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損切りとは?意味や損切りルール、目安の考え方をわかりやすく解説|株やFXで損切りできない心理について

 

 

まとまった資金を用意して資産運用を始める人が多いかもしれませんが、時に決断を迫られることもあります。それが損切りです。いつまでも増え続けることはなく、どこかで損をするものです。その時の対処が資産運用の命運を左右します。

 

この記事では損切りとは何かをテーマに、損切りの意味やルール、メリット・デメリットなどをまとめています。

目次

損切りとは?

そもそも損切りとはどのようなものなのか、損切りについて解説します。

自分の手で損失を確定させるのが損切り

損切りは、自らの手で損失を確定させる状態を指します。例えば、100万円で購入したものが90万円になってしまい、金融商品がこの先どのような展開になるか見通しがつかない場合に、自分で売却することでその金融商品に関する赤字を確定させます。

 

損切りはロスカットと呼ばれることもあり、FXの世界ではあまりにも急激に赤字になっていくと「強制ロスカット」が行われ、いわばシステム的に強制的な損切りを強いられることがあります。

損切りを行う意味

自分の手で損失を確定させる損切りは、最初のうちはなかなか踏み込めるものではありません。なぜ損切りを行うのか、その意味をまとめました。

損失が膨らむのを前もって防ぐ

損切りを行う意味として一番大きいのは、損失が膨らむのを前もって防ぐことです。一時的な下落があっただけでその後復活するケースも当然ありますが、見通しがつかずにどんどん落ちていくことも十分に考えられます。

 

FXの場合、レバレッジを行うことで利益も損失も実際に生じた利益・損失の数倍にすることができますが、レバレッジ5倍にすれば本来10万円の損のはずが50万円になることも。

 

損切りはネガティブな意味合いもありますが、ポジティブなケースもあります。それは新たな上げ相場を見つけてその相場に資金を振り分ける場合です。業種によっては全体的に上げ相場になっていることがあり、何も考えずに株を置いておくだけで簡単に儲けられることがあります。

 

一時的に損失は出てしまうものの、上げ相場に切り替えれば簡単に損失を取り戻せることから、上げ相場に切り替えるために損切りを行って資金を確保するケースもあるため、ネガティブな理由ばかりではありません。

損切りを行う際のルール

実際に損切りを行うにはいくつかのルールが存在します。そのルールについてもご紹介していきます。

損失が出たからといってすぐに損切りはしない

損切りをし慣れていない初心者が陥りやすいのが、損失が出てしまったから急いで損切りを行う行為です。急な値下がりが何を理由とするものなのか、その分析がないままに損切りをすると、あくまでも一時的なものだったのですぐに回復することもあります。

 

例えば何かしらの経済的な指標が出た場合、その指標に一喜一憂して株価に反映することがあり、一時的にドカンと下がったもののすぐに回復することはよくあることです。闇雲に動くことはあまりいいことではありません。

チャートなどを活用する

損切りをする場合、ケースバイケースで対応するのが段々と面倒になります。そこで何かしらの指標を使って損切りを行うようになりますが、この場合はチャートなどが有名です。チャートは値上がり・値下がりをグラフにまとめたもので、串のようなものが見られます。

 

この串みたいな部分の下端をつないでいくことで「トレンドライン」と呼ばれる線が引けるようになります。この線に触れた時点で損切りを行えば、過度な損はしなくなるでしょう。こうしたチャートを活用し、機械的に損切りを行うことで負担を軽減できます。

損切りを行う目安

損切りを実際行うにはチャートの活用なども重要ですが、分かりやすい目安もあらかじめ知っておいた方がいいでしょう。損切りを行う目安についてまとめました。

損失の割合

1つ目の目安は損失の割合です。例えば、100万円で購入した場合、10%の値下がり、つまり90万円になった時点で容赦なく損切りを行う形にすれば機械的に判断することができます。

 

この場合は元手の額面に関係なく損切りが行えるため、少額から投資を行う人にとって損切りがしやすいと言えるでしょう。

損失額

2つ目の目安は損失額です。損切りを行う損失額を5万円、10万円と設定することでその損失額に達した時点で損切りを行うのも1つの方法です。

 

損失額で決める場合であれば、常に決まった金額で投資を始める場合に有効であり、次の投資を始める際に損失補填をしてから始めやすくなります。

損切りを行うメリット

資産運用を行う際には避けては通れない損切り。メリットにはどんなことがあるのかをまとめました。

損失の拡大を最小限に食い止める

1つ目のメリットは、損失の拡大を最小限に食い止めることです。レバレッジを使った運用だけでなく、値動きが乱高下する金融商品もあるため、時にえげつない下がり方をするケースもあります。損切りを行うことで大きな痛手を負うことなく、一定の範囲で食い止めることが可能です。

