国内ETFはおすすめしない!|その理由やメリット、投資時の注意点を解説
- 「国内ETFがおすすめされていない理由を知りたい」
- 「国内ETFのメリットや投資する際の注意点も押さえておきたい」
このような疑問にお答えします。
東京証券取引所で多くの銘柄が上場されていて日本で普及している国内ETFですが、どのような理由で推奨されていないのか気になる方も多いでしょう。
本記事では、国内ETFがおすすめしないといわれている理由や国内ETFのメリット、投資する際の注意点などを解説します。
国内ETFに関心のある方や分散投資をしたい方は、ぜひご覧ください。
ETFとは
ETFとは「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略称で、株式・債券・商品など特定の指数に連動することを目指した金融商品です。
ETFの中でも、国内の金融取引所に上場している投資信託が国内ETFと呼ばれています。
世界初のETFは1990年にカナダのトロント証券取引所に上場した「TIPS35」で、日本が初めて上場したのは、1995年に「日経株価指数300」というマイナーな指数に連動することを目指した上場投資信託でした。
また、東京証券取引所には約300銘柄の国内ETFが上場しており、その種類を以下の表にまとめました。
国内ETFの種類 | 投資対象やその特徴 |
---|---|
株式ETF | 企業が発行する株式 |
債券ETF | 国や地方公共団体、企業が発行する債券 |
商品ETF | 原油や金、プラチナなどの商品 |
REIT | 戸建や集合住宅、商業ビルやデパートなどの不動産 |
レバレッジ型ETF |
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インバース型ETF |
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分散投資をしてリスクを抑えるには1種類の投資先のみを運用するのではなく、投資目的に合わせて複数の投資先を組み合わせてポートフォリオを作成するのが良いでしょう。
国内ETFに投資する方法
国内ETFに投資するには、以下の手順を踏む必要があります。
- 証券会社で口座開設する
- 購入する銘柄・銘柄コード・売買単位口数を指定する
- 成行注文か指値注文かを選択
基本的に東京証券取引所に上場している国内ETFであれば、口座開設するのみで取引できます。
口座開設をした後、債券や株式などの購入する銘柄や銘柄のコード、売買単位口数(1口〜)を指定してください。
最後に、価格が市場の成り行きで決まる成行注文か、売買の価格を指定する指値注文かを選べば国内ETFに投資できます。
なお、成行注文すればすぐに売買できるため、取引の成立を重視する方におすすめです。
一方、希望の価格で売買することにこだわる方は、指値注文を選ぶのが適しています。
国内ETFと海外ETFとの違い
国内ETFと海外ETFにはどのような違いがあるかを、以下の表にまとめました。
概要 | 国内ETF | 海外ETF |
---|---|---|
銘柄数 | 約300銘柄 | 約12,000銘柄 |
取引可能な証券会社 | すべての証券会社 | 大手証券会社やネット証券 |
取引可能な時間帯 |
|
証券会社によって異なる |
手数料 |
|
|
外国税額控除の有無 | なし | あり |
売買価格が決まるタイミング | リアルタイム | 申込の翌営業日 |
国内ETFはどの証券会社でも取引でき、売買価格が約定するタイミングが早いことなどが利点ですが、海外ETFよりも銘柄数が非常に少ないのが難点です。
一方、海外ETFの銘柄数は約12,000銘柄(米国3,000銘柄、その他9,000銘柄)と国内ETFの40倍もあります。
しかし、証券会社によって取引時間にばらつきがある点や、売買価格が決まるのに時間がかかる点に注意が必要です。
国内ETFがおすすめしないといわれている理由・デメリット
国内ETFがおすすめしないといわれるのは以下の理由が考えられ、どの理由も海外ETFと比較した場合のデメリットを表しています。
- 海外ETFよりも利回りが低い
- 海外ETFよりも銘柄数が少ない
- 海外ETFよりも信託報酬が高い
- 海外ETFよりも流動性が低い
それぞれの理由を解説するため、国内ETFの投資を検討している方は必見です。
海外ETFよりも利回りが低い
海外ETFの分配金の平均利回りが3〜7%と比較的高めである一方、国内ETFの利回りは2〜3%と低い点がデメリットです。
そのため、収益性を重視する方は、国内ETFではなく海外ETFに投資した方が良いでしょう。
海外ETFよりも銘柄数が少ない
海外ETFの銘柄数は約12,000銘柄と豊富にありますが、国内ETFの銘柄数は約300銘柄と海外ETFの1/40です。
