将来に備えるうえで資産運用は欠かせないものの一つですが、いざ興味を持っても、どのようにスタートすればよいのか分からないという方は少なくありません。
預貯金だけを行っていても、超低金利の時代においてはお金はなかなか増えず、将来のインフレに対しても備えが十分とは言えない状況です。
そこで注目されているのが株式投資や投資信託、不動産投資などといった資産運用です。
本記事では初心者向けに、資産運用とは何かという基本から、実際にどのように始めればよいか、さらにはおすすめの活用方法や注意点について、分かりやすく詳しく解説していきます。
初めての投資は怖いと感じる方もいるかもしれませんが、正しい知識を身につけておけば、リスクを抑えながらお金を増やすことは可能です。まずは自分の目的やスタンスをはっきりさせ、長期的な視点と計画を持って取り組んでみましょう。
資産運用とは?初心者向けに基本を解説
初心者におすすめの資産運用の考え方|お金を増やすための基本
資産運用とは、銀行口座にただ預けるだけではない形でお金を活用し、リスクとリターンを管理しながら利益を狙っていく行為を指します。最初の一歩として重要なのは、投資はあくまで余剰資金で行い、元本割れが起こっても生活に支障をきたさない程度の範囲で取り組むということです。
さらに、短期で大きなリターンを狙うよりも、長期的に複利効果を活かしてお金を増やす意識を持つのがおすすめです。なぜなら、相場の上下動に翻弄されず、複利によって雪だるま式に資産が増えていく可能性が、長期投資の最大の魅力だからです。
また、初心者のうちは情報量と知識が限られているため、分散投資を意識することも忘れないようにしましょう。一つの銘柄や資産クラスに集中するのではなく、複数の投資対象を組み合わせることで、リスクを下げつつ着実に利益を狙えます。
貯蓄との違い|資産運用はなぜ必要なのか?
資産運用という言葉にまだ慣れていない方は、貯蓄と何が違うのか疑問に思うかもしれません。
まず、銀行預金などにお金を置いておくという貯蓄は、元本割れのリスクが非常に小さいという大きな特徴があります。しかしながら、日本は低金利時代が長く続いており、預金だけではお金はほとんど増えません。
これに対して資産運用は、少なからず元本割れのリスクを負う代わりに、市場の成長や企業の業績拡大などを取り込みながらお金を増やすチャンスがあります。たとえば株式投資では、企業の利益や配当によってリターンを得られますし、投資信託ではプロの運用チームが投資先を選定してくれるので、自分一人で銘柄を分析する必要がない場合もあります。
このように貯蓄と資産運用は役割が異なり、どちらか一方ではなく、二つの特性を理解しながら組み合わせて使うのが理想と言えるでしょう。
初心者が知っておきたい資産運用の基本ルール
初めて資産運用を行う際に押さえておきたい基本ルールはいくつかあります。
まず、投資は生活資金を確保したうえで、あくまで余裕資金を用いて行うという点が最重要です。投資で資金を増やそうとしても、もし生活費を投じてしまい、急な出費が必要なときに商品が値下がりしていて売却を余儀なくされると、大きな損失を確定してしまう可能性があります。
次に、長期運用を基本とし、短期の相場変動に一喜一憂しない姿勢を保ち続けることが重要です。株式や投資信託の価格は日々上下しますが、長期的には株式市場全体が成長傾向にあるケースが多く、短期的な下落で売ってしまうと複利効果を得られずに終わってしまいます。
さらに、分散投資を意識することも忘れてはなりません。投資先を一つだけに集中させると、その銘柄や地域が不調になったとき大きな痛手を被りますが、株式や債券、不動産投資信託などを組み合わせるとリスクが分散されます。加えて、税制優遇のあるNISAやiDeCoを活用するのも初心者にとって賢い方法です。
これらの制度を上手く使えば、運用益に対する税金が軽減されるため、資産を効率的に増やせます。まとめると、資産運用の基本ルールは余裕資金による長期的かつ分散的な投資であり、税制優遇を活用することでリターンを高め、リスクを抑えられるということになります。
初心者におすすめの資産運用の5つのポイント
①少額の積立投資から始める
投資というと大きな資金が必要と思い込む方もいますが、少額からでも十分に始められます。
特に投資信託であれば毎月数千円単位から買える商品が多く、ロボアドバイザーなどでも1万円程度の少額投資が可能な場合があります。
少額から始めれば、もし投資商品が下落してしまっても痛手が比較的小さく、投資経験を積みながら学ぶ余地があります。積立投資の形式を取ると、毎月あるいは一定の期間ごとに定額を投じることができ、価格が高いときには少ない口数を、価格が低いときには多くの口数を買うドルコスト平均法を自然と実践できます。
これにより、買付価格が平均化されるため、大きな値動きがあってもリスクが平準化されやすくなります。
初心者のうちは相場変動を見極めるのは難しいものですが、こうした積立投資を続けることで、日々の相場に左右されずに安定的な資産形成を行える可能性が高まるでしょう。
②長期運用を前提にして短期間でやめない
