低金利が長く続く日本では、銀行預金だけではお金はなかなか増えません。実際、日本の家計資産の半分以上が現金・預金に偏っており、株式や投資信託などリスク資産は約2割程度に留まっています。こうした状況では資産が増えにくく、将来への備えが不足しがちです。そのため、公的機関も「貯蓄から投資へ」の流れを促進しており、初心者向けの制度整備や金融教育が進められています。
本記事では、初心者にも始めやすいお金を増やす方法ランキング5選を紹介します。いずれも専門知識がなくても実践できる方法で、長期的に資産形成を図れるものばかりです。それぞれの方法のメリット・デメリットや注意点や、やってはいけないNGな増やし方や、投資を始める前のチェックポイント、目的別の戦略を解説します。お金を増やす方法ランキングを参考に、自分に合った資産形成の第一歩を踏み出しましょう。
第1位:積立NISA|税制優遇と長期投資の王道
積立NISAの仕組みと始め方
積立NISA(つみたてニーサ)は、少額からの長期積立投資に税制優遇が受けられる制度です。指定された投資信託などに毎月コツコツ投資し、その運用益が非課税になります。
金融庁によれば2024年6月末時点でNISA口座数は約2,428万口座に達し、国民の5人に1人が口座を保有しています。これは、誰でも気軽に始められる仕組みが多くの人に受け入れられている証拠でしょう。始め方も簡単で、証券会社や銀行でNISA口座を開設し、積立額や商品を設定するだけです。非課税枠内で運用すれば、得られた利益に約20%の税金がかからないため、効率的にお金を増やせます。なお、2024年からNISA制度が恒久化され非課税投資枠も拡大し、いっそう使いやすくなりました。
向いている人・向いていない人
積立NISAは、長期的な資産形成を目指す人に最適です。毎月決まった額を無理のない範囲で投資し、時間を味方につけて増やすため、初心者やコツコツ型の方に向いています。例えば、数十年かけてじっくりと資産を育てたい若い世代や、老後資金を計画的に準備したい人におすすめです。
一方、短期間で大きなリターンを求める人や、途中で資金を引き出す可能性が高い人には不向きです。価格変動による含み損に耐えられず途中で解約してしまうと、長期運用のメリットを享受できません。また、年間の投資枠に上限があるため、一度にまとまった資金を投入したい場合にも不向きです。長期・積立・分散を基本とした積立NISAは、腰を据えて資産形成に取り組む人向けの王道プランと言えるでしょう。
第2位:高配当株投資|安定収入を狙える中長期戦略
初心者でも買いやすい高配当株の選び方
高配当株とは、株価に対する配当金の割合(配当利回り)が高めの株式のことです。一般に4%以上の利回りがあると高配当と呼ばれますが、闇雲に利回りが高い銘柄を選ぶのは危険です。初心者はまず、業績が安定しており、配当の原資となる利益が堅調な企業を選びましょう。
例えば、生活インフラ関連や金融、大手商社などは比較的高配当傾向があります。また、配当性向(利益に対する配当支払い割合)が無理のない水準(目安は50%以下)かを確認します。東証プライム市場の平均予想配当利回りは約2.5%程度なので、それを上回る利回りでも持続可能な配当か見極めが必要です。金融庁も「利回りだけを強調し、リスクに関する情報が明示されていない業者との取引は注意が必要」と警告しています。複数銘柄に分散しつつ、増配傾向の企業を選ぶと、将来的な配当収入の安定につながるでしょう。
配当金生活のリアルな収入例
株の配当だけで生活費をまかなう「配当金生活」は理想的ですが、それ相応の元本が必要です。
金融広報中央委員会の調査によれば、2023年の平均的な消費支出は月額約24.7万円です。配当だけでこの金額を賄うには、利回り4%と仮定して少なくとも約7,500万円以上の投資元本が必要になります。現実には多くの人にとってハードルが高いため、まずは「配当収入で年間○万円を得て生活の一部を補う」目標から始めると良いでしょう。配当金は不労所得として魅力的ですが、元本保証がない点は忘れずに、余裕資金で計画的に運用することが大切です。
第3位:不動産クラウドファンディング|少額から始める不動産投資
主要サービスの特徴比較
不動産クラウドファンディングは、小口資金で不動産投資ができる新しい仕組みです。近年サービス提供社数が急増し、2025年時点で100社以上が乱立する状況です。
主なスキームは2種類あり、不動産を担保に貸付を行う融資型(ソーシャルレンディング)と、不動産の賃貸収益や売却益を分配するエクイティ型があります。融資型は利回りが高め(平均利回り5~8%前後)で毎月利息が支払われる一方、エクイティ型は3~5%程度の利回りが一般的ですが不動産売却益による上振れも期待できます。サービスごとに最低投資金額や運用期間、利回りの傾向が異なるため、複数社の特徴を比較し、自分のリスク許容度に合ったプラットフォームを選びましょう。
リスクとリターンのバランスは?
