新興国株式がおすすめしないといわれる理由|メリットや稼ぐコツも合わせて紹介
- 「新興国株式はなぜおすすめしないといわれているか知りたい」
- 「新興国株式のメリットや効率よく稼ぐ方法を押さえておきたい」
このような疑問にお答えします。
新興国株式は収益性が高い金融商品として話題になっていますが、どのような理由でおすすめしないといわれているのか気になる方も多いですよね。
本記事では、新興国株式がおすすめしないといわれる理由やメリット、収益を出すコツを解説します。
ハイリスクハイリターンの投資をしたい方や、新興国に興味のある方はぜひご覧ください。
新興国・新興国株式とは
新興国とは、先進国と比べて現在の経済水準は低いかわりに成長性が高い有望な国を指し、エマージングカントリーとも呼ばれています。
新興国は以下のような国が代表的で、新興国に属している企業が発行する株式が新興国株式です。
- 中国
- 韓国
- 台湾
- タイ
- インド
- ブラジル
- メキシコ
- 南アフリカ共和国
日本は1900年代前半まで新興国でしたが、高度経済成長期を経て先進国の仲間入りを果たしました。
なお、新興国株式で代表的な指数は「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」で、24か国と1,400の銘柄で構成されており、時価総額は市場の85%を占めています。
新興国株式は将来ハイリターンが期待できますが、その分稼ぐ難易度が高いです。
そのため、新興国株式を直接購入するよりも、株式を含む投資信託やETFを購入する方がおすすめです。
投資信託でファンドマネージャーに運用を任せれば、現地企業を訪問して経営者の人柄を確認するなど、個人では難しい投資判断や分析を行ってくれる場合があります。
新興国株式がおすすめしないといわれる理由・デメリット
一部の投資家の間で新興国株式が推奨されていないのは、以下のような理由が考えられます。
- 米国株よりも利回りが低い
- 多くのリスクが発生する
- 手数料が比較的高い
- インフレの影響を受けやすい
- ボラティリティが大きい
- 流動性が低い
- 情報収集しにくい
それぞれの理由を押さえれば同時に新興国株式のデメリットも分かるため、新興国株式の売買を検討している方は必見です。
米国株よりも利回りが低い
2011年以降、新興国のインデックスはアメリカの代表的な株価指数であるS&P500の成績を大きく下回っています。
そのため、新興国株式に投資するよりも、アメリカ企業の株式に投資した方が稼ぎやすく投資効率が高いといわれています。
多くのリスクが発生する
発生するリスクが以下のように多い点もあります。
リスクの種類 | 詳細 |
---|---|
政治リスク |
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経済リスク |
|
社会情勢リスク |
|
自然災害リスク |
|
価格変動リスク |
|
為替変動リスク |
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法リスク |
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インフラや政治、社会制度や法律など、新興国はさまざまな点で発展途上の段階にあり、有事が発生すると価格が暴落しやすくなります。
また、先進国に比べて市場規模が小さいことから、ボラティリティが大きくなりやすいため注意が必要です。
手数料が比較的高い
新興国インデックスファンドで発生する手数料が比較的高い点も、おすすめされていないポイントの1つです。
米国インデックスファンドの手数料は1%未満のものが多い傾向にあります。
一方、新興国インデックスファンドの場合では手数料1%を超えるものが多いため、長期投資をすると大きな費用負担を強いられます。
インフレの影響を受けやすい
インフレーション(物価上昇)が起きると円高になり、新興国株式に大きな影響を与える恐れもあります。
株価が急騰したタイミングで保有中の新興国株式を売却し日本円に換算しても、円高による損失と売却益が相殺されてしまいます。
たとえば、1レアル20円のブラジルの株を1株購入して25円で売却する場合、得られる利益は単純計算で5円です。
しかし、1レアルが25円から30円に上がり、円高によって5円分の損失が発生すると、収支はプラマイゼロになります。
ボラティリティが大きい
新興国株式は経済発展の途中で不安定な状況下にあり、株価が乱高下しやすい点にも注意が必要です。
株価が急騰すれば仮想通貨やFXのように元手を数倍に増やせる可能性がありますが、反対に株価が暴落すると資金が底をつく危険性もあるため、新興国株式は諸刃の剣です。
流動性が低い
新興国株式の市場規模はまだ小さく、市場に出回っている株式の量が少ない状態にあるため、比較的流動性が低い点にも注意しましょう。
