2025年10月に発足した高市早苗政権。積極財政や物価対策、金融緩和の維持など、経済政策の方向性を明確に打ち出している点が特徴です。
就任から少し過ぎた今、国民は高市政権の経済政策をどのように受け止めているのでしょうか。
そこで株式会社LENDEX（本社：東京都渋谷区、代表取締役：中村 智）は、全国の20〜60代の男女300名を対象に、「高市早苗首相の経済政策に関する意識調査」を実施しました。
1. 高市早苗氏の政策の認知度は約6割にとどまる
「非常によく知っている」（8％）、「ある程度知っている」（51％）を合わせると、全体の59％が高市政権の政策をある程度理解していると回答しました。
一方で、「あまり知らない」（30％）、「全く知らない」（11％）と答えた41％の層も存在し、政策の情報がすべての層に行き届いているとは言えない結果となりました。
このことから、政権が掲げる経済方針や具体策は一定の注目を集めているものの、詳細な内容まで理解している層は限定的であると考えられます。
特に、「知っている」と回答した層と「知らない」層の差が大きい点は、政策発信の課題を示唆しています。高市政権の施策は社会的関心を集めている一方で、情報の受け取り方には依然として格差が存在することが確認されました。
2. 積極財政を「評価する」層は52％、過半数が肯定的に回答
大規模な財政出動を伴う積極財政の姿勢について、「非常に評価する」（15％）、「ある程度評価する」（37％）を合わせると、52％が肯定的と回答しました。
一方で、「どちらとも言えない／わからない」（34％）とした人も3分の1を超え、評価を決めかねている層が多いことがわかります。否定的な回答（計14％）は少数派にとどまりました。
この結果から、積極的な財政支出に対して一定の理解と支持が広がっている一方、政策効果や財源への理解が十分でない層も多いことがうかがえます。国民の多くが財政拡張政策に「期待」を寄せているものの、「判断保留層」の存在が、今後の支持動向を左右する可能性があります。
3. 物価対策は62％が肯定的、生活支援策としての評価が高い
ガソリン減税策や物価高抑制策など、物価対策全般について「非常に評価する」（18％）、「ある程度評価する」（44％）を合わせた肯定的な回答は62％に達しました。
「どちらとも言えない／わからない」（27％）、「評価しない」（計11％）と比べても、明確に評価する声が上回っています。
この結果は、物価上昇が続く環境下で、家計を直接支援する政策が多くの国民に受け入れられていることを示しています。
特定の層や地域に偏りがあるわけではなく、回答者全体として「物価対策を前向きに捉えている」傾向が確認されました。
4. 金融政策は「わからない」41％が最多。理解の難しさが顕著
金融緩和政策に関する評価では、「非常に評価する」（12％）、「ある程度評価する」（30％）を合わせた肯定派が42％に対し、「あまり評価しない」（8％）、「全く評価しない」（9％）と答えた否定派は17％にとどまりました。
最も多かったのは「どちらとも言えない／わからない」（41％）であり、回答者の4割以上が金融政策の内容や影響を判断できていないことが明らかになりました。
この結果は、金融政策が他の経済施策と比べて専門性が高く、生活への影響を直接的に感じにくい領域であることを反映しています。数字上は肯定派が否定派を上回るものの、理解度の差が大きく、政策評価の形成が他の分野より進みにくい傾向が見られました。
5. 首相としての支持は52％、安定した評価が続く
「非常に支持する」（17％）、「どちらかといえば支持する」（35％）を合わせ、高市首相を支持する層は52％となりました。
「どちらとも言えない」（29％）を含めると、全体の8割近くが明確な賛否を示していない、または様子見の立場を取っていることがわかります。
一方で、「どちらかといえば支持しない」（8％）、「全く支持しない」（11％）の合計19％は少数にとどまり、現時点では安定した支持基盤を維持していることが確認されました。
この数値は、政策ごとの評価結果（積極財政・物価対策ともに過半数が肯定的）と整合しており、経済政策全体が政権支持に一定の影響を及ぼしている可能性が示唆されます。
【まとめ】
今回の調査からは、高市政権の経済政策に対して「肯定的に評価する」層がいずれの設問でも過半数を占める一方、政策理解の深さや情報の浸透度には課題が残ることが明らかになりました。
政策を「知っている」と答えた人は約6割にとどまり、金融政策については「わからない」とする回答が4割を超えるなど、政策領域ごとの理解のばらつきが確認されました。
国民の多くは、高市政権の経済対策を「支持」または「様子見」としており、強い反対意見は少数にとどまります。
この結果は、政策実行が着実に進み、その効果が可視化されれば、理解と支持がさらに拡大する可能性を示唆しています。
今後の焦点は、政策効果の検証と丁寧な情報発信を通じて、国民の理解をどこまで深められるかにあるといえるでしょう。
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