少額から高利回りを狙える不動産クラファンですが、元本割れリスクはゼロではありません。案件の借り手が返済不能に陥ったり、不動産市況の悪化で物件価値が下がったりすると、投資元本が毀損する可能性があります。もっとも、多くの融資型サービスでは不動産担保や保証を設定し、万一の際も一定の回収が見込める仕組みです。
また、株式投資に比べ値動きを常にチェックする必要がなく、運用期間中は比較的安定した利息収入が期待できます。銀行預金の金利が0.002%程度と超低水準の中、年利5%前後のリターンは魅力ですが、そのぶんリスクも伴う点を忘れてはなりません。金融庁も「高い利回りである場合、商品によっては貸付先の返済遅延やデフォルトなどのリスクが高いことを十分に認識した上で判断してほしい」と注意喚起しています。投資する際は一つの案件に資金を集中させず、複数の案件・事業者に分散投資してリスクを抑えましょう。適切にリスクとリターンのバランスを取れば、比較的安定した中長期の資産運用手段となり得ます。
第4位:副業・スキル販売|時間をお金に変える自己投資型の増やし方
スキルがなくても始められる副業は?
副業は、自分の空き時間を使って収入を得るもう一つの仕事です。「特別なスキルがない…」と尻込みする必要はありません。最近はスマホやインターネットを通じて誰でも始めやすい副業が増えています。例えば、空いた時間にできるデリバリー配達や、ネット上での簡単なタスク作業(アンケートモニター、テープ起こしなど)はスキルや資格がなくても取り組めます。
また、フリマアプリで不用品を販売したり、写真やイラストを投稿して報酬を得たりする方法もあります。実際、民間調査によれば会社員で副業をしている人の割合は2023年時点で8.4%とまだ一割未満ですが、年々増加傾向にあります。政府や企業も副業解禁の流れを後押ししており、副業を容認する企業は6割を超えました。特別な才能がなくても、誰もが持っている「時間」や「経験」を切り売りする感覚で始められる副業は、お金を増やす手段として身近な選択肢になりつつあります。
月1万円稼ぐためのステップ例
「副業で月1万円」を目指す具体的なステップを考えてみましょう。例えば、在宅ワークで記事ライティングの仕事を受ける場合、1記事5,000円の案件を月に2本こなせば1万円になります。最初の一歩としてクラウドソーシングサイトに登録し、自分にできそうな案件に提案してみましょう。
未経験でも取り組みやすい簡単なタスクから始め、実績と信頼を積み重ねることが大切です。あるいは、週末に飲食店の短時間アルバイトをすれば、時給1,000円×週3時間×4週で約1万2千円になり、無理のない範囲で達成できます。副業収入を増やすコツは、スキマ時間の有効活用と継続です。平日の通勤時間や夜の1時間を副業に充てるなど習慣化すれば、月1万円は十分狙えます。まずは達成可能な小さな目標を設定し、軌道に乗れば徐々に目標額を引き上げていきましょう。収入が増えた分は生活費に回すだけでなく、一部を投資や貯蓄に回せばさらにお金を増やす好循環が生まれます。
第5位:ポイント投資・ポイ活|生活支出を投資に変える習慣
楽天ポイント・PayPayポイントの活用術
ポイ活とは、日常生活で貯まるポイントをお得に活用する活動のことです。代表的なものに楽天ポイントやPayPayポイントがあります。これらのポイントは買い物で使えるだけでなく、ポイント投資に回して資産運用することも可能です。例えば楽天証券では、貯まった楽天ポイントを使って投資信託や株式を購入できます。実際、ポイント投資サービスの中で楽天証券とPayPay証券、SBI証券が利用者数トップ3となっています。普段のクレジットカード決済やネット通販でコツコツ貯めたポイントを運用に回せば、現金を使わずに投資デビューできるのがメリットです。
また、PayPayポイントはPayPay証券で米国株の購入にも使え、TポイントはSBI証券での投資信託積立に充当可能など、各社で多彩な活用術があります。ポイントは現金より心理的ハードルが低いため、「損してもともと」の気持ちで始めやすいでしょう。ただし、ポイントにも有効期限があるので計画的に使うこと、投資に回したポイントも価値のある資産である点を忘れず、真剣に運用先を選ぶことが大切です。
「チリツモ投資」で年間いくら得する?