資産運用を成功させるうえでもっとも大切と言っても過言ではないのが、長期運用の視点です。
株式市場は短期的には予想のつかない変動が起こることが多いですが、経済全体の成長とともに長期間の保有をすれば、複利効果も手伝って資産が大きく育つ可能性があります。
例えば、世界的に優れた企業の株式や、各国の株式を幅広くカバーするインデックスファンドに投資すれば、短期的な暴落が起きても長期で見れば持ち直したりさらに上昇したりすることが珍しくありません。
逆に短期間で利益を確定しようとしてしまうと、相場の上下動によるタイミングのズレで損をすることもありますし、保有している期間が短いぶん複利効果も限定的になってしまいます。
長期投資のメリットは、時間の力を借りてリスクを分散できる点にもあります。短期的な情報に振り回されず、経済の大きな流れや世界の人口増加、技術革新などの長期的な成長要素を取り込むことで、最終的にリターンを高めることが期待できるでしょう。
③分散投資を意識する
初心者が投資で大きな失敗をしないためには、分散投資が欠かせない戦略となります。
株式投資の中でも、特定の企業にまとめて資金を注ぎ込むと、その企業の業績不振やスキャンダルなどがあった場合に一気に資産が減ってしまうリスクが非常に高まります。
しかし株式だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)、海外のETFや投資信託といった複数の資産クラスに分散して資金を振り分ければ、一部が下落しても他の部分で損失を緩和できる可能性が出てきます。たとえば国内株式が不調でも、海外株式が堅調であれば全体ではプラスを維持できるケースもあります。
また、分散投資は地域だけでなく、タイミングの分散も含めて考えると効果が高まります。すなわち、一度にまとめて投資するのではなく、積立投資を通じて時間的にも分散すれば、相場の高いときにも安いときにも少しずつ投資できるため、平均的な買付価格を実現しやすくなるのです。
④生活資金に手をつけない
資産運用においては、常にリスクと向き合う必要があります。どんなに優良とされる投資商品であっても、元本割れの可能性がゼロではありません。
そのため、生活費や緊急時の資金に手をつけてしまうと、いざというときに大きな問題となります。
もし投資商品が値下がりしているときに緊急資金が必要になれば、値下がり中に売却せざるを得ず、損失を確定させてしまいます。こういった状況に陥らないためにも、毎月の家計や予測可能な支出をまず確保し、さらに数カ月分の生活費や突然の出費に対応できる金額を持った状態で投資を始めるのが理想と言えます。
したがって、資産運用をスタートする際には、今の収入と支出、貯蓄額を再度見直し、どこまでが投資に回せる余裕資金なのかを明確にしておくことが重要です。こうした準備をしておくことで、相場の上下に対しても落ち着いて対処しやすくなり、長期投資を継続するうえでのメンタル面の安定も得られます。
⑤NISA・iDeCoを活用して税制優遇を受ける
日本には投資による資産形成を促進するための税制優遇制度として、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。
NISAには一般NISAとつみたてNISAの二種類があり、投資で得られた運用益や配当金が一定額まで非課税となります。特に初心者向けとして近年注目されているのがつみたてNISAで、年間40万円までの投資に対して最長20年間の非課税枠が設けられており、投資信託などの長期投資に適した商品が対象となります。
もう一つのiDeCoは、老後資金を自分自身で用意するための制度で、掛金が全額所得控除になることから高い節税効果が期待できます。さらに運用中の利益も非課税で積み上げられるため、長期投資を意識するのであれば検討する価値が大いにあります。ただしiDeCoは原則として60歳まで引き出しができない制約があるため、ライフイベントや資金繰りを考慮して導入を決める必要があります。
いずれにしても、税制優遇を受けられると運用のトータルリターンが高まりやすいため、初心者が効率よく資産を増やしたい場合は、ぜひ積極的に活用してみてください。
資産運用を始めるための具体的なステップ
証券口座を開設する|初心者向けの選び方と手順
資産運用を本格的に始める際には、まず証券会社やネット証券で口座を開設するのが定番です。
インターネットが普及した現代では、オンラインで数日以内に手続きを完了できるケースが多く、本人確認書類やマイナンバーを提出すれば手軽に取引を始められます。
初心者が証券会社を選ぶときには、手数料の安さや取扱商品の幅、サイトやアプリの使いやすさ、サポート体制などを比較検討するとよいでしょう。
ネット専業の大手としてはSBI証券や楽天証券、マネックス証券などが知られており、口座管理料が無料だったり、投資信託の買付手数料が無料のラインナップが多かったりと、初心者にとって魅力的な特徴があります。
口座開設後は実際に入金を行い、株式や投資信託の買い付けをするための準備を整えます。
投資資金の決め方|無理なく続けられる金額を考える
口座を開設したら、次に考えるべきは具体的にどのくらいの金額を投資に回すかという点です。
