LENDEX業務部の石野です。
今回はソーシャルレンディングと同様のインカムゲインを目的とした投資手法である不動産STとREITについて説明させていただきます。
ソーシャルレンディングと合わせて投資先を検討されている方は、ぜひご覧ください。
不動産STとは
不動産STは、ブロックチェーン技術を活用した新しい形の金融商品です。従来の不動産投資においては、多額の初期資金が必要であり、直接物件を保有する手間や維持管理の負担が伴いました。しかし、不動産STの登場により、不動産投資がより手軽でアクセスしやすいものとなっています。
2020年の改正金融商品取引法により、「電子記録移転権利」としてSecurity Token(ST)が導入されました。これにより、不動産の権利をデジタル化し、スマホやPCから簡単に購入・取引できるようになったのです。このデジタル証券は、不動産を小口化して提供するため、少額の資金からでも投資が可能になり、幅広い層の投資家が参入できる仕組みが整っています。
STを利用した資金調達方法は「STO(Security Token Offering)」と呼ばれ、クラウドファンディングとは異なる新たな資金調達手段として、特に企業からの関心が高まっています。STOにより、不動産STは投資家に対して安定的な収益機会を提供すると同時に、企業にとっても資金調達の多様化につながっています。
メリット
不動産STのメリットには、以下のようなポイントがあります。
手軽な投資環境
スマホやPCを使って手軽に投資ができ、従来の不動産投資に必要だった現地訪問や手続きが不要です。不動産の実物購入を伴わないため、物件管理やメンテナンスに関する負担もありません。
少額からの参入が可能
不動産STは、不動産を小口化して販売しているため、従来なら数百万円~数千万円の初期費用が必要だった不動産投資を、数万円から開始することが可能です。これにより、若年層や不動産投資初心者でも気軽に始められます。
プロによる運用サポート
不動産STでは、運用や物件選定は経験豊富な不動産のプロが行います。これにより、投資初心者が抱えがちな「どの物件を選べば良いか分からない」という悩みも解消されます。実際に物件の詳細や運用管理を行うのは不動産の専門家なので、投資家はパフォーマンスのみに注目しやすいメリットがあります。
デメリット
一方で、不動産STには以下のようなデメリットもあります。これらを理解してからの投資が大切です。
商品数の限られた選択肢
不動産STはまだ新しい投資手法であり、2020年にスタートしたばかりです。そのため、現時点では商品数が少なく、選択肢の幅も限られています。また、対応するプラットフォームやサービスも少なく、今後の発展が期待されるものの、利用の幅広さは限定的といえます。
分散投資がしにくい
不動産STは、1つの物件に対して投資する形態が一般的です。これは、1つの投資で複数の資産に分散投資できる投資信託などと異なり、リスク分散が難しい側面があります。したがって、不動産STでの投資にあたっては、他の資産クラスと組み合わせた分散ポートフォリオを構築する必要があるでしょう。
不動産STは手軽に不動産投資を始められる反面、まだ発展途上の面もあるため、メリットとデメリットをよく理解し、自分の投資スタイルに合うかどうかを見極めることが重要です。
REITとは
REIT(Real Estate Investment Trust)とは、不動産投資信託のことです。多くの投資家から集めた資金をもとに、商業施設や物流施設、オフィスビル、ホテルなどに投資をして、運用益や売却益を投資家に分配します。日本では「J-REIT」と呼ばれています。
メリット
REITのメリットは、次のとおりです。
・少額から投資ができる
・プロに運用を任せられる
・分散投資ができる
・自由に売買できる
REITは、不動産投資信託会社という、不動産に熟練したプロが選んだ複数の物件に対して少額から投資ができます。不動産の選定・運用どちらもプロに任せられるので、投資初心者の方に取っては、自分で選ぶよりも安心して投資できるかもしれません。
また、投資先は複数の不動産となるため、1つのREITに投資をするだけで分散投資が可能です。さらにEITは証券市場に上場しているため自由に売買できます。
デメリット
REITのデメリットは、次のとおりです。
・価格が変動する
・投資法人の倒産・上場廃止リスクがある
REITは証券市場に上場しているため、日々価格が変動します。「分配金はもらえたけど価格が急落した」といったこともあり得ます。また、REITを運営する投資法人が倒産や上場廃止となるリスクもあるので注意が必要です。不動産のプロが運営すると言っても、倒産などの可能性がない訳ではありません。