銘柄数が少ないと分散投資がしづらいのみでなく、市場内で競争原理が働かないため信託報酬などのコストも高くついてしまいます。
海外ETFよりも信託報酬が高い
海外ETFの信託報酬は年率0.01〜0.3%である一方、国内ETFの場合は0.2〜2%と比較的高いことも難点です。
そのため、できるだけ費用を節約したい方に国内ETFの投資はおすすめできません。
海外ETFよりも流動性が低い
海外ETFの場合は世界中の株式や債券、商品などに投資でき、取引自体も活発に行われています。
一方、国内ETFで投資できるのは日本国内の銘柄に限定されていることもデメリットです。
1日の売買高や売買金額が極端に少ない、またはない銘柄を含んでいる場合、自身の好きなタイミングで取引できない可能性があります。
国内ETFのメリット
一部の投資家から敬遠されている国内ETFですが、以下のようなメリットがあります。
- すべての証券会社で取引できる
- リアルタイムで取引できる
- 海外ETFよりも為替の影響を受けにくい
- 分配金を受け取る際に外国税が引かれない
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
すべての証券会社で取引できる
東京証券取引所に上場している国内ETFであれば、以下を含む全国の証券会社で取り扱っており、証券会社の口座を持っているのみで売買可能です。
- SBI証券
- GMOクリック証券
- 大和証券
- 野村証券
- 松井証券
- みずほ証券
- 楽天証券
一方、海外ETFを購入できるのは大手証券会社やネット証券に限定されており、場所的な制約がない点では国内ETFの方が優っています。
リアルタイムで取引できる
国内ETFは金融商品取引所の取引時間内(平日の9:00〜11:30と12:30〜15:00)であればリアルタイムで取引でき、自身が取引したい価格で売買ができます。
一方、投資信託の場合、1日1回のみ算出される基準価額でしか取引できず、注文した時点では取引価格が具体的に分かりません。
海外ETFよりも為替の影響を受けにくい
基本的に国内ETFは円建て取引で、為替変動リスクや為替手数料が発生しないこともメリットです。
国内ETFは取引時のリスク負担が少ないだけではなく、手数料を節約できるため一石二鳥です。
分配金を受け取る際に外国税が引かれない
海外ETFの場合、分配金から外国税が源泉徴収で差し引かれるのが特徴で、所得税と外国税の二重課税を調整する目的で外国税の控除を受けられますが、その際は確定申告が必要です。
一方、国内ETFの投資対象は日本資産で、分配金の受取時に外国税は差し引かれないため、海外ETFよりも利便性が向上します。
国内ETFをおすすめできる方
以下のような特徴に当てはまる方には、国内ETFが向いています。
- 国内銘柄のみに投資したい
- 為替手数料などのコストを削減したい
- リアルタイムで取引したい
国内ETFの投資対象は日本の銘柄のみで、円建てで取引が行われるのが特徴です。
また、国内ETF全般は金融商品取引所の取引時間内であればいつでも取引が可能で、時間的な制約が発生しません。
そのため、投資対象を国内銘柄のみに厳選したい方や、費用を節約したい方に国内ETFはおすすめです。
国内ETFをおすすめできない方
以下のような特徴を満たす方には、国内ETFはあまり向いていません。
- グローバル市場に投資したい
- 積立投資をしたい
- 収益を自動で再投資してほしい
国内ETFの場合、日本国内で取り扱っている銘柄を投資対象としており、世界各国の銘柄は対象外です。
また、株式や投資信託とは違って積立投資はできず、発生した収益を自動で再投資する仕組みもありません。
世界中の銘柄に分散投資したい方や、収益を手動で再投資するのが面倒に感じる方に、国内ETFはおすすめできません。
国内ETFに投資する際の注意点
国内ETFに投資するには、以下の点に注意する必要があります。
- 長期分散投資をする
- 証券会社によっては自動積立投資ができない場合がある
- 元本割れのリスクがある
- 配当の再投資は手動で行う必要がある
- 余剰資金を使用する
- 情報収集を徹底する
それぞれの点を押さえ、国内ETFの取引にぜひ役立ててください。
長期分散投資をする
国内ETFで収益を出しリスクを抑えるためには、長期分散投資を徹底しましょう。
株式や仮想通貨、FXと比べて国内ETFの価格変動は緩やかであり、短期投資で銘柄を早いタイミングで売買するとあまり収益が期待できません。
また、銘柄数が少ない商品より、株式・債券・不動産など複数の銘柄が含まれている商品を購入する方がリスク分散の効果があります。
証券会社によっては自動積立投資ができない場合がある
すべての証券会社で自動積立投資ができるとは限らない点にも、注意が必要です。
