バリュー株とは?どんな銘柄なのかわかりやすく解説|グロース株との違いや探し方、おすすめについて

 

 

皆さんはバリュー株をご存じですか?バリュー株は株価的に不当に安い評価を受けている株を言います。いわばお得な株であり、購入しておくことで旨味が大きい株でもあります。

 

本記事ではバリュー株にスポットを当て、バリュー株とグロース株の違いや購入するメリット・デメリットについてご紹介していきます。

目次

バリュー株とは?

バリュー株とはどういう株なのか、基本的な情報をまずはご紹介します。

バリュー株は割安株

バリュー株は別名割安株と呼ばれます。文字通り企業価値などを踏まえると株価が割安な状態になっているケースを指します。

 

割安になりやすい理由は後程ご紹介しますが、本来のポテンシャルで考えればもっと値段が高くてもおかしくないため、株価が上がりやすいことが言えます。

日本株はバリュー株優位

バリュー株は後々株価が上がりやすいため、持っておいて損は少ない株です。だとするならば、そんなうまい話は早々ないのではないかと考えがちです。しかし、日本ではここ数年バリュー株が優位に立っており、バリュー株だらけだったという結果が出ています。

 

ここ数年でバリュー株が増えた要因は国債の価格が上がったのが要因とされています。実はバリュー株と国債の価格は関連性があり、国債の金利が低いとグロース株が、高いとバリュー株が活発になる傾向があります。日本はようやく金利上昇の気配が見え始めており、バリュー株の出番が回ってきたのです。

バリュー株とはどんな銘柄なのか

バリュー株とはどのような銘柄なのか、バリュー株の特徴をご紹介します。

PBRが低い株

PBRとは株価純資産倍率を指します。株価純資産倍率とは企業が保有する純資産と比べて株価がどんな水準にあるかを示しており、1倍が1つの目安になります。この1倍を割る状況が割安の目安となるのです。

 

また1倍を割れば割るほど割安なので、できるだけ低い倍率のものを選ぶのが理想的です。資産は潤沢にあるのに株価が安い状況はポテンシャルをかなり秘めていると言えます。

自己資本比率の高い企業の株

自己資本比率が高い状況は、早急に返済すべき借金が少ない状況を指します。無借金経営が一番理想的であり、自己資本比率が高ければ一時的に経済が悪化してもそう簡単に倒れることがありません。

 

いわば安定した状況にあるにもかかわらず、株価が安い状況はバリュー株としても優秀です。優秀だがなぜか割安、だからこそきっかけ1つで大きく化けるのがバリュー株の魅力です。

PERが低い株

PERは株価収益率を指します。1株あたりの純利益と比べて株価が何倍になっているかを示すもので、倍率が低ければ低いほど優秀です。バリュー株として目安になるのが10倍ぐらいで、これを下回ると利益が出ているのに割安ということがわかります。

 

利益が出ている以上は売り上げも好調で業績も安定している証拠です。にもかかわらず、PERが低いのは割安以外の何物でもありません。

バリュー株とグロース株との違い

バリュー株とは別にグロース株というのもあります。ここではバリュー株とグロース株の違いについてご紹介していきます。

株価の違い

グロース株は市場からの期待が集まっている株であり、実績よりも人気中心になりやすく、株価も企業価値と比較すると割高な状態にあります。バリュー株が過小評価された株だとするならば、グロース株は過大評価された株と言えるでしょう。

 

もちろん何の根拠もなく市場がグロース株として扱っているわけではなく、何かしらの要素があってのことです。しかし、市場の期待を裏切ることになれば株価は一気に転がり落ちることになります。その点、バリュー株はよほどのことがない限り、これ以上転がり落ちることはありません。

配当の違い

グロース株の場合はまだまだ発展途上ながら、人気を集めて株価が上がりやすい状況にあるため、配当などを出すだけの余裕はまだありません。そのため、配当を期待する人にとってグロース株は保有するべきではないと言えます。

 

その点、バリュー株は配当まであるため、配当を期待したい方にとっては多くの株を確保しやすく、かつ配当までもらえるのでお得です。

バリュー株を購入するメリット

ここからはバリュー株を購入するメリットについてご紹介していきます。

株価の下落が起こりにくい

バリュー株は割安株と表現するくらいなので、既に株価としては底値もしくは底値付近にいます。つまり、下がってもわずかで、あとは底を打って上がるのみと言えます。

 

もちろん、企業価値がある場合に限りますが、あとは株価が上がるだけなので、買っておくだけで一定の上昇は見込めるというわけです。

大きくは変動しない

バリュー株はポテンシャルを秘めているわけですが、一方で大々的な広告宣伝を打たない限りは人気が低い状態は変わりません。かといって、バリュー株としての扱いは維持され続けるため、値段の上がり下がりが小さいのが特徴的です。