株式を売却しても買い手が見つからず売買が成立しないこともあり、新興国株式に投資するなら少しでも売却しやすい銘柄を選ぶ必要があります。
情報収集しにくい
以下のような理由でリサーチが難しいことからも、新興国株式はおすすめできないとされています。
- 新興国企業の情報は検索しても少ない
- 海外企業のホームページや投資サイトを日本語訳にできない、または外国語の読解が難しい
- 新興国株式の情報が古くて信憑性が低い
ハイリターンを狙うために新興国株式に投資しても根拠のある取引ができず、逆に大損を招く恐れがあります。
新興国株式のメリット
おすすめしないと評されている新興国株式ですが、以下のようなメリットもあります。
- 長期的な経済成長が期待できる
- 分散投資できる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
長期的な経済成長が期待できる
新興国株式は現在発展途上の段階にありますが、長期的に経済成長できる可能性を秘めています。
アジア開発銀行(ADB)は調査の結果、2025年に東南アジア新興国の実質GDP成長率が以下のように上昇する見通しを発表しました。
東南アジア新興国 | 2025年の実質GDP成長率 |
---|---|
フィリピン | 6.2% |
ベトナム | 6.2% |
カンボシア | 6.0% |
インドネシア | 5.0% |
マレーシア | 4.6% |
なお、2000年時点のGDPでは上位5位を先進国が独占していましたが、次第に中国やインドなどの新興国が勢力を伸ばしており、2028年には以下の順位になると予測されています。
- 1位:アメリカ
- 2位:中国
- 3位:インド
また、新興国では今後生産年齢人口である15〜64歳の働き手が増加し、経済活動が活発化することも期待できます。
分散投資できる
新興国株式では以下の24か国の企業に分散投資ができる点もメリットです。
- 中国
- 台湾
- 韓国
- タイ
- インド
- インドネシア
- ブラジル
- サウジアラビア
- 南アフリカ共和国
- メキシコ
- アラブ首長国連邦
- マレーシア
- カタール
- クウェート
- ポーランド
- トルコ
- フィリピン
- チリ
- ギリシャ
- ハンガリー
- ペルー
- チェコ
- コロンビア
- エジプト
通常、個人投資家が新興国企業の株式を直接購入しようとすると高額の資金が必要になります。
しかし、投資信託を購入すれば最小100円から購入でき、世界の新興国株式に投資先を分散させることも可能です。
新興国株式がおすすめな方・おすすめできない方
新興国株式の投資に向いている方と不向きな方を、以下の表に分類しました。
新興国株式の投資に向いている方 | 新興国株式の投資に向いていない方 |
---|---|
|
|
経済成長率の高い新興国企業の株に投資して大きく稼ぎたい方や、インドネシアやチリといった新興国株を複数保有してリスク分散させたい方に、新興国株式はおすすめです。
一方、日本やアメリカのような安定した国の株を売買したい方や、ローリスク・ローコストを重視する方には、新興国株式はおすすめできません。
新興国株式で利益を出すコツや注意点
新興国株式の投資で稼ぐには、以下のコツや注意点を押さえておきましょう。
- 企業の成長性を見極める
- 株式の銘柄のみでなく地域、セクターも分散する
- 情報収集を徹底する
- 投資初心者の方はIFA(資産運用アドバイザー)に相談する
内容はすべて株式投資全般に通じるため、株式投資を始めようと思っている方はぜひ参考にしてください。
企業の成長性を見極める
新興国に属しているからといってどの企業の株も保有して良いとは限らず、企業の成長性や伸び代を厳しくチェックする必要があります。
たとえば、新興国企業がブルーオーシャンの業界に携わっており、将来株価が高騰する可能性が高ければ、株価が低いうちに購入するべきだと判断できます。
一方、倒産や経営破綻に陥ったり株価が暴落したりする恐れがある企業の株は、たとえ新興国であっても売買しない方が良いでしょう。
株式の銘柄のみでなく地域、セクターも分散する
新興国株式投資では株式の銘柄や地域、セクター(株式の業種)を分散して投資することもおすすめです。
新興国の地域やセクターには、以下のようなものがあります。
新興国の地域 | セクター |
---|---|
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値動きや業種の異なる複数の銘柄に分散投資を行うことで、1つの銘柄の株価が下落しても他の銘柄がカバーしてくれます。
そのため、1種類の銘柄に集中投資するよりも、資産全体で受ける損失は小さくなるでしょう。
情報収集を徹底する
新興国株式の投資で収益を出すには根拠のある取引を行う必要があり、そのためには以下のサイトやメディアなどをチェックして株の情報を調べることが必要不可欠です。
- 経済新聞
- 投資ニュースサイト
- 証券会社のメルマガ
- 投資ブログ
