歴史的な円安や物価上昇の影響を受け、自分たちで生活の防衛を行っていかなければならない時代になっています。最近になって投資を始めた、いわゆる投資初心者にとっては何から始めればいいのか、気になっている方がほとんどです。
本記事では投資初心者にターゲットを絞り、投資初心者が取り組むべきこと全般をまとめていきます。
投資初心者とはどのような人を指すか
そもそも投資初心者とはどのような人を指すのか、解説していきます。
投資に関する知識がほとんどない
投資をするといっても、投資先が株だったとしても、ミニ株の存在もあれば投資信託、先物取引など色々なバリエーションがあります。しかし、投資初心者は投資に関する知識がないので、投資=株などと短絡的に考えがちです。
短絡的な考えで投資に挑むと、売り時や買い時を間違う可能性があるほか、明らかに怪しい投資に何の躊躇もなくお金を出してしまって失敗することがあります。投資に関する知識がほとんどない場合には投資初心者であることは間違いありません。
投資の戦略や目標を持っていない
投資に関する戦略や目標などを持ち合わせていない人も投資初心者と言えます。例えば、投資を始めるといっても、そもそも何のために投資を行うのか、そのためにいくらまで増やしたいのか、軍資金はいくらかなど、事細かな条件などを決めていかなければなりません。
これらの戦略や目標が何もない中で色々と決めてしまうことは誤った判断につながり、結果として投資で失敗する事態を招くことにつながるでしょう。ゆえに、投資を始める際には戦略や目標を持つことが求められます。
投資初心者はなぜ少額から始めるべきか
投資初心者は最初から少額から投資を始めるべきと言われています。なぜ少額から投資を始めるべきなのか、その理由を解説します。
損失が最小限に
投資を勉強していく中で、どうしても失敗はつきものであり、特に最初はさまざまな失敗をします。仮に大勝負をしている最中にとんでもないミスを犯せば、取り返しのつかない事態になるでしょう。額が少なければ、巻き返しが可能であり、リスクを避けることもできます。
少額投資を行うことでまとまった利益を出すことはできませんが、実のある勉強になることは確かです。実のある勉強を行って経験値を高めていく中で、段々と投資額を上げていくのが理想的と言えます。
自分に合った投資方法を見つけられる
少額投資を行うことで、自分に合った投資方法を見つけられるようになります。色々な投資が存在しており、株式やFXのほか、ソーシャルレンディング、債券、暗号通貨への投資など多彩です。多彩な方法の中から自分に合ったものを見つけられれば、あとはその投資方法で全力投球するだけです。
最初から株で軍資金を一挙に投入するのも悪いことではありませんが、自分に合った投資は必ず存在します。それが株とは限らないわけですから、最初のうちは可能性を模索していくためにも、少額投資がおすすめです。
少額でも税制的な優遇が受けられる
例えば、老後の資金を確保したい場合にはiDeCoがおすすめですが、iDeCoでは毎月2万円程度の投資をすれば、投資分はすべて控除されます。将来的にはプラスになるものでありながら、税金の控除につながるとなれば、かなりメリットがあると言えるでしょう。
税金として徴収される額が減り、その上で将来的な資産が蓄えられるとなれば、まさに一石二鳥です。少額であっても税制的な優遇が受けられる方法があることは知っておきたいことの1つと言えます。
投資初心者の勉強法
ここからは投資初心者が行うべき勉強法について解説していきます。
初心者向けの本で学ぶ
投資初心者の勉強法として最も取り組みやすいやり方は、初心者向けの本で学ぶことです。初心者向けの本がいいのは、すぐに取り寄せられることや、初心者が取り組みやすいように言葉のチョイスが分かりやすいものが多いことなどです。投資初心者は言葉の難しさからとっつきにくさを感じ、投資に対する意欲を失うことがあります。
分かりやすい内容であれば本の内容についての吸収もしやすいほか、何度も見返すことができるため、疑問をなくして取り組みやすくなるでしょう。
証券会社が主催するセミナーで学ぶ
投資に関するセミナーも実に多彩です。民間企業のセミナーの中には特定の投資をしてもらうためのセミナーが行われています。このセミナーは投資を学ぶというよりも、いかに自社の投資に参加してもらうかを主眼に置いたものがあります。
証券会社が主催するセミナーの場合、証券会社のサービスを利用してほしいという思いがあるものの、基本的には基本的な投資のやり方が学べるでしょう。特定の商品をごり押しするようなことは考えにくいと言えます。
資格を通じて学ぶ
