皆さんはグロース株をご存じですか?グロース株はこれから株価上昇が期待できる株のことを指す言葉です。別名成長株と呼ばれるグロース株にはどのような可能性があるのでしょうか。
この記事ではグロース株の話題を中心にバリュー株との違いやメリット・デメリットなどを解説していきます。
グロース株とは?
株式投資を始めた方の中には、「グロース株」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。グロース株とは、成長が期待される企業の株式を指し、一般的にベンチャー企業やIT企業など、新しい技術やサービスで急成長が見込まれる企業が多く含まれます。
グロース株は「株価が上がりやすい」という特徴があるため、リターンを狙って注目されることが多い一方、株価の変動が大きくリスクも伴います。本記事では、グロース株の基本的な意味から、バリュー株との違い、メリット・デメリット、そしてグロース株の探し方について詳しく解説します。
グロース株の意味
グロースは英語で「growth」と書きますが、その意味は「成長」や「発達」があります。このためグロース株は成長株と呼ばれることがあります。成長株という言葉は文字通り株式に用いられることもありますが、人材に対して期待を込めて使われることもあるため、そちらの意味合いで知っている方も多いかもしれません。
グロース株とバリュー株との違いとは
グロース株とは別にバリュー株があります。どちらも上手く活用すれば儲けられるという点では似たもの同士ではその株が持つ意味は微妙に異なります。グロース株は成長株と称されますが、バリュー株は割安株と呼ばれます。
割安株は、本来もう少し株価が高くてもおかしくない株を指しており、割安の状態で購入できる株を割安株、バリュー株と呼びます。ポテンシャルを秘めているけれど知名度が低いなどの理由で割安になっている場合があります。その点はグロース株にも当てはまるでしょう。
グロース株にはどんな銘柄があるのか
ここからはグロース株の銘柄にはどのようなものがあるのかについてご紹介します。グロース株が多い銘柄やグロース株が持つ特徴をまとめました。
グロース株はベンチャー企業に多い
グロース株はベンチャー企業に多く、ベンチャー企業の銘柄はそのほとんどがグロース株と言えます。グロース株は企業価値よりも株価が高い状態にあり、いわば人気先行タイプ、実力こそ伴っていないものの技術革新の中で期待される株と言えるでしょう。
このため、ベンチャー企業などがグロース株に該当する可能性が高く、特にIT系などの企業はグロース株として扱われやすいと言えます。同時にグロース株ならではの不安定感とベンチャー企業ならではの粗削りな要素が相まって、ちょっとした動きで株価が乱高下するような状態になっているのです。
グロース株の探し方や見つけ方について
グロース株はどのように探し、どのように見つけていけばいいかですが、この時におすすめなのが指標です。様々な指標がある中でグロース株を探すのに適した指標をご紹介します。
PBR(株価純資産倍率)
1つ目はPBR(株価純資産倍率)です。1株当たりの純資産を示す数値であり、1倍より上なら割高、下回れば割安となります。グロース株かバリュー株かを見極める際には1倍以上だとグロース株の可能性があり、1倍を割り込めばバリュー株の可能性があると覚えておくとわかりやすいです。
PER(株価収益率)
2つ目はPER(株価収益率)です。こちらは1株当たりの当期純利益を示す数値となっており、PBR同様割高もしくは割安を示しています。ここでのポイントはPERが15倍かどうかです。15倍を超えていればグロース株の可能性があり、15倍を下回ればバリュー株の可能性があります。
売上高の伸び率
3つ目は売上高の伸び率です。今年の売り上げと去年の売り上げで比較を行い、どれだけ伸びているかで判断します。成長が著しければ伸び率は高めに出ます。この伸び率が高い時点でグロース株の可能性が高いと言えるでしょう。
この3つの指標を1つずつ使うというよりも、3つ調べて3つともグロース株の可能性がありという数値であればグロース株として購入する価値はあると言えるでしょう。
グロース株を購入するメリット
ここからはグロース株を購入するメリットについて詳しく解説します。どんなタイミングで購入を検討すると良いのか、購入の判断に役立つポイントを押さえましょう。
株価が上がりやすい
1つ目のメリットは、株価が上がりやすい点です。グロース株は成長が期待されるベンチャー企業や技術革新に取り組む企業に多く、企業成長に応じて株価も右肩上がりで上昇する傾向があります。
特に新興企業や革新的な分野の株式は、その将来性に対する期待が反映され、短期間で大きな値上がりを見せることも珍しくありません。
さらに、長期保有をしても成長が続く限り株価が上がりやすいため、短期売買だけでなく中長期投資の対象としても魅力的です。
例えば、デイトレードなどの短期売買では市場の一時的な高騰を狙え、中長期的には企業の成長とともに資産価値を育てることができます。こうした特徴により、グロース株はさまざまな投資スタイルに対応可能です。