- MSCIエマージング・マーケット・インデックス
新聞やニュースサイト、メルマガや投資ブログでは経済成長率や金利、失業率などの有力な情報を入手できます。
また、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」は新興国株式の株価動向を示す代表的な指数で、銘柄の株価の推移がグラフで分かります。
投資初心者の方はIFA(資産運用アドバイザー)に相談する
初めて新興国株式に投資する方は、資産運用アドバイザーであるIFAに相談してみるのも選択肢の1つです。
IFAとは「Independent Financial Advisor(資産運用アドバイザー)」の略で、相談者の年齢や事故資金、投資目的や目標額などに適した金融商品を提案する専門家です。
通常、銀行や証券会社などの金融機関の場合、利益を優先させるために自社の金融商品を一番に提案することが多くあります。
一方、IFAは顧客のニーズを最優先にし、かつ中立的な立場で投資のアドバイスを行ってくれます。
ただし、IFA経由で新興国株式を購入すると高額の手数料がかかることもあるため、注意が必要です。
新興国株式をおすすめしない方に適している利回りの高い金融商品・サービス4選
新興国株式が自身に適していない場合や投資先選びで利回りを重視している場合は、以下の4種類の金融商品やサービスの利用がおすすめです。
金融商品・サービス | メリット | デメリット |
---|---|---|
全世界株式インデックスファンド |
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米国株のみを売買した方が効率が良いケースもある |
株式投資信託 |
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購入時手数料や売買委託手数料などのコストがかかる |
ヘッジファンド |
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融資型クラウドファンディング |
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人気のファンドは申込が殺到し、早々に募集が打ち切られることが多い |
それぞれの投資先のメリットやデメリットを比較し、自身に最も適したものを探してみましょう。
全世界株式インデックスファンド
全世界株式インデックスファンドとは、先進国や新興国を問わず、全世界の大型・中型・小型株に分散投資できる投資信託です。
インデックスファンドでは、株式市場で代表的な指標に連動して成果を狙うため、値動きが見えやすいのが特徴です。
また、どのインデックスファンドも資産配分比率の内訳が細かく、さまざまな銘柄の株に分散投資ができます。
一例として、SBI・全世界株式インデックスファンドの資産配分比率を、以下の表にまとめました。
資産 | 比率(%) |
---|---|
日本を除く先進国株式 | 73.82 |
外国株式 | 14.01 |
国内株式 | 6.42 |
新興国株式 | 4.65 |
短期金融資産 | 1.1 |
ただし、先進国株式には米国株が大きな割合を占めていることが多く、実質アメリカ企業の株式を売買しているのと同じともいえます。
そして、全世界株式インデックスファンドには成長率の低い国の銘柄も含まれているため、利回りの高い米国株のみに投資した方が投資効率が良いこともあります。
株式投資信託
株式投資信託とは文字通り、ポートフォリオの中に株式が入っている投資信託です。
投資家から集めた多額の資金で株式を含むファンドを形成し、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が銘柄の購入や管理などを行います。
新興国株式の運用をプロに任せられるため、株の知識や新興国企業の情報が少なくても問題ありません。
また、普通の株式投資の最低売買単位は100株と大きく、高額のまとまった資金が必要になります。
一方、投資信託では不特定多数の投資家から集めた小口資金を大口のファンドに換えて運用するため、少額の分散投資ができる点がメリットです。
ただし、購入時手数料や信託報酬(運用管理費用)、売買委託手数料や信託財産留保額など多くの手数料が発生する点に注意が必要です。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、株式・債券・商品など複数の銘柄を組み合わせた私募形式の投資信託です。
機関投資家や富裕層などの限られた投資家のみが出資でき、大口投資のみに門戸が開かれた投資信託でもあります。
通常の投資信託では相場が一方的に動いた場合のみしか利益を出せませんが、ヘッジファンドでは価格が上昇しても下落しても利益は発生します。
また、投資の専門家は以下のような複雑な取引手法を駆使して利益を追求するため、リスクを最小限に抑えてかつハイリターンを提供する点も特徴です。