 

あまりにも下がり過ぎると巻き返しすらできない事態を招きかねず、資産運用が途中で頓挫する可能性もあります。赤字を最小限に食い止めることは巻き返しのチャンスを残すという点において重要です。

節税につながる

2つ目のメリットは節税につながることです。資産運用を行う際には確定申告を行うことになりますが、赤字が出た際には損益通算が可能なため、赤字分を利益から差し引くことができます。

 

本来支払うべきだった税金が赤字分によって節税につなげられるため、損切りを行うことはマイナスばかりとは言えません。しかも、資産運用での赤字は繰越すことが可能であり、最長3年にわたって利益の相殺が可能なため、大痛手を負ったとしても翌年に大きく巻き返せば大きな節税につなげられます。

再スタートを切りやすくなる

3つ目のメリットは再スタートを切りやすくなることです。100万円が90万円になった場合、10万円のマイナスではありますが、10%以上増やして100万円まで回復させることはそこまで難しいことではありません。

 

一方で損切りが遅れて80万円になれば、25%以上増やさないと100万円になりませんし、50万円まで下がれば倍にしてようやく100万円に戻ります。つまり、傷が浅ければ浅いほど挽回は容易なのです。再スタートを切りやすくするためにも、時にスパッと諦めることも大切です。

損切りを行うデメリット

もちろん損切りを行うデメリットもあります。デメリットについてもまとめました。

我慢していれば回復する可能性があった

デメリットとして一番あり得るのは、我慢していれば株価などが回復し、赤字にならずに済むことです。何が起こるかわからないのが資産運用なので、状況的には大きな下落を想定する場面で、突如として神風が吹き、株価が急回復することも考えられます。もう少し我慢をしていれば損切りせずに済んだだけでなく、黒字だったということもありえるでしょう。

 

しかし、いつか回復するかもしれないという願望は損切りのタイミングを間違え、より大きな痛手を負う可能性を高めます。もちろん思惑通り回復することもありますが、より大きな痛手を負う可能性を考えると、スパッと損切りした方が次につながりやすいと言えるでしょう。

損切りがうまい人の特徴とは

最後にご紹介するのは、損切りがうまい人の特徴についてです。損切りができる人、できない人の差を知ることで、より上手く資産運用が行えるようになります。

損切りを負けだと思わない

1つ目の特徴は、損切りを負けだと思わないことです。損切りは赤字を確定させる行為なので、確かに特定の銘柄での取引に関しては「負け」かもしれません。しかし、負けを認めることは次につなげていく上では重要なことです。

 

負けを認められる人は次に何をすればいいのかを分析し、負けた理由などを振り返って、次は何が何でも勝とうと努力できます。一方でなかなか損切りができない人は負けを認められない人なので、いつまでも粘ろうとし、惨敗に終わる可能性が高まるでしょう。

 

もちろん粘り勝ちもありますが、惨敗での痛手と粘り勝ちのプラスを考えると、惨敗に終わる前に撤退し、負けを認めた方が次につながりやすいです。

自分で決めたルールを守れる

2つ目の特徴は、自分で決めたルールを守れることです。損切りは決められたルールの中で運用をしていけば、適度に損切りができ、大きく負けにくくなります。一方で、感覚で損切りを行い、ルールを守らない形で損切りをやっていくと、冷静な判断ができなくなることも。

 

資産運用において決めたルールは基本的に変えないか、もしくは定期的に見直しを行って、ルールを変えたら一定期間かえないという形で行うのが迷いもなくなり、より手堅く運用が行えます。

 

アドリブで損切りなどを行うのはよほど才覚がある人でないと厳しいでしょう。資産運用を始めて間もない方はまずルールを決め、そのルールを守ることから始めて損切りなどを体感していくことをおすすめします。

まとめ

損切りを行うことは資産運用においては基本中の基本であり、損切りのうまさが資産運用のうまさと比例します。損切りが下手だと、どこで勝負をかけるか、どこで利益を確定させるかなどの判断も下手なままです。

 

損切りを手堅く行える方は状況判断が正しく行えて、後先をしっかりと見据えた決断ができる方と言えます。効率よく資産運用を行うには損切りの技術を高めることが大切です。

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