新NISAがスタートし、資産運用に熱心に取り組む人は増えています。若い人も新NISAに取り組み始めるなど、資産形成に向けた活発な動きがあちらこちらで見られます。そんな今だからこそ資産運用の知識は重要です。
本記事では資産運用とは何かを中心に、その種類や注意点についてご紹介します。
資産運用とは?
まず資産運用とは何かという部分から基本的なことをご紹介していきます。
資産運用では何をするのか
資産運用では現時点で保有するお金や資産を様々な手法で運用していくことで、どんどん増やしていくことを指します。多くの方は雀の涙にもならない定期預金が嫌で資産運用を始めますが、預貯金も資産運用に含まれます。
ですので、ゼロ金利のような金利にしかならない定期預金に預けることも意味合いとしては「資産運用」になります。そのため、ほとんどの人が資産運用をしていると言っても過言ではありません。
資産運用の歴史
資産運用の歴史はスコットランドから始まったと言われています。1700年代初頭においてある牧師が、知り合いの牧師が亡くなりその家族が貧しい生活を送っていることを憂いました。
この牧師は数学ができたため、統計などをとり、保険料を徴収していき家族への支払いを行うほか、残った金額で国債を購入して増やすことを考えました。このシステムが資産運用の始まりだったのです。ちなみに300年が経過した今もこのシステムは存続し続けており、とても優秀な制度だったことがわかります。
資産運用は今も昔も将来の備えのために行われるものであり、決して金儲けメインで行うべきものではありません。
資産運用のメリット・デメリット
資産運用を行うことにどんなメリットやデメリットがあるのかをご紹介していきます。
資産運用のメリット
資産運用のメリットは加速度的に増える可能性がある点です。複利効果とも呼ばれ、1年目に元本についた利子があれば、まとめて2年目もそのまま示唆運用を行い、利子が利子を呼ぶような状態にさせます。
仮に10%ずつ増えていくとした場合、100万円が110万円に、110万円が121万円に、それぞれなります。年間で増える金額は10万円、11万
資産運用では複数の投資先に配分して利回りをコントロールする、もしくはリスク分散をするのが一般的です。投資先を絞ればそれだけ利益も生み出しやすいですが損失も出やすく、細心の注意を払う必要があります。
資産運用では何をするのか
資産運用をする際には何をすればいいのか、行うべきことについてご紹介します。
何年でいくらにするかを最初に決める
なぜ資産運用を行うかといえば、老後の生活など将来への不安に備えるからです。特に近年は国民年金を65歳まで払い続けるなど様々なことが言われ始めており、将来への不安は増すばかりです。
老後資金が2000万円不足する問題をはじめ、一般的な年金制度では老後資金は不足する可能性が高いと言われています。その不足分を補うにはあと何年かけていくら必要なのかを決める必要があります。
自己資金と目標利回りを決める
何年でいくらにするかを決めたら、そのために自己資金はいくら必要なのかを検討していきます。例えば、自己資金を2倍にするためには年6%であればおよそ12年かかります。
「72の法則」と呼ばれる方法を使うと自己資金を2倍にする年数がすぐにわかり、72を金利で割ればいいだけです。例えば年10%であれば72÷10で7.2となるので7.2年かかる計算です。今ある自己資金をとりあえず倍にしたいとなれば、72の法則を用いましょう。するとおおよその目標利回りがわかります。
あくまでも自己資金を倍にするケースですが、倍にするだけでもこれだけの期間が必要であることを認識するだけでも大きいでしょう。
目標利回りに見合った方法で増やす
目標利回りが決まったら、あとは目標利回りに見合った方法で増やしていくことになります。年3%で若い時からコツコツと増やしていく場合には株だけに頼らず、債券など色々な手法を組み合わせていくことで確実に運用が行えます。
逆に高い利回りを模索する場合には多少リスクを伴うことも必要です。先ほどの72の法則に当てはめれば、極端な話、年36%の金利で増やせればたった2年で自己資金を倍にできますが、そんなうまい話はなかなかありませんし、リスクが付きまといます。
一方でリスクを怖がり過ぎても厳しく、0.001%の普通預金に預け続ければ7万2000年もかかります。リスクを受け入れつつ守りも忘れないことが重要なのです。
資産運用の種類
資産運用には様々な種類が存在します。ここでは資産運用の種類についてご紹介しますが、低リスクと高リスク、バランス型に分けて解説します。
低リスク
この場合の低リスクとは、自己資金を倍にするようなことは難しいものの着実に資産運用を行えるものです。これに該当するのは預金や債券です。
