物件選びと運用設計が噛み合えば、今でも堅実に回せる投資であることも事実です。

では、なぜ「太陽光発電投資はやめとけ」と言われるのでしょうか。

本記事では、そう言われる背景を整理したうえで、発電量・故障・災害・保険・売却までのリスク、初期費用の目安と内訳、節税の考え方、そして個人が失敗しないためのチェックポイントを専門的にわかりやすく解説します。

目次

結論|太陽光発電投資は「やめとけ」ではない。条件を満たせば堅実に運用できる

成否は「立地・価格・運用体制」の3点でほぼ決まる

太陽光発電投資の成否(投資が成功するかどうか)は、「立地・価格・運用体制」の3点でほぼ決まります。

日当たりが良く影になりにくい立地であること、設備価格や土地代が割高すぎず適正な水準であること、そして遠隔監視やメンテナンス体制(維持管理の仕組み)を整えておくことが重要です。

仮に日当たりが良くても、取得価格が割高なら利回り(投資の収益率)が低下しますし、初期費用が安くても管理体制が杜撰だと故障や劣化で発電量が落ちる恐れがあります。言い換えれば、最初に条件の良い物件を選ぶことで、安定収益の可能性が大きく高まるということです。

これら3つの条件が揃えば、太陽光発電投資は堅実に運用しやすくなります。逆に1つでも欠ければ、予想外の収益低下やトラブルで失敗するリスクが高まります。

節税より先に、キャッシュフローが黒字になる設計が必要

販売業者から「減価償却で節税できるからお得」と説明されることがあります。

しかし減価償却は設備費を複数年に分けて計上する会計処理に過ぎず、税金の支払いを一時的に軽減する効果はあっても実際の利益が生まれるわけではありません。節税は基本的に税金の支払い時期をずらすもので、根本的にはお金を生み出しません。

したがって、節税ばかりに目を向けず、事業そのもののキャッシュフロー(現金収支)が安定してプラスになる設計になっているかをまず確認しましょう。

例えば融資を使うなら、売電収入からローン返済と維持費を差し引いても手元に現金が残るかを試算し、その上で節税効果を考慮するのが堅実です。税務上のメリットは所詮「おまけ」だと割り切り、本業の収支改善を最優先すべきです。

なぜ「やめとけ」と言われる?|利回り低下・制度変更・管理の手間が原因

買取価格の低下と出力制御で「思ったより売電できない」ケースが増えた

太陽光発電の売電単価は年々下落し、収益の元となる売電収入が想定より伸びにくくなっています。

FIT(固定価格買取制度)開始当初は1kWhあたり40円前後でしたが、2023年度には10円程度まで低下しました。これに加え、出力制御(供給過剰時に電力会社が発電を停止させる措置)が全国各地で増えています。特に太陽光導入量の多い地域では年間発電量の数%がカットされる事例もあり。

また、2023年度には全国で出力抑制量が過去最大規模に達したとの報告もあります。こうした影響で「思ったより売電できない」ケースが増え、収入が下振れすれば計画通りに利益を出すことが難しくなります。

制度変更(FIT終了後・FIP移行など)で収益予測が立てにくくなった

太陽光発電を取り巻く制度変更によって、長期の収益予測が立てにくくなっています。

FIT(固定価格買取制度)のように20年間価格が固定される仕組みは縮小傾向にあり、今後はFIP(Feed-in Premium、変動する市場価格にプレミアム補助を加える制度)など市場連動型のスキームが中心になります。市場価格は需給や政策によって変動するため、売電収入が将来どの程度得られるか読みにくくなりました。

実際、FIT終了後に余剰電力を市場価格で売る場合、収入が大幅に減ることも想定されます。制度の移行期には細かなルール変更も多く、事業計画通りの運用ができないリスクが増しています。収益の見通しを立てづらいことで、「先が読めず不安だ」と感じる投資家も増えました。

遠隔運用・草刈り・故障対応など、放置できない手間が意外と大きい

太陽光発電投資は「設置すれば後は放置でOK」と思われがちですが、実際には意外と手間がかかります。

例えば遠隔地に設置した場合でも、発電状況を常に監視し、異常があれば現地で点検・修理をしなくてはいけません。雑草も放置するとパネルに日陰を作り発電量を落とすため、年に数回(2~4回程度)の草刈りが必要です。