利益が期待できる
2つ目のメリットは、利益が期待できる点です。株価が上がりやすいグロース株は、利益を効率的に増やしたい投資家にとって非常に魅力的です。
特に、小額の元手から大きな資産を作り上げる可能性があるため、少ない資金で始める方にも向いています。こうした成長株を早い段階で購入して保有すれば、株価の急上昇に伴い元手が数倍、あるいはそれ以上になるケースもあります。
例として、仮想通貨の急成長期に「億り人」と呼ばれる人々が登場しましたが、これは早期に少額で投資し、その後の成長で利益を得たことによるものです。
グロース株においても同様に、急成長企業を見極めて早期に投資することで、数倍、数十倍のリターンを得る可能性があります。特に、将来的に市場シェアが拡大する可能性を持つ企業に対しては、成長を待ちながら利益を追求できる魅力があるでしょう。
多様なリスク分散と成長機会の享受
グロース株の魅力は、成長機会の享受と合わせてリスク分散にも役立つ点です。成長企業は一般的に変動が大きいため、保有銘柄を分散させることで特定企業のリスクを減らすことが可能です。
たとえば、IT、バイオテクノロジー、エネルギーなど異なる分野のグロース株に分散投資することで、特定分野の不調を他分野の成長が補い、安定した資産形成が可能になります。
また、グロース株は、時には市場の主力となる企業に成長する場合もあります。小さな企業が規模拡大を果たして上場市場を移行し、安定企業へと変化することでリスクが減少し、収益機会がさらに広がることも考えられます。
こうした企業成長のサイクルを楽しみつつ資産を増やせる点も、グロース株ならではの魅力です。
グロース株を購入するデメリット
次に、グロース株を購入する際に気をつけるべきデメリットについて詳しくご紹介します。
グロース株は高い成長が期待される一方で、リスクも伴います。購入を検討する際には、以下の点に留意することが重要です。
配当が出にくい
1つ目のデメリットは、配当が出にくい点です。多くのグロース株に該当するベンチャー企業や新興企業は、事業成長のために利益を再投資することが一般的です。
このため、配当金を出すことよりも事業拡大や研究開発に資金を回すことが優先され、無配(配当金が出ない状態)である企業も少なくありません。
また、仮に配当が出たとしても、「雀の涙」ほどの少額であるケースが多く、株主に還元される利益は小さくなりがちです。これは、企業が成長段階にあるために、利益を株主に分配するよりも、さらなる成長に向けて再投資する必要があるためです。
そのため、グロース株を購入する場合は、配当による収益ではなく、株価の上昇益に期待して投資するのが一般的です。
株価が割高になりやすい
2つ目のデメリットは、株価が割高になりやすい点です。グロース株は市場からの期待が高いため、実際の企業価値や業績以上に株価が高く評価されることが少なくありません。
この割高な株価は、新たに投資する際に「高値掴み」をしてしまうリスクを伴います。株価が企業の実績に見合わない水準で上がっている場合、何らかのアクシデントや業績不振が起こると急激に株価が下落する可能性が高まります。
例えば、経済環境の変化や競合企業の登場、さらには技術革新の遅れなどの外的要因が株価に大きな影響を及ぼす場合があります。
こうした要因で一時的に人気を失うと、割高であった分だけ値下がり幅も大きくなり、損失が増加するリスクもあるのです。このため、特に投資初心者の方には、慎重にタイミングを見極めて購入することが推奨されます。
株価が割高になりやすい
加えて、グロース株への投資ではボラティリティ(値動きの激しさ)が大きい点も注意が必要です。成長が期待される分、投資家の注目が集まりやすく、一時的なニュースや市場のセンチメント(投資家心理)に左右されて大きく価格が変動することも多いです。
特に、短期的な株価のアップダウンに振り回されると、冷静な判断が難しくなるため、デイトレードなどの短期売買に向いている一方で、中長期投資を考える場合にはリスク分散が欠かせません。
グロース株が集まったグロース市場
グロース株が集まるグロース市場は、これまでの東証マザーズとJASDAQグロースを統合した新しい市場で、主に成長段階にあるベンチャー企業や革新企業が上場しています。
IT、バイオ、エネルギーといった高成長分野が多く含まれ、今後の成長が期待される企業が揃っているのが特徴です。
グロース株を検討する際には、このグロース市場から探すことが効果的です。特に、初期投資で成長性を重視する方にとって、この市場は大きな可能性を秘めた投資先の宝庫といえます。
グロース市場とは?成長企業が集まる市場の特徴と注目ポイン
グロース市場とは、成長が期待される企業が集まる市場で、主に東証マザーズやJASDAQグロース市場が統合されたものです。
多くのベンチャー企業や技術革新に取り組む企業が上場しており、特にIT、バイオテクノロジー、再生エネルギーといった成長分野に属する企業が多く集まります。
例えば、弁護士ドットコムやメルカリなどもこの市場で成長し、短期間で急激な企業価値の向上を果たした代表例です。