たとえば、毎月1万円ずつ積立投資するケースを考えてみましょう。
国内ETFには売買単位口数が設定されており、値段×1単元の口数(1口〜)の整数倍しか購入できないため、ちょうど1万円分購入できるわけではありません。
そのため、自動積立投資をしたい場合は、株式投資や投資信託(非上場)を選ぶのが適しています。
元本割れのリスクがある
国内ETFには売買委託手数料と信託報酬の2種類の費用が発生しますが、売買委託手数料は商品を購入する際に差し引かれます。
そのため、国内ETFの場合、実質最初から元本割れしている状態で取引をしなければなりません。
また、景気や金利、世界情勢の変化によって売買が頻繁に行われ、ETFの市場価格は変動しやすいことも元本割れが起きる要因の1つです。
配当の再投資は手動で行う必要がある
国内ETFには受け取った配当金を自動で再投資に回してくれるシステムはなく、手動でしなければなりません。
手動での再投資は手間が増え、都度取引手数料が発生するため、自動よりも投資効率が悪くなります。
余剰資金を使用する
国内ETFに限らず、どの金融商品に投資する際は余剰資金を使用するのが基本で、決して生活防衛資金は使ってはいけません。
生活防衛資金を元手にして大損すると生活レベルが著しく下がってしまい、投資を行う心の余裕がなくなる傾向にあります。
余剰資金がない場合は、国内ETFに投資する前にまず生活費の3〜6ヶ月分である生活防衛資金を貯めるところから始めてみましょう。
情報収集を徹底する
国内ETFで収益を出すには、以下の書類やサイト、メディアなどをチェックして情報収集することが必要不可欠です。
- 月次レポート
- 目論見書
- 東京証券取引所のホームページ
- 経済新聞
- 投資ニュースサイト
- 証券会社のメルマガ
- 投資ブログ
たとえば、月次レポートには直近1ヶ月間の運用状況が、目論見書にはファンドの特徴や投資対象、運用実績や手数料などが記載されています。
また、東証のホームページや新聞、ニュースサイトでは、経済・市場金利・失業率といった有益な情報を入手可能です。
どの媒体を利用しても投資判断するうえで重要な情報源を確認できるため、活用しない手はありません。
国内ETFをおすすめできない方に適した投資先5選
国内ETFの投資が向いていない場合、以下の投資先が適している場合があります。
投資先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
海外ETF |
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投資信託(非上場) |
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REIT(不動産投資信託) |
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不動産クラウドファンディング |
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融資型クラウドファンディング |
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それぞれの投資先を比較検討し、自身に最適なものを見つけてみましょう。
海外ETF
海外ETFとは海外の証券取引所に上場している投資信託を指し、世界中のさまざまな銘柄を含んでいるのが特徴です。
国内ETFよりも利回りや流動性が高いため、利益率の高さや取引のしやすさを優先する方に適した金融商品です。
また、分散投資ができる点や成行注文・指値注文が可能な点が、国内ETFと共通しています。
ただし、海外ETFは外貨建て取引なため、外貨を日本円に換金する際に手間がかかる点や為替手数料が発生する点に注意が必要です。
なお、国内ETFと同様に分配金を自動で再投資する仕組みがなく、都度手動で行う必要があります。
投資信託(非上場)
投資信託(非上場)とは、金融商品取引所に上場していない一般的な投資信託を指し、公募株式投資信託とも呼ばれています。
1日1回算出される基準価額を取引価格のベースとし、指定した金額に応じて購入口数が決まります。
また、国内ETFと同様に株式や債券といった複数の銘柄に1本で投資できることや、証券会社や銀行、郵便局と購入場所が複数ある点も特徴です。
ただし、取引時間が平日15:30までと制限されている点や、購入時手数料・換金手数料・信託報酬・信託財産留保額など多くの手数料が発生する点に注意が必要です。
REIT(不動産投資信託)
REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で不動産投資信託です。
投資家からの出資金で投資の専門家が不動産投資を行い、賃貸収入や不動産売却益の一部を投資家に還元します。