不動産STとREITの違い
不動産ST(Security Token)とREIT(Real Estate Investment Trust)は、いずれも不動産を対象にした投資方法ですが、投資家にとっての利便性やリスクの性質が異なるため、理解しておきたいポイントがいくつかあります。それぞれの特徴を掘り下げて解説します。
不動産ST | REIT | |
投資対象 | 1つの不動産 | 複数の不動産 |
価格の動き方 | 鑑定評価額がベースなので日々変動はしない | 基準価額が日々変動する |
換金のしやすさ | 基本的には運用期間が終了するまで換金できない | 自由に売買できる |
投資対象の違い
不動産STは、1つの特定の不動産に対して直接的な投資が行われるのが特徴です。たとえば、オフィスビルや商業施設、住宅など特定の物件にデジタル証券として投資する形態です。
特定物件のパフォーマンスや需要に依存するため、物件選定が投資リターンに直接影響を及ぼします。投資対象が単独の不動産に絞られることで、その物件の運用実績が投資成果を大きく左右する点が魅力であり、リスクともいえるでしょう。収益性が高い物件を慎重に選定することで、投資成果を期待することができます。
REITは、多数の不動産に分散して投資する投資信託の一種であり、リスク分散の仕組みが整っています。
商業施設、ホテル、物流倉庫、オフィスビルなど多岐にわたる物件群をひとつのファンドとして組み入れているため、物件単体のパフォーマンスに依存せず、全体の収益性が投資成果に反映されます。
分散効果によって安定したリターンが期待でき、個別不動産のリスクを低減できるため、リスク回避を重視する投資家に向いています。
価格の動き方
不動産STの価格は、基礎となる物件の評価額や鑑定評価額が基準となります。日々の価格変動がなく、一定期間を通じて価格が安定しているのが特徴です。
これは、不動産市場や経済動向の短期的な影響を受けにくいことから、投資家が日々の価格変動に惑わされずに長期視点で投資しやすいメリットがあります。中長期的に安定的な資産運用を志向する投資家に適しており、景気変動の影響が比較的少ないのが魅力です。
REITの価格は証券市場での需給関係や経済動向により日々変動します。株式と同様に証券取引所で売買されるため、短期的な市場の影響や投資家心理が価格に反映されやすく、上昇と下落が頻繁に発生します。
これは、たとえば景気の悪化や不動産市場の低迷時には価格が大きく下落するリスクもありますが、逆に景気回復時には価格が上昇しやすいというメリットも持ち合わせています。価格変動を活用して利益を狙うことも可能ですが、投資家には相場の変動リスクを把握することが求められます。
換金のしやすさ
不動産STの投資は、基本的に運用期間が設定されており、その期間が終了するまで換金が難しい仕組みです。投資した資金は一定期間ロックされるため、途中で売却して現金化することが難しい点に注意が必要です。
これにより流動性が低くなりますが、価格が安定していることと引き換えに、長期的な視点で安定した収益を期待する投資家に適しています。また、運用終了時には評価額に応じた換金が可能なため、長期的な資産保有ができる投資家に向いています。
REITは証券取引所に上場されているため、株式と同様に自由に売買が可能です。必要に応じていつでも換金できる高い流動性を持っており、現金化のしやすさが大きな魅力です。
しかし、換金時の価格は市場状況に左右されるため、価格が低い時に売却すると損失が発生するリスクもあります。資金を必要に応じてフレキシブルに利用したい場合や、流動性を重視したい投資家にとっては適しているでしょう。
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まとめ
今回は、不動産STとREITの特徴、メリット・デメリット、そして両者の違いについて解説しました。不動産STとREITは、投資対象や価格の動き、換金のしやすさといった点で異なる特性を持っています。それぞれの特徴を正しく理解し、自分の投資スタイルや目的に最も適した方法を選択することが大切です。
また、投資を行う際には、メリットだけでなくリスク面もしっかりと把握し、生活の余剰資金で運用することを心がけましょう。資金に余裕を持たせることで、予期せぬ市場の変動にも冷静に対応しやすくなります。
さらに、ソーシャルレンディングや他の投資手法と組み合わせ、ポートフォリオを多様化させることで、リスクを抑えつつ利益の積み上げを目指すことが可能です。複数の投資先をポートフォリオに組み入れ、安定的で持続的な資産形成を目指しましょう。