弁護士ドットコムは、10年間で売上が50倍以上に増加し、平均成長率が毎年50%を超えるという驚異的な成長を遂げています。このような企業が多く見られるのがグロース市場の特徴です。
グロース市場に上場するための条件
グロース市場に上場するためには、以下の3つの要件が求められています。
・事業計画の合理性
上場企業は、将来的な成長が期待される合理的な事業計画を策定している必要があります。具体的には、上場から10年以内で時価総額が40億円以上に達する成長可能性が問われます。
・流動性の確保
投資家が取引しやすい流動性も条件の1つです。具体的には、株主数が150名以上、流通株式数が1000単位以上、流通株式の時価総額が5億円以上であることが求められます。この基準を満たすことで、安定した取引が期待でき、投資家にとっても魅力的な市場になります。
・ガバナンスの適切性
上場企業は適切なガバナンス(企業統治)を行う必要があります。具体的には、流通株式比率が25%以上であることが条件です。これは、成長段階にある企業が適切な経営管理体制を確保し、外部投資家への情報開示や株主還元を意識した運営を行うための基準です。
グロース市場の投資魅力とリスク
グロース市場には、急成長が期待される企業が多く、特にIT分野や新技術に注力する企業が含まれます。そのため、数年で企業価値が数倍になるといった大きな成長が期待できる一方、株価のボラティリティ(変動幅)が大きく、リスクも高い市場といえます。
新興企業ならではの不安定さと潜在的な成長力を併せ持つ点が、グロース市場への投資の醍醐味です。
グロース市場に上場している企業の特徴
グロース市場に上場する企業は、以下の3つの厳しい基準を満たしていることが求められています。これにより、投資家は成長性だけでなく一定の基盤を持つ企業に安心して投資できるのです。
事業計画
上場企業は合理的かつ実現可能な事業計画を立て、将来的な成長が期待されることを証明する必要があります。
特に、上場後10年で時価総額が40億円以上に達する成長可能性が問われるため、明確なビジョンや実行力が求められます。この基準を満たすことで、事業の持続性と成長力が担保され、投資家も中長期的なリターンを期待できます。
流動性
投資家が売買を容易に行える流動性が確保されていることも重要な条件です。具体的には、株主数150人以上、流通株式数1000単位以上、流通株式時価総額5億円以上が求められています。
これにより、市場での取引が活発に行われ、投資家にとってもスムーズな資産運用が可能になります。
ガバナンス
上場企業には適切なガバナンス体制が求められ、流通株式比率が25%以上であることが条件となります。この基準は、外部の投資家が企業の運営に影響を及ぼしやすくし、透明性のある経営が維持されることを目的としています。
これにより、成長途上の企業であっても、投資家にとって信頼できる体制が整っていると評価されます。
あの企業もグロース市場に!
2023年9月末時点で、グロース市場には多くの成長企業が上場しています。時価総額40億円以上の企業も数多く見られ、その中でも特に注目されるのが「弁護士ドットコム」です。
同社は、10年間で売上を54倍に拡大し、時価総額も1000億円を超える急成長企業の代表例です。このような成功事例は、グロース市場における成長の可能性を強く示しています。
さらに、グロース市場では、まだ知名度が低く時価総額が10億円前後の企業も見られますが、将来的に大きく成長する可能性を秘めています。
こうした企業は、技術力や革新性を持って市場での成長機会を伺っているため、グロース市場に投資することで次の成長企業を見つける楽しみも味わえるでしょう。
グロース市場での投資戦略
誰もが知っている有名企業に投資することも一つの戦略ですが、グロース市場の特徴は、まだ世間に知られていない「原石」を発掘する楽しみがあります。
成長が期待される企業を見つける際には、事業内容、業界トレンド、成長ポテンシャルなどに着目し、独自の視点で「次にくる企業」を発掘することも醍醐味の一つです。
このような企業に早期に投資できれば、数年後に大きなリターンを得られる可能性があるため、グロース市場は投資家にとっても特別な場所といえます。
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まとめ
今回はグロース株についてご紹介してきました。
グロース株はまだまだ粗削りでありながら、大きく成長する可能性を残す企業であり、「億り人」までには至らなくても5倍、10倍と増やせる可能性は十分に考えられます。実際に10年間で50倍以上の売り上げに成長している企業もあるので、時価総額が5倍、10倍さらにはそれ以上の企業に成長する可能性はあり得るでしょう。
裏を返せば、有名かどうかで判断するのは堅実さこそあれど、大きく増やしたい人にとっては微妙な考え方です。
株式投資をギャンブル的に行うのはいいことではありませんが、よりエキサイティングに株式投資に取り組みたい方はグロース株で勝負することをおすすめします。