また、パワーコンディショナ(PCS、直流を交流に変換する装置)の故障対応やケーブル断線・動物被害など、予期せぬトラブルにも迅速に対処する必要があります。

遠隔監視システムの導入やメンテナンス業者への委託で対応することも可能ですが、その分コストがかかります。こうした管理業務を自分で行うにせよ外注するにせよ、完全な不労所得にはなりにくい点を理解しておくべきです。

リスク一覧|発電量・故障・災害・メンテ費・保険・売却まで

発電量のブレ(天候・影・積雪・パネル劣化)で収入が下振れする

太陽光発電の出力は天候に左右され、発電量には年ごとのブレ(変動)があります。

日照時間が平年より少ない年は、その分売電収入も減少します。過去には夏場の日照不足が長引いて、年間発電量が平年比で1割近く落ち込んだ例もあります。周囲の環境変化でパネルに影がかかるようになったり、冬季の積雪で発電停止する期間が延びるケースも考えられます。

さらに、パネル性能は経年劣化で少しずつ低下し、一般に毎年0.5~1%程度出力が落ちていきます。こうした要因が重なると、想定より発電量が下振れして収入が減るリスクは避けられません。収益計画を立てる際は、実発電量がシミュレーション値を下回るシナリオも考慮しておく必要があります。

故障・盗難・ケーブル断線などで修理費と停止損が同時に発生する

太陽光発電設備の故障や盗難は、出費と収入減の両面で損失をもたらします。

例えばパワーコンディショナなど主要機器が故障すれば、交換や修理費用がかかる上、その間の売電収入も途絶えてしまいます。盗難被害も深刻で、ソーラーパネルやケーブルが盗まれると、新品の購入・工事費だけで数百万円規模の出費になるケースがあります。復旧まで発電を再開できず、その期間の機会損失(停止損)も発生します。

さらに、保証や保険でカバーされないトラブルの場合、全額自己負担となりダメージが大きくなります。同時に修理費と売電停止による損失が生じるリスクは無視できず、予備費の確保や保険加入などで備えを万全にしておく必要があります。

台風・豪雨・土砂・火災などの災害で復旧コストと長期停止が起きる

自然災害による被害も大きなリスクです。

台風や豪雨でパネルや架台が破損したり、土砂崩れで設備が埋没・流出したりすれば、復旧のために莫大なコストがかかります。火災で発電所が焼失した場合も同様で、一から設備を建て直す必要が生じかねません。

実際、2019年の台風15号では千葉県の水上型メガソーラーでパネルの約8割が破損し、一部発火する事故が発生しました。復旧に2年以上を要した例もあり、長期停止による収益損失も甚大でした。しかも、復旧工事の間は売電できず、長期間にわたって収入ゼロになる可能性があります。

大規模災害では部品調達や工事に時間がかかるため、発電停止が数ヶ月から1年以上続くこともあります。地震・雷など予測困難なリスクも含め、自然の脅威による長期停止リスクは常に念頭に置く必要があります。

O&M費・草刈り・点検・PCS交換が積み上がり、利益を削る

運用段階でも諸経費が積み上がり、利益を圧迫します。

O&M(運用・保守)費用として、定期点検やメンテナンス契約費、遠隔監視システム利用料などがかかります。草刈りやパネル清掃を業者に依頼すれば年間数十万円の負担となり、自分で行う場合でも労力と時間を取られます。

さらに、パワーコンディショナは寿命が10~15年程度で、交換には1台あたり数十万円の費用が必要です。設備の劣化に伴う修理費も年々増える可能性があり、こうしたランニングコストが利益を徐々に削っていきます。

初期計画で思ったほど儲からない一因が、メンテ費用の見積もり漏れや軽視によるコスト超過です。運用コストを正しく織り込んだシミュレーションが不可欠と言えます。

保険の免責・対象外・更新条件で「いざという時に出ない」リスクがある

保険加入していても、いざという時に保険金が下りないリスクがあります。

太陽光発電向けの保険には免責額(自己負担額)が設定されており、小規模な損害は自己負担となります。

また、補償対象外のケースも存在します。例えば設計上の問題による不具合や、経年劣化が原因の故障・発火などは免責事項となり、保険金が支払われないことがあります。

さらに、契約更新時にリスク評価が厳格化され、保険料の大幅アップや補償範囲の縮小を提示されるケースもあります。一度大きな請求をすると次期更新で引受を断られる例も報告されています。