ここでは生活費や貯蓄を最優先し、余裕資金で投資することが大前提となります。月々どのくらいの金額なら無理なく積立できるのか、あるいはボーナスの一部を投資に回すのかなど、自分の収入と支出を把握したうえで予算を組むことが大切です。
たとえば月1万円程度からでも投資信託の積立は十分可能ですし、株式投資をする場合でもミニ株や単元未満株サービスを利用すれば少額から購入できることがあります。
もし途中で相場の変動に不安を感じたとしても、あらかじめ決めた投資金額の範囲内であれば、メンタル面の負担も軽減されるでしょう。
投資商品を選ぶ|初心者向けのおすすめ銘柄
実際に何を買うかを決める段階では、投資商品が非常に多いことに戸惑うかもしれません。
初心者が最初に検討しやすいのは、インデックスファンドやバランスファンドといった投資信託です。
インデックスファンドは市場全体の動きに連動するように設計されており、特定の企業やセクターにこだわらず幅広く分散投資が行われる場合が多いです。例えば、S&P500や全世界株式に連動する投資信託を1本持つだけで、世界中の株式市場の成長を取り込むことができ、リスク分散効果も高まります。
一方でバランスファンドは株式だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)などを組み合わせたポートフォリオを運用会社が自動的に管理してくれる商品です。
これを一本持つだけで自動的に資産が分散され、運用方針に応じたリスクコントロールがなされるため、リバランスの手間がかからないメリットがあります。
ただし、一部のバランスファンドは信託報酬がやや高めに設定されていることもあるので、費用面には注意が必要です。
手数料を抑えたい場合は、低コストのインデックスファンドやETFを中心に選ぶとよいでしょう。
資産運用で失敗しないためのポイント
長期運用を前提にして短期間でやめない
資産運用で失敗する典型的なパターンとして、相場の下落に耐えられず短期間で売却してしまうというケースが挙げられます。
投資した銘柄や投資信託が一時的に大きく値下がりし、損失を抱えてしまうと、不安からすぐに手放そうという心理が働きがちです。
しかし、長期投資という視点で見れば、一時的な下落はいわば「バーゲンセール」でもあり、買い増しの好機と言える可能性があります。逆に短期で結果を求めると、乱高下する価格に振り回され、結局損失を確定してしまったり、底値で売ってしまったりという失敗になりかねません。
初心者ほど、長期的に保有できるメンタルと資金計画を整えておくことで、下落に怯えず積立投資や保有を続けられます。
リスク分散を意識して資産を守る
資産運用を長期的に成功させるには、リスクをコントロールする意識が欠かせません。具体的には、投資対象を偏らせずさまざまな資産や地域に分散し、一つの銘柄や分野が不調でも全体のダメージを抑えることが重要です。
例えば、日本株だけに集中していた場合、日本経済が長期停滞したり為替が大幅に円高になったりすると、大きく資産が落ち込む恐れがありますが、海外株式や債券、不動産投資信託などを併用していれば、ある程度のクッションになるかもしれません。
さらに時間分散という観点も忘れてはいけません。投資のタイミングを一度に集中してしまうと、相場が高いときに買い付けることになり、急落があった際に大きく元本を損ねるリスクが高まります。そこで毎月や毎週、一定の金額を投資する積立投資を取り入れれば、買値が平均化され、値動きの影響が緩やかになります。
こうした考え方を実践することで資産を長期間で安定成長させる下地が整い、初心者でも大崩れせずに済む確率が上がるのです。
投資初心者に最適な「LENDEXの融資型クラウドファンディング」
資産運用の手法として株式や投資信託などが一般的ですが、近年脚光を浴びているのが融資型クラウドファンディングです。そのなかでも「LENDEX」は、不動産担保ローンへの投資を行うプラットフォームとして知られています。
LENDEXは、1万円から投資できる融資型クラウドファンディングで、少額から始められる点が初心者に最適です。運用の手間がかからず、想定利回りは5%~10%と比較的高いため、銀行預金よりも高いリターンを期待できます。
分散投資の一環として、株式や投資信託だけでなく、不動産担保ローンへ小口で資金を振り分けるやり方を検討するのはリスク低減に役立ちます。
融資型クラウドファンディングは、長期的な視点で投資しながら安定した運用を目指せる投資手法の一つです。リスクを理解し、余裕資金で無理のない投資を心がけましょう。
まとめ: 初心者はリスクを抑えながら資産運用を始めよう
ここまで、初心者が資産運用を始めるうえで押さえるべきポイントや失敗を防ぐための考え方、さらには融資型クラウドファンディングといった選択肢について詳しく解説してきました。
将来的な安定や豊かな生活を見据えるのであれば、資産運用の準備は早ければ早いほど効果が高いと考えられます。
ぜひ本記事を参考に、自分の経済状況やライフプラン、リスク許容度を振り返りながら、少しずつ投資を始めてみてください。