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REITとは?REITの種類や特徴、おすすめの選び方を紹介します!

目次

REITとは?基本の仕組みを解説

REITの定義(不動産投資信託とは?)

REIT(Real Estate Investment Trust)とは、投資家から集めた資金を不動産に投資し、その賃料収入や売却益から得られる利益を分配金として投資家に還元する仕組みの金融商品です。

日本語では「不動産投資信託」と呼ばれ、投資信託の一種に分類されます。

投資家は直接不動産を所有するのではなく、証券会社を通じて投資口(株式のようなイメージ)を購入します。REITは証券取引所に上場しているため、株式と同様に日々の市場価格が変動し、売買が可能です。

REITの仕組み(投資家・運用会社・物件管理会社の関係)

REITの運用には主に「投資家」「運用会社」「物件管理会社」の3つの主体が関わります。

投資家は、REITの投資口を購入し、運用益からの分配金を受け取ります。運用会社(または資産運用会社)は、投資家から集めた資金をもとに不動産を取得・管理し、賃料収入や売却益を最大化するよう運用を行います。一方、物件管理会社は、具体的な物件管理やテナント募集などの日常管理業務を担当します。

投資家は不動産運営の手間を負うことなく、プロの運用会社による効率的な運用が期待できる点がREITの大きなメリットといえます。

REITの特徴(少額から投資可能・分配金が得られる)

REITは、個人投資家が数万円程度から投資を始められるため、直接不動産を購入する場合に比べてはるかに少ない資金で不動産投資を実現できます。

また、REITは法律上、利益の大半(J-REITの場合は税引前利益の90%以上)を分配することが義務付けられています。そのため、安定的な分配金収益が期待できることも大きな特徴です。さらに証券取引所に上場しているため、必要に応じて売買しやすい点も魅力となっています。

REITの種類と特徴

J-REIT(日本のREIT)の概要

J-REIT(Japanese REIT)は、2001年に初めて東京証券取引所に上場されました。それ以降、不動産市場の成長を背景に銘柄数が拡大し、多様なセクターへの投資を行うREITが登場しています。

J-REITの特徴としては、日本国内の不動産を中心に投資する点や、多くの銘柄がオフィスビルや商業施設、住宅・マンションに投資している点などが挙げられます。また、投資家保護のために厳格な規制が定められており、投資対象や分配金のルールが明確になっていることも安心材料といえるでしょう。

海外REITの特徴(米国REIT、シンガポールREITなど)

海外REITは、米国やシンガポール、オーストラリアなどの不動産市場に投資する商品です。米国REITは世界最大規模の市場規模を誇り、さまざまなセクターに投資できるメリットがあります。シンガポールREIT(S-REIT)はアジアを中心に成長が期待される分野であり、東南アジアなど新興国の不動産にもアクセスしやすい点が特徴です。

ただし、海外REITには為替リスクが伴うため、投資時には為替ヘッジの有無なども検討する必要があります。さらに国や地域ごとの経済状況や政治リスクなど、日本国内とは異なる要素も考慮することが重要です。

REITの投資対象(オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテルなど)

REITは多種多様な不動産に投資しており、一般的にはオフィスビルや商業施設、住宅・マンションのほか、物流施設やホテル、ヘルスケア関連施設なども投資対象となります。

オフィス特化型REITは景気動向に左右されやすく、空室率の変動や賃料水準が収益に大きな影響を与えます。商業施設特化型REITは消費マインドの影響を受けやすく、特定のテナント依存度が高い場合はリスクが上昇する可能性があります。一方、物流施設はEC市場の拡大により需要増が期待され、ホテル特化型はインバウンド需要や観光需要に影響されやすいなど、それぞれのセクターごとに特徴やリスクが異なります。

REIT投資のメリット

少額から不動産投資が可能

直接不動産を購入する場合、数千万円単位の初期費用や銀行融資の手続きが必要になります。一方、REITであれば数万円から投資を始められる銘柄も多く、資金的なハードルが大幅に下がります。

「不動産投資に興味はあるけれど大きな借り入れを背負うのは不安」という方にとって、REITは手軽に始められる選択肢として魅力的です。

流動性が高い(株式市場で売買可能)