保険に入っているから安心とは言い切れず、万一に備えて過信は禁物です。契約内容を定期的に見直し、最悪の場合でも対応できる資金計画を準備しておく必要があります。

売却しにくい(買い手が限られる・評価が下がる)ことで出口が詰まる

太陽光発電投資は売却(出口戦略)が難しい点もリスクです。

中古の太陽光発電所を買い取ってくれる相手は限られており、希望するタイミングで納得できる価格で売却できるとは限りません。

特にFIT残期間が短くなるほど収益力が低下するため、稼働後年数を経た設備ほど評価額が下がります。市場では、売却価格が初期費用の半額以下に落ち込む例や、買い手がつかず事業継続を余儀なくされるケースも見られます。土地付きの案件でも地域や接続条件によっては需要が偏り、そもそも売却先を見つけるのに苦労するでしょう。

出口戦略が描きにくいままでは、資金を他の投資に振り向けたい時に身動きが取れなくなる可能性があります。初めから「いつ・いくらで売るか」の目安を決め、売却を見据えて運用することが大切です。

初期費用はいくら?|必要額の目安と内訳

初期費用は「設備代+工事費+系統連系+諸費用」で構成される

太陽光発電投資の初期費用は、大きく「設備代+工事費+系統連系費+諸費用」で構成されます。

設備代にはソーラーパネルやパワーコンディショナ(PCS)、架台、配線資材などが含まれ、工事費には電気工事・土木工事などの施工費用が該当します。さらに、電力会社の送電網へ接続するための系統連系費や、設計・申請費、保険料、予備費などの諸費用が加わります。

2023年時点における地上設置型50kW規模の太陽光発電設備の初期費用目安は、一般的に約500万〜1,000万円程度が中心です。

これは1kWあたり約10万〜20万円前後に相当し、工事内容や立地条件によって前後します。

初期費用を判断する際は、単純な総額ではなく、1kWあたりの単価と工事内訳を必ず確認することが重要です。

見積もりでブレやすいのは、造成・フェンス・監視・草対策などの付帯工事

初期費用の見積もりで金額がブレやすいのは、付帯工事(主要設備以外の工事)部分です。

代表的なものに土地造成、フェンス設置、遠隔監視システム導入、雑草対策などがあります。例えば傾斜地を平坦にならす造成費用は土地の地形次第で数百万円単位の差が出ます。動物侵入や盗難防止のフェンスも長さや材質によって費用が大きく変動します。

遠隔監視カメラや発電量モニターの設置費、雑草対策として防草シート敷設や砕石敷き込みにかかる費用も、業者や現場条件によって見積もり額がばらつきます。

表面的な価格だけで判断せず、こうした付帯工事の範囲と内容を各社で統一して比較することが重要です。

安い見積もりには必要な工事が含まれていない可能性があり、後から追加費用が発生して結局割高になるケースも多いため注意しましょう。

融資を使うなら、頭金・金利・返済期間で毎月CFがどう変わるかが答え

太陽光発電投資では融資(ローン)を活用するケースも多いですが、その場合は頭金(自己資金)と借入金利、返済期間によって毎月のキャッシュフローが大きく変動します。

つまり、融資を使う場合の初期費用の「答え」は、各条件で毎月の収支がどう動くかを試算してみることです。

例えば、同じ1,000万円の借入でも、金利2%で15年返済と、金利4%で10年返済では、毎月の返済額や総利息額が大きく異なります。前者は月々の返済負担が軽くキャッシュフローに余裕ができますが、返済期間が長いため総支払利息が増えます。

後者は早く返し終わりますが、毎月の返済額が高く利益が出にくくなります。自己資金を増やして借入額を減らす選択も含め、売電収入と支出(ローン返済+経費)のバランスをシミュレーションし、黒字を確保できるプランを導き出しましょう。