 

上がり下がりが小さいことは株価の乱高下が考えにくい状態を意味します。その間、インカムゲインなどを得続ければ、損失を被ることなくうまく資産の運用につなげられます。

配当が安定している

何よりバリュー株は配当が安定しており、一定の資産を得られる可能性が高い状態にあります。配当金や株主優待制度などのインカムゲインが安定的に受け取れるので、利回りとしては安定した状態にあります。

 

配当を楽しみに株を購入する人も近年増えており、インカムゲイン目的で株を購入する人にとってはバリュー株の存在は大きいと言えるでしょう。

バリュー株を購入するデメリット

ここからはバリュー株を購入するデメリットについてもご紹介していきます。

大きくは増えない

バリュー株はいきなり何倍にも株価が上昇するとは考えにくく、資産価値を2倍3倍にできるポテンシャルまでは秘めていないのが実情です。いわばコツコツと堅実的に増やしたい人にとっておすすめなのがバリュー株であり、ギャンブル的に増やすには適していません。

 

一方、インカムゲインに関しても物価高などの影響を受け、廃止する可能性も十分にあり得ます。実際に株主優待を取りやめる企業も出てきており、配当に手を出す企業が出てきてもおかしくありません。バリュー株だからといって安易に飛びつくこともいいとは言えないのです。

探すのも難しい

バリュー株は基本的にはお買い得であり、国債の金利上昇の影響でバリュー株が出やすい状況にあります。しかし、バリュー株の情報はすぐに出回り、この株がバリュー株であるという情報は知れ渡りやすくなっています。

 

しかも、様々な指標があるほか、人気がない理由も当然あるわけです。そこの見極めを行っていくのもなかなか大変なのです。

バリュー株が生み出される要因

バリュー株が生み出される要因には日本ならではの要因があると言われています。それは株主の扱いの低さです。ついつい指標だけでバリュー株かどうかを判断しがちですが、大企業の関連企業ですらバリュー株の状態なところもあります。こうした企業は外資系ファンドなどに狙われるとは思っていないことがほとんどです。

 

それは買収防衛策をはじめとして、乗っ取りを図る勢力が何かしらのアクションを起こそうとしても親会社が助けてくれるなど、よほど裏切りがない限りは安泰な状態にあります。そうなると緊張感もなくなるので、株価を高めようという状態にもならないのです。

 

バリュー株を購入しても企業によっては株価を高める努力をあまりしないところもあるので、株主に対して真摯かどうかも大事な要素となります。

バリュー株の探し方

バリュー株の探し方としては先ほどもご紹介したPERやPBR、自己資本比率、配当利回りなどをチェックすることが重要ですが、まだチェックすべき指標があります。それがROEです。

 

ROEは株主資本利益率を指し、自己資本と比べて収益性がどうかを調べる指標となっています。ROEが高い状態はそれだけ収益が見込める状態であり、収益アップに期待が持てます。そのため、割安という評価が下されます。

 

もう1つチェックすべきなのがPEGです。別名PEGレシオと呼ばれ、多少長いスパンで見た株価の水準を示す数値になります。このPEGレシオが1倍を下回ると割安となります。ここまでご紹介した6つの指標でいずれもバリュー株の水準に達していれば購入する価値があると言えるでしょう。

バリュー株のおすすめの売り時とは

最後にご紹介するのはバリュー株のおすすめの売り時についてです。割安の状態で購入することが大事ですが、問題はどのタイミングで売ればいいかという部分になります。

 

売り時のタイミングは明快で、割安ではないと判断した場面です。その理由は割安だから購入したのであって、割安ではないところから再び割安の部分に戻っていく可能性は十分に考えられます。もちろん更なる上昇も想定されますが、何らかの要因で割安株のままになっている以上、株価を高めようと努力している様子が見られない場合、割安ではなくなった時点で売るのが確実です。

 

割安かどうかはバリュー株を見つける指標でチェックし続ければよく、明らかに指標的にも割安ではないと判断できればその段階で売却するのも1つの手と言えるでしょう。証券会社の中には様々な指標を提供してくれるところも増えており、割安な株価どうかを示してくれるケースもあります。

 

売り時に関しても投資をする上ではとても重要であり、ついつい長めに保有しがちです。ただ割安株は理由があって割安株になっているケースも多く、よほど何かしらの原因があれば別ですが、慢性的に割安株になっているケースでは割安ではないタイミングで売るのがいいでしょう。

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