REITは証券取引所に上場しているため、株式同様に日々の取引時間中に売買が可能です。直接不動産のように現金化まで時間がかからないため、急な資金ニーズに応じて売却しやすい点が大きなメリットとなります。

不動産を実際に売却する場合、買い手との交渉や契約手続きなど、数カ月以上かかることは珍しくありません。これに対してREITは、「必要な時にすぐに売却できる」という流動性の高さが特徴です。

分散投資によるリスク軽減

REITは複数の不動産物件に投資しているため、個別物件への依存度が比較的低く、リスクが分散されやすいというメリットがあります。

また、自分で複数の物件を購入する場合、資金的にも手間の面でも大きな負担がかかりますが、REITであれば運用会社が投資対象を分散してくれるため、少額投資でもリスク低減が図れます。

安定した分配金収益

J-REITの場合、税引前利益の90%以上を分配することが義務付けられているため、収益が安定している銘柄を選べば定期的な分配金を得やすい点が魅力です。

分配金利回りは銘柄や市場環境によって異なりますが、数%程度の利回りを確保できるケースも多く、定期預金や国債よりも高めの収益が期待できる場合があります。

REIT投資のリスクと注意点

価格変動リスク(株式市場の影響を受ける)

REITは不動産の実態価値だけでなく、証券市場の需給や投資家心理などによって価格が変動します。株式市場が下落トレンドになると、REITの市場価格も連動して下がる可能性があり、投資タイミングや保有期間によっては損失が発生するリスクがある点に注意が必要です。

金利上昇リスク(借入コスト増加による分配金減少)

REITの運用会社は、多くの場合、物件取得の資金を銀行借り入れや社債で調達しています。金利が上昇すると借入コストが増加し、分配原資が圧迫されることで、分配金の減少につながる可能性があります。

特に長期保有を考える場合は、金利動向や借り換えタイミングの影響を注意深く見守る必要があります。

不動産市場の変動リスク

REITが投資する不動産そのものの価値や賃料水準は、景気動向や需給バランス、立地環境などさまざまな要因で変動します。

例えばオフィスビルの場合、テナント企業の倒産や移転が相次げば空室が増え、賃料収入が減少します。商業施設であれば、消費動向や競合施設の登場によってテナント収入が減少する可能性があります。こうした不動産市況の変動リスクは、REIT投資において避けられないものの一つです。

運用会社の経営リスク

REITの資産運用は、運用会社のノウハウや経営判断に左右されます。運用会社が不適切な投資判断を行った場合、収益悪化につながることもあり得ます。

運用会社の実績や母体企業の信頼性は、REIT投資先を選ぶうえで重要なポイントとなります。また、物件管理会社の運営体制や管理クオリティも収益に直結するため、経営リスクのチェックは欠かせません。


REITの選び方と投資戦略

利回り・分配金のチェックポイント

REITを選ぶ際、まず注目すべきは分配金利回りとその安定性です。過去の分配金推移や、分配性向(税引前利益に対する分配金の割合)を確認することで、どの程度安定した配当が期待できるかを把握できます。

ただし、利回りが高いからといって必ずしも優良銘柄とは限りません。一時的に物件売却益が含まれている可能性や、将来の分配金が大幅に減少するリスクも考慮しましょう。

投資対象物件の種類と将来性

REITによって投資対象となる不動産の種類は異なります。オフィス特化型、商業施設特化型、住宅特化型、あるいは複数セクターに分散投資している総合型など、戦略がさまざまです。
投資対象の将来性を考えるうえでは、景気や消費動向のほか、テレワークやEC市場の拡大などの社会的トレンドも重要になります。今後の市場需要の拡大が見込まれるセクターに投資するREITを選ぶことで、長期的な成長を期待できます。

経費率(運用コスト)の確認

REITの運用には、運用報酬や物件管理費などのコストがかかります。これらの経費率が高いと、投資家への分配金が減少する原因となるため、経費率(エクスペンスレシオ)の確認は重要です。

運用会社や物件管理会社の手数料体系は、銘柄ごとに異なります。投資前に有価証券報告書や運用報告書などでチェックしておきましょう。

分散投資の重要性(ポートフォリオの組み方)