初期費用と融資の関係について、不動産投資でも同様の考え方が重要です。 詳しくはこちらで解説しています↓

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節税のポイント|個人・法人の違いと注意点

個人の節税ポイント|減価償却・損益通算の考え方と注意点

個人が太陽光発電投資で節税を考える場合、ポイントとなるのは減価償却と損益通算です。

まず、減価償却とは設備費用を法定耐用年数にわたって経費計上できる仕組みで、毎年の償却費を計上することで課税所得を減らす効果があります。特に初年度に大きな償却費を計上すれば、その年の所得税・住民税を軽減できます。

さらに、事業所得として認められれば、太陽光発電事業の赤字を他の所得(給与所得等)と損益通算することが可能です。例えば売電収入より経費が嵩んで年間50万円の赤字が出た場合、その分を給与所得から差し引いて所得税を減らせます。

ただし、注意点として事業所得と認められる規模・運営実態が必要です。小規模な発電で実態がないと税務上は雑所得扱いとなり、赤字でも損益通算できません。

また、減価償却による節税は税金の繰り延べに過ぎず、将来的に利益が出れば結局納税が発生します。短期的な節税効果だけで判断せず、長期の収支バランスを考慮することが重要です。

法人の節税ポイント|税率・経費設計・消費税の扱いと注意点

法人として太陽光発電事業を行う場合、節税のポイントは税率と経費の使い方、そして消費税の取扱いです。

法人税率は所得金額にもよりますが、中小法人なら年間800万円までの所得は約15%、それを超える部分でも23%程度と、個人の高所得者に比べると低めに設定されています。事業が黒字になれば、個人で得るより法人で利益を計上した方が税率面で有利になるケースがあります。

さらに、法人は役員報酬や給与を支給することで利益を圧縮し、法人と個人トータルの税負担を抑えることもできます。例えば代表者への役員報酬を適正範囲で支給すれば、法人の利益を減らしつつ個人側で給与所得控除を受けられるため、トータルの税負担を抑えられます。

また、消費税の扱いも重要です。太陽光設備の導入時には多額の消費税を支払いますが、法人として課税事業者になり適切に申告すれば、その支払った消費税の還付(払い戻し)を受けることが可能です。

個人では消費税の申告義務がない範囲だと設備購入時の消費税は戻ってきませんが、法人なら計画次第で初年度に数百万円規模の消費税還付を受けられる場合もあります。

ただし、消費税還付を狙って法人化するスキームには税務リスクも伴うため、専門家と十分に検討する必要があります。

「節税できた=儲かった」ではない。税務リスクも含めて判断する

太陽光発電投資における「節税」はあくまで副次的なメリットであり、「税金が減った=儲かった」わけではありません。

減価償却や損益通算によって一時的に税負担を減らせても、それは投資そのものの利益ではなく、税金の繰り延べや調整に過ぎません。極端な話、100万円の赤字を出して税金が30万円減ったとしても、トータルでは70万円の損失を出している計算です。したがって、節税できたから投資に成功したと考えるのは誤りです。

また、税務上のリスクにも注意が必要です。過度に節税を狙ったスキームや、実態の伴わない経費計上は税務調査で否認・追徴課税されるリスクがあります。

最終的には、税引き後で手元に残る利益がきちんと出るかどうかを基準に判断すべきです。税負担の軽減策はその補助要素として捉え、本業の収益性を犠牲にしてまで節税を優先しないことが肝要です。

税節の仕組みと注意点について、投資全般に共通する考え方をこちらで詳しく解説しています↓

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失敗しないコツ|物件選び・見積もり・契約・出口で見るポイント

物件選び|発電シミュレーションと保守計画で収益の現実を掴む

太陽光発電の物件(案件)を選ぶ段階では、発電量シミュレーション保守計画をきちんと確認し、収益の現実像を掴むことが重要です。

販売事業者が提示する想定利回りだけを鵜呑みにせず、自ら信頼できるソフトやデータで年平均発電量をシミュレーションしてみましょう。過去の気象データや日照条件を基に計算し、楽観的すぎない収入予測を立てます。

また、同時に設備の保守(メンテナンス)計画も確認します。年間の点検回数や清掃頻度、草刈りスケジュール、将来のPCS交換時期など、運用中に必要となる作業と費用を洗い出しましょう。

これらを組み合わせれば、実現可能な収益モデルが見えてきます。物件選定時点で収益の現実を把握しておけば、過度に楽観的な案件を避け、本当に採算の取れる投資だけに絞り込めます。