また、J-REITには利益の90%超を配当に回すと法人税が実質免除される特徴もあり、不動産投資法人は収益の多くを分配金に回して節税しようとするため、ハイリターンが期待できます。
上場されているREITであれば、ETFと同じく証券取引所で自由に取引や売買が可能です。
しかし、不動産投資法人が倒産や上場廃止に陥ると、銘柄の価格が暴落し元本割れを招いてしまいやすい点に注意しましょう。
なお、現物不動産投資とは違い、REITを購入するために金融機関から融資は受けられません。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとは、投資家から募った資金を使用して企業が不動産を購入し、不動産投資で得た利益の一部を投資家に配当するサービスです。
一定額が集まるとファンドが形成され不動産の運用が開始し、運用終了後は元本が返還されます。
また、不動産の購入や管理、運営などはすべて企業が行うためほったらかし投資ができる点や、数万円程度の少額から始められる点もメリットです。
一方、ファンドの種類は不動産のみと限定されている点や、人気の案件であれば申込が殺到し、数分で募集が終了することもある点に注意してください。
融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングとは企業と投資家を結びつけるサービスで、「ソーシャルレンディング」「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれています。
投資家から集めた小口資金を大口に換え、平均利回りは1〜10%と比較的高いため、ローリスクハイリターンな投資ができる点が融資型クラウドファンディングの魅力です。
ただし、融資先の企業やクラウドファンディングの運営会社が倒産したり運用結果が悪かったりすると、元本割れが発生しやすい点に注意が必要です。
元本割れリスクをできるだけ下げるには、高品質のファンドに投資する、担保・保証人付ファンドに重点的に投資するなどの対策が必要です。
融資型クラウドファンディングならLENDEX
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LENDEXは、2018年に始まった融資型クラウドファンディングのサービスです。
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また、累計運用総額は400億円以上と多くの企業や投資家から需要があり、サービス開始以来元本割れや配当遅延は一度も起きていません。
なお、口座開設費用や出金手数料などの費用はかからないため、コスト削減をしたい方にもおすすめです。
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国内ETFをおすすめしないことに関するよくある質問や疑問
国内ETFをおすすめしないことについてよくある質問や疑問を、Q&A形式で回答します。
国内ETFがおすすめしない理由は何ですか?
国内ETFがおすすめしないといわれているのは、以下の理由が考えられます。
- 利回りの低さ
- 銘柄数の少なさ
- 信託報酬の高さ
- 流動性の低さ
海外ETFと比較すると国内ETFの利回りや流動性は低く、収益の高さや取引のしやすさにこだわる方には不向きです。
また、国内ETFの投資対象は文字通り日本国内に限定されており、世界各国の債券や株式に投資したい方にも適していません。
国内ETFと海外ETFのどちらに投資したほうがいいですか?
国内ETFと海外ETFの内、どちらに投資するのが最適かは人によって異なるため、一概にはいえません。
たとえば、リアルタイムでいつでも取引したい方や、為替手数料や外国税などの余分な費用を負担したくない方には国内ETFがおすすめです。
一方、収益性の高さや銘柄数の多さにこだわる方は海外ETFに投資した方が良いでしょう。
国内ETFは確定申告不要ですか?
通常、投資で得た分配金は配当所得の対象で、確定申告が必要です。
しかし、国内ETFで分配金を受け取る際には源泉徴収されて課税が終了するため、確定申告は必要ありません。
利回りの低さや銘柄の少なさなどの理由で国内ETFはおすすめしない
海外ETFと比べると利回りは低く、銘柄数が限定されているなどの理由から、国内ETFはおすすめしないといわれています。
そのため、利回りの高さにこだわる方や世界中の銘柄に分散投資したい方は、国内ETFではなく海外ETFに投資する方が良いでしょう。
とはいえ、国内ETFはリアルタイムでかつすべての証券会社で取引できるため、時間や場所的な制約を受けないといったメリットがあります。
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