REITを含む資産運用全般において、分散投資はリスクを低減する有効な手法です。REITの中でも複数セクターや地域に分散する、もしくはREITと株式・債券など他の資産クラスを組み合わせることで、ポートフォリオ全体のボラティリティを抑えることができます。

単一の銘柄やセクターに集中投資すると、万が一市場環境が悪化したときに大きなダメージを受けるリスクが高まります。資金規模や目的に応じて、複数のREITや他の金融商品とのバランスを考えることが大切です。

REITと他の投資商品との比較

REIT vs. 直接不動産投資(違いとメリット・デメリット)

直接不動産投資は物件を実際に購入して運用するため、家賃収入や物件価値の上昇をダイレクトに享受できます。一方で、初期投資額が大きく、管理・修繕などの手間や流動性の低さがデメリットです。

REITは初期費用が少なく、物件管理の手間がかからず、流動性も高い点がメリットです。しかし、市場の変動を受けやすく、物件の選定や管理に直接関与できない分、運用会社に依存するリスクがあります。

REIT vs. 株式投資

株式投資は企業の成長や配当を狙う投資手法ですが、一般的にボラティリティ(価格変動の幅)が大きく、リスクも高めと言われます。一方、REITは配当利回りが比較的安定しているケースが多く、不動産という実物資産の裏付けがある点が安心材料となり得ます。

ただし、市場全体が下落した場合はREITも影響を受ける点や、金利動向への感応度が株式とは異なる点を考慮に入れる必要があります。

REIT vs. 債券・定期預金

債券や定期預金は元本の安全性が高く、安定的に利息を得られる一方で、利回りは低めに設定されることが多いのが特徴です。

REITは不動産投資に伴うリスク(価格変動や金利上昇リスクなど)がある一方で、比較的高い分配金利回りを期待できる点が魅力です。リスク許容度に応じて、資産の一部をREITに配分することでポートフォリオ全体のパフォーマンス向上を目指すことができます。

REITの購入方法

証券会社での購入方法(ETF型REITとの違い)

REITは株式と同様に、証券取引所を通じて購入できます。証券会社の口座を開設し、「J-REIT」や「海外REIT」に上場している銘柄を希望価格または成行で注文するだけです。

ETF型REITは、複数のREITを組み合わせたETF(上場投資信託)として上場しており、これも同様に証券会社の口座で取引可能です。ETF型REITの場合、一度の投資で複数のREITに分散投資ができるメリットがありますが、運用会社の信託報酬も加味して選ぶ必要があります。

投資信託経由でのREIT投資

証券会社や銀行などで販売されている「REITファンド」も、REITに投資する一つの方法です。国内外のREITを複数組み合わせたファンドが多く、個別銘柄の選択やリバランスの手間がかからないという利点があります。

ただし、投資信託には販売手数料や信託報酬などのコストがかかります。経費率の高いファンドは分配金や運用益を目減りさせる要因となるため、コスト構造や運用実績をしっかり比較検討しましょう。

NISA・iDeCoでのREIT投資は可能か?

NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)では、上場株式や投資信託と同様にREITやREITファンドへの投資が可能です。ただし、証券会社や運用商品によって取り扱い銘柄が異なるため、自分が投資したいREITが対象かどうかを確認する必要があります。

非課税や税制優遇を活用することで、分配金や売却益を効率的に受け取ることができるのは大きなメリットです。

まとめ

REIT(不動産投資信託)は、少額から不動産投資ができるうえ、分配金が安定的に得られる可能性がある魅力的な投資商品です。J-REITと海外REITでは投資対象や為替リスクなどに違いがあり、それぞれの特徴を把握したうえで自分の投資目的やリスク許容度に合った商品選びをすることが重要です。

一方で、REITは株式市場や金利、不動産市況の変動など、さまざまなリスク要因を抱えています。運用会社や物件管理会社の経営リスク、セクター特有のリスクも見逃せません。

投資判断をする際は、分配金利回りや投資対象物件、経費率などをしっかりと確認し、分散投資の観点からポートフォリオ全体でバランスを取ることが大切です。最新の市場動向や金利政策などの情報収集を怠らず、長期的な視野を持って投資に取り組むことで、REITのメリットを最大限活かすことができるでしょう。

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