見積もり|O&M・交換費・保険まで入れて「総コスト」で比較する

複数の業者から見積もりを取ったら、O&M費用や将来の交換費、保険料まで含めた総コストで比較検討しましょう。

初期費用の安さだけで飛びつくと、運用中に多額の維持費がかかり結果的に割高になる恐れがあります。各見積書に含まれる範囲をよく確認し、含まれていない項目(例:遠隔監視費や定期点検費)は別途いくらかかるのか試算します。

特に、10年目前後に予定されるパワコン交換費用や、毎年支払う保険料・土地賃料など、トータルで必要となる支出を洗い出しましょう。見積もりは初期費用だけでなくライフサイクル全体でのコストを見ることが肝心です。一括見積もりサイト等を活用しつつ、総額ベースで最も費用対効果の高い提案を選ぶようにします。

契約|保証範囲・違約条項・引き渡し条件で揉めどころを潰す

契約段階では、保証の範囲・違約時の条項・引き渡し条件など、後で揉めそうな点を契約書でしっかり潰しておきます。

まず、設備や工事の保証範囲と期間を確認しましょう。太陽光パネルやパワコンの出力保証が何年あるか、施工不良が見つかった場合に無償修理してもらえる期間は何年か、といった点です。

次に、違約条項も重要です。工事の完了遅延や性能未達(発電量シミュレーションを大幅に下回った場合など)が起きた際に、契約解除や損害賠償の条件がどう定められているかを確認します。

加えて、引き渡し時の条件にも注意が必要です。発電所の完成引き渡しの定義が曖昧だと、未完成なのに引き渡されたと主張される恐れがあります。

検査合格や系統連系完了をもって引き渡しとする等、明確に規定してもらいましょう。契約前に不明点はすべて質問し、文章に落とし込んでおくことで、トラブル発生時の交渉を有利に進められます。

出口|売却しやすい条件と「いつ・いくらで売るか」を決めておく

最後に、出口戦略として売却しやすい条件を揃え、「いつ・いくらで売るか」の方針を最初から決めておきましょう。

例えば、FIT残期間が十分にある物件や、土地付きで権利関係が明瞭な案件は売却時に買い手が付きやすくなります。逆に、残存期間が少ない案件や借地で契約期間が残り僅かなものなどは、評価額が伸び悩み売却が難航する可能性があります。

購入前に売却時のシミュレーションを行い、〇年後にいくらで売却すれば目標利回りが達成できるか逆算しておきます。その目標売却額を実現するために、設備の維持管理や記録の整備(発電量データや定期点検報告書の蓄積など)を行い、資産価値を高く保つ工夫も必要です。

あらかじめ出口の計画が明確になっていれば、投資期間中もいつでも適切な判断が下せる状態を維持できます。

分散投資の考え方|太陽光だけに頼らない資産づくり

分散投資の目的は「1つが崩れても全体が致命傷にならない」状態を作ること

分散投資の最大の目的は、1つの投資が失敗しても全体として致命傷を避けられる状態を作ることです。

太陽光発電投資に限らず、特定の投資対象だけに資金を集中させると、その投資が不調に陥った際に資産全体が大打撃を受けてしまいます。

逆に、複数の異なる投資に資金を分散していれば、1つが損失を出しても他の収益で補うことが可能です。極端な例ですが、全財産を単一のソーラー案件に投じていた場合、その案件が台風被害や制度変更で大きく収益悪化したら、一瞬で資産が破綻しかねません。

しかし、資産の一部だけを太陽光に投じ、残りを他の投資に回していれば、太陽光が仮にダメになっても致命傷は避けられます。分散投資はリターンの平均化というより、リスクの極小化が本来の狙いである点を押さえておきましょう。

太陽光は値動きより“運用リスク”が中心なので、別タイプ資産と組み合わせる

太陽光発電投資のリスクは、株式などのような価格変動リスクよりも、運用上のリスクに重心があります。

天候不順による収益低下や設備故障・災害など、実物資産の運用に伴うリスクが中心です。このため、太陽光投資を分散する際は、性質の異なる別タイプの資産と組み合わせることが有効です。

例えば、市場連動の金融商品(株式・投資信託など)は価格変動リスクはありますが、太陽光のような自然災害リスクとは無関係です。同様に、不動産投資は賃貸需要や金利変動のリスクはあるものの、天候による発電量変動とは連動しません。