預金にも外貨預金のように利回りに期待が持てる預金も存在します。為替変動による利益がもたらされる可能性もあればその逆もありますが、比較的低リスクであり、特に基軸通貨であればめちゃくちゃな動きになる可能性は少ないでしょう。
債券も同様で、変動金利型の個人向け国債であれば今度利回りが良くなる可能性もあるため、着実に増やすにはいいでしょう。近年では貯蓄型保険も人気を集めており、手軽に貯金を行いたい方には最適です。
高リスク
高リスク型に該当するのは、先物取引や株式投資、FX、仮想通貨などです。先物取引は将来を読んで投資を行うタイプの投資であり、レバレッジが利用できるのもメリットです。その分、外した時のリスクは大きいですが、それだけのリターンも生み出されます。
仮想通貨も高リスク型と言えます。例えばビットコインは2023年を見るだけで年間2倍以上の伸びを見せました。2023年1月ごろ、1枚のビットコインを持つのに250万円ほど必要でしたが、2023年12月には600万円ほどになっています。たった1年で自己資金を倍以上まで増やすことに達成したことになります。
その代わり、下落する時は激しく下落するのが仮想通貨です。もはや「億り人」のような現象は起きにくく、資産運用に活用するにはリスクが高すぎるのが実情です。
バランス型
バランス型は投資信託やETFなどが該当します。バランス型は低リスクや高リスクのものをバランスよく組み合わせて成り立っており、利回りの調整もしやすく、リスクに気を付けながら運用することもできます。
新NISAなどで投資信託やETFを活用する方が多く、これから資産運用をする方はバランス型で行っていくのが確実であり、着実な資産形成につながるでしょう。
初心者におすすめの資産運用の方法
ここまで様々な資産運用の方法をご紹介してきましたが、初心者におすすめの資産運用としてソーシャルレンディングをご紹介します。
ソーシャルレンディングについて
ソーシャルレンディングはお金を増やしたい人、お金を借りたい個人や企業がマッチングして分配金をもらうタイプの資産運用です。百貨店で有名な高島屋もソーシャルレンディングに参戦するなど、新たな資産運用の形として注目されています。
ソーシャルレンディングのいいところは、貸付先がどこなのかを事前にチェックでき、確実に分配金がもらえそうなところを吟味できる点です。しかも、ソーシャルレンディングでは事前審査を厳しく行っており、確実性の高い案件しか出てきません。少額から始められ、結果も半年や1年で出てくるため、お試しで始めやすいのも魅力的です。
利回り自体も4%や5%など比較的高いものも多く、資産運用とはどういうものかを実感するのに適しています。
資産運用の注意点
資産運用を始めるにはいくつかの注意点もあります。最後に注意点についてご紹介します。
無理のない資金で始める
資産運用で大事なことは無理のない資金で始めることです。例えば借金をして資産運用を始めることはリスクが大きいです。不動産投資のようにローンを組んで始めるケースもありますが、担保として一定の資産価値がある状態で始められます。それでも一定のリスクはあります。
資産運用では元本割れも十分に考えられるため、借金をして始めるようなことがないようにしなければなりません。
必ず目標を決める
とにかく1円でも増やしたいという方も中にはいるでしょう。しかし、これだと失敗する可能性が高いです。ギャンブルで失敗する人のほとんどは1円でも多く増やしたい気持ちが強く、降りるべきところで降りられないことが原因となります。
一方、目標が決まっていれば目標に達した時点で降りることができます。仮に続けたいと思っても余剰分で始めればよく、適切な環境で続けられるのです。目標を決めることは何より重要と言えます。
自分で考えて自分で決断する
新NISAをはじめ、証券会社や銀行などの窓口で勧誘されることがあります。多くのケースでは騙そうと思って勧誘するわけではありませんが、少なくとも営業成績のために勧誘していることは確かです。親身になって紹介しているわけではない分、めちゃくちゃな理由でハイリスクの投資信託の商品を紹介することもあるのです。
投資は本来自己責任であり、自分の判断や責任の中で決断しなければなりません。ですので、仮に勧誘されたとしても自分で考えて決断することが必須です。すべてをゆだね、万が一痛い目を見た時、悔やんでも悔やみきれないことになります。
まとめ
資産運用を行うことで老後資金の確保をはじめ、場合によってはFIREなどにもつながっていきます。一方で堅実な運用ができないと、赤字になるほか、せっかくの財産を失う可能性もあります。
またあまりにも手堅くやりすぎても思ったような成果になりません。常に勉強を重ね、リスクと利益を考慮しながら資産運用を行っていくことが求められます。