- デリバティブ取引
- レバレッジ
- 空売り
- ロングショート戦略
- マーケットニュートラル戦略
- グローバルマクロ戦略
とはいえ、ヘッジファンド自体が破綻すると元本割れが発生しやすい点や、現金化に時間がかかる点に注意しましょう。
融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングとは、お金を借りたい企業とお金を貸したい投資家とを結びつけるサービスです。
融資型クラウドファンディングの運営会社は投資家から集めた資金でファンドを形成し、ファンドを用いて企業は自社のプロジェクトを運用します。
また、運用結果が良ければ投資家は定期的に配当を受け取れ、運用終了後、元本は利息と共に返還されます。
基本的に融資型クラウドファンディングには元本割れリスクがあり、運用結果が悪かったり企業が倒産したりすると貸し倒れが生じることがあるでしょう。
しかし、不動産担保や保証付きのファンドに投資すれば、担保を回収したり保証会社に返済を請求できたりするため安心です。
ただし、人気のファンドは申込が集中することがあり、募集が早々に打ち切られることもある点に注意してください。
融資型クラウドファンディングならLENDEX
融資型クラウドファンディングのサービスの中でも、利回りの高さやリスクの低さにこだわる方にはLENDEXがおすすめです。
LENDEXとは、2018年に始まった融資型クラウドファンディングのサービスです。
平均利回りは7.09%と融資型クラウドファンディング業界の中では高水準で、新興国株式に投資するよりも高い収益率が期待できます。
また、サービス開始以来元本割れや配当遅延は0件を維持しており、新興国株式投資にある価格変動や政治経済などのリスクはそもそも発生しません。
その他、LENDEXには以下のような特徴もあります。
- 累計運用総額は400億円を超えており、多くの投資家から需要がある
- 出金手数料や口座開設費用などは無料
- 不動産担保・保証人付きのファンドが多めで、貸し倒れリスクを可能な限り軽減できる
興味がある方は、まず口座開設から始めてみましょう。
新興国株式をおすすめしないことに関してよくある質問や疑問
新興国株式をおすすめしないことについてよくある質問や疑問をQ&A形式でお答えします。
新興国株式に関心のある方は、ぜひチェックしてみてください。
新興国とはどういう意味ですか?
新興国に明確な定義はありませんが、現在の経済水準は低い分、相対的に高い経済成長が期待できる国の総称を指します。
また、新興国に属する企業が発行する株式が新興国株式で、企業の経営や財政状況などに問題なければ、株価高騰による高い売却益も見込めます。
新興国株式はどの国に投資するのでしょうか?
新興国株式の場合、以下のような新興国に投資します。
- 中国
- 韓国
- 台湾
- ブラジル
- コロンビア
- エジプト
- インドネシア
- メキシコ
新興国は南アメリカやアジアなど世界中に存在しており、複数の国の株式を保有することでリスク分散が期待できます。
新興国株式のデメリットは?
新興国株式の投資におけるデメリットは、以下の通りです。
- 米国株よりも収益性は低い傾向にある
- 政治リスクや経済リスクなどによって株価が暴落する恐れがある
- 購入時手数料や信託財産留保額など多くの手数料が発生する
利回りの高さやリスクの少なさ、費用の節約などを重視する場合は、投資先に新興国株式を選ばない方が無難です。
NISAで新興国に投資する割合は?
ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん曰く、新NISAを活用してインデックスファンドを運用する場合の理想的なポートフォリオは、以下の表の通りです。
株式の種類 | 割合 |
---|---|
全世界 | 30% |
米国 | 35% |
先進国 | 17.5% |
新興国 | 17.5% |
比率は人によって異なりますが、インデックスファンドでは1銘柄の新興国株式に集中投資するのではなく、値動きの異なるさまざまな種類の株式に資産を分散させるのが最適です。
新興国株式は手数料の高さや流動性の低さなどからおすすめしないといわれている
高い手数料や流動性の低さなどが理由で、新興国株式はおすすめしないといわれています。
そのため、コスト削減や売買のしやすさなどにこだわる方は、株式投資信託や融資型クラウドファンディングなど別の投資先を探した方が良いでしょう。
しかし、新興国株式には成長性の高さが期待でき、株価が安いうちに保有すれば将来高いキャピタルゲインを得られる可能性があります。
この記事を読んで新興国株式に興味を持った方は、実際に株式を売買して収益を出してみてください。
なお、新興国株式よりも稼げてリスクが少ない投資先を探している場合は、「平均利回り7.09%」「元本割れ0件」の融資型クラウドファンディング・LENDEXがおすすめです。