こうした相関の低い資産同士を組み合わせれば、一方のリスク要因が他方には波及せず、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。太陽光単体ではカバーできないリスクを、別の資産の強みで補完するイメージです。

分散投資とポートフォリオの作り方について、こちらで基礎から詳しく解説しています↓

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まずは少額で分散し、経験とデータを積み上げて投資判断の精度を上げる

最初から大金を一つの投資に投じるのではなく、まずは少額を複数の投資に分散して始めるのがおすすめです。

小さな規模であれば、万一失敗しても致命傷になりませんし、その過程で貴重な経験とデータを得ることができます。実際に運用してみることで、各投資の特性や自分のリスク許容度を肌で感じることができるでしょう。

例えば、太陽光ファンドに少額から参加して発電収入の変動を体感したり、株式や債券にも分散して経済変動時の値動きを経験したりするイメージです。こうして得た経験値を基に、次の投資判断の精度を高めていけます。段階を踏んで投資規模を拡大することで、無理なく資産形成を着実に進められるでしょう。

少額から始める堅実投資「LENDEX」の融資型クラウドファンディング

LENDEXは、2万円という少額から始められるため、投資初心者にも取り組みやすい融資型クラウドファンディングです。想定利回りは年5~10%と、銀行預金よりも高いリターンが期待できるうえ、不動産担保ローンへの出資となるため、相場変動の影響を受けにくく安定した運用が可能です。

また、毎月の分配金があるため、継続的なインカムゲインを得られる点も魅力です。多くの案件に担保や保証が設定されており、万が一貸し倒れが発生しても、担保処分などで出資金の回収が図れます。

さらに、サービス開始以来、貸し倒れゼロの実績を誇る点も投資家にとって安心材料です。ただし、元本保証はないため、リスク分散が重要です。複数のファンドに少額ずつ分散投資することで、リスク軽減を図ることができます。

高利回りと安定運用を両立するLENDEXで、新しい資産運用を始めてみませんか?

【FAQ】太陽光発電投資でよくある質問

太陽光発電投資は結局やめとけ?始めていい人の判断基準は?

太陽光発電投資は一概に「やめとけ」と断言できるものではありません。

十分な自己資金があり、収支シミュレーションで黒字見通しが立ち、リスク対策も準備できる人であれば、始めてもよいでしょう。逆に、それらの条件を満たさない場合は無理に始めるべきではありません。

初期費用はいくら必要?個人でも融資を組める?

初期費用は規模によりますが、地上設置型50kW規模であれば、一般的な目安は約500万〜1,000万円程度です。

造成工事の有無や設備構成によって前後するため、実際には見積もり内容を精査する必要があります。個人でも銀行などから事業用ローンを組むことは可能です。ただし、安定した収入や頭金の用意など一定の条件を満たし、融資審査に通る必要があります。

FIT終了後(FIP含む)の収益はどうなる?制度変更リスクはどう見る?

FIT終了後は売電価格が市場連動となり、収益が現在より低下したり変動幅が大きくなったりする可能性が高いです。

20年の固定買取期間を過ぎると、電気の売値は市場価格(FIPでは市場価格+プレミアム補助)となり、FIT時代より安定性に欠けます。実際、FIT後は収入が大幅に減ることもあり得るため、制度変更リスクとして織り込み、余裕を持った計画を立てる必要があります。

まとめ|太陽光発電投資で後悔しないために決めておくこと

太陽光発電投資は20年に及ぶ長期事業で、事前準備と計画次第で成功も失敗も決まります。

2012年に40円/kWhだったFIT売電単価が2023年には10円/kWhまで低下し、想定利回りも現在は年5~8%程度が一般的です。その中で安定収益を得るには、立地・価格・運用体制など主要条件の見極めが欠かせません。

投資前に収支シミュレーションとリスク対策を固め、出口戦略まで決めておけば、後悔する可能性は格段に減らせます。

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参考元

 

執筆者

2018年から株式会社LENDEXに勤務。システム部を担当。システム制作やWebマーケティングを担当している。これまでにWeb開発や不動産投資関連の業務に携わってきており、その経験を活かして業務に取り組んでいる。

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