一番覚えやすいのは資格を通じて学ぶことです。投資に関する資格は多く、ファイナンシャルプランナーを始め、お金にまつわる資格を得れば、それだけ投資の勉強ができます。資格勉強を行う中で投資を学ぶことで、先入観なく投資とは何かを吸収できるのが一番のメリットです。
もちろん、資格を得てしまえば、自らが投資の先生になれる可能性も出てきます。本格的に投資を学ぶのであれば、資格勉強を通じて学んでいくのが効率的です。
投資初心者のよくある失敗
ここからは投資初心者がやりがちな失敗について解説します。
SNSの広告に騙される
近年問題視されているのが、SNS上で展開される投資に関する広告です。この広告では多くの著名人が登場し、あたかもその著名人が投資をおすすめしているような形で勧誘を行い、実際に手を出してしまって詐欺被害につながることが増えています。
手口も巧妙化しており、AIを活用してだましてくるケースも出てきています。SNSの広告に関しては、著名人らが立ち上がって運営元に抗議するケースが出てきているものの、まだまだ一網打尽はできない状態です。
こうした広告に騙されるのは、投資とはそんなに甘いものではないことを理解していない方です。投資の勉強をさほどしていない中でこれらの広告を見ると、甘い誘いに乗りがちになってしまいます。
ちょっとした値動きに一喜一憂する
株価や為替など、毎日のように値動きがあるものだと、ちょっとした値動きに一喜一憂してしまうことがあります。ちょっとでも株価が暴落すれば、「日本経済は大丈夫か!」と大騒ぎしがちです。短期的な動きに一喜一憂し、売買することで、売り時・買い時を間違いやすくなります。
株も為替も短期的に激しく動くことは当然あるものの、長い目で見るとマイルドな動きになり、その中で運用を行えば着実に増やせます。利益を急ぎ過ぎると色々なものを見誤る中で、ちょっとした値動きに一喜一憂する事は避けなければなりません。
有名な企業ばかりを狙う
投資初心者の場合、ついつい有名企業ばかりを狙って売買を行おうとすることがあります。もちろん、有名な企業の方が信頼を置きやすい部分があるのは確かです。しかし、無名な企業にも高いポテンシャルを持つ企業があるわけですから、有名な企業ばかりを狙っていくのはいいことではありません。
また、有名な企業だから経営もしっかりしているとは限りません。誰もが知る企業において、信じがたいルールが社内にあって、社員たちが辞めていくなんてことも起こり得ます。有名な企業だから大丈夫ということは絶対にないからこそ、失敗しないためにも満遍なく勉強していくことが大切です。
投資初心者が上手く投資を行うコツ
投資初心者が上手く投資を行っていくには、まず目標の設定が重要です。例えば軍資金500万円を2,000万円にしたいとなれば、どれくらいの期間で2,000万円にしていくのか、そのためにどんな方法があるのかを逆算で考えていけます。
目標の設定を行うことで、長い目で見た投資との向き合い方にもつながっていくことでしょう。短期的な値動きに一喜一憂する必要がなくなり、しっかりと目標を見据えてアクションを起こしていけるので失敗は起こりにくくなります。
それでいて、常に情報を集めて勉強を重ねていくことが大事です。経済のトレンドは日々変化し、投資のトレンドも同様に変わっていきます。このトレンドを見失わないことが重要であり、見失うと痛い目を見ます。勉強を重ねてアップデートを重ねていければ、適した方法で投資を続けられるでしょう。
投資初心者はプロから学ぶのが確実
自分で投資について勉強することももちろん大事ですが、一番確実なのはプロから学ぶことです。この場合のプロは、投資を長年行ってきた専門家などで、証券会社の人だけでなくファイナンシャルプランナーなどもその1人です。投資とはどういうものなのか、イロハのイをプロから学んでいければ、確かな知識を手にできます。
YouTubeなどにも投資に関する動画が多くありますが、これらはアフィリエイトなど何かしらの事情が絡んでいるケースが多く、純粋に投資を教えるとは言い難いです。純粋に投資を学んでいくことを考えると、プロから学ぶのがいいでしょう。
まとめ
投資の初心者はついつい夢を見がちで、何の先入観も考えもなく株などを購入してしまうことがあります。ビギナーズラックもあるので、ここで成功してしまうケースもあれば、取り返しのつかないこともあるでしょう。自分の身を守るのは情報を吟味する姿勢です。この姿勢を見失えば間違いにつながります。
投資において、感情的になることはご法度です。冷静に立ち回ることが求められます。冷静に立ち回るためにも常に勉強を行っていくことが重要なのです。