「塵も積もれば山となる」を地で行くのがポイント投資の魅力です。少額でも積み上げれば意外なリターンになります。ある調査では、ポイ活をしている人の約4割が年間1万円以上のポイントを貯めているとの結果が出ました。内訳を見ると「年間1~5万円未満」が28.0%と最も多く、「5~10万円未満」が7.6%、「10万円以上」貯めた猛者も4.3%いました。
例えば年間5万円分のポイントを投資に回し年利5%で運用できれば、利息だけで2,500円が得られます。塵積(ちりつも)的な金額と思うかもしれませんが、何も運用せずに消費していたら得られなかった利益です。さらに、その運用益も再投資することで複利効果が働き、5年10年後には大きな差となります。ポイント投資は日々の節約と資産運用を両立できるため、初心者が資産形成を習慣化する第一歩としても有効です。まずは無理のない範囲でポイントを貯め、ぜひその一部を「チリツモ投資」にチャレンジしてみましょう。
やってはいけない「お金の増やし方」ワースト3
短期で大金を狙うギャンブル投資の罠
「楽して一気に儲けたい」と短期勝負に走るのは、お金を増やす上で最も陥りがちな罠です。例えば、FXのハイレバレッジ取引で一発逆転を狙ったり、新興株や仮想通貨に短期資金を集中投入したりするケースです。確かに上手く当たれば短期間で大金を得る可能性がありますが、裏を返せば大損失のリスクと隣り合わせです。
初心者ほど相場変動に翻弄されがちで、一度の判断ミスで資金が溶けてしまうことも珍しくありません。金融庁もレバレッジ型ETFなどについて「投資経験が浅い人が安易に飛びつかないよう、仕組みやリスクを十分理解すべき」と注意を促しています。また、ギャンブルに近い高リスク商品は中毒性があり、損失を取り返そうとさらに無謀な取引を重ねてしまう悪循環に陥りがちです。宝くじや競馬などの公営ギャンブルも期待値は低く、資産形成の手段にはなり得ません。短期的な値動きで儲けようとするより、長期的な視点で着実に増やす王道戦略に立ち戻ることが、結果的に近道となるでしょう。
情報弱者を狙う詐欺の手口
「必ず儲かる話がある」「今だけ限定の高配当案件」といった甘い誘いには十分警戒が必要です。世の中には、金融知識の乏しい人(いわゆる情報弱者)を狙った悪質な投資詐欺が後を絶ちません。特に近年はSNS上で、有名人になりすました人物から投資勧誘されるケースが急増しています。2024年には、SNS経由の投資詐欺被害額が前年比3倍超の871億円にものぼり、過去最悪を更新しました。
典型的な手口としては、「元本保証で月利○%」「○○さんもやっている」などと謳い、多額の出資を募るものです。しかし、その多くはポンジ・スキーム(出資金を配当に見せかけて新規集金を繰り返す自転車操業)であり、最後は配当が止まり元本も回収不能になります。対策として、少しでも疑わしい話は契約せず持ち帰って誰かに相談する、一人で判断しない、そして金融庁登録業者かどうかを公式サイトで確認することが重要です。うまい話ほど裏があります。「絶対儲かる」は絶対に疑い、誘われても応じないのが身を守るコツです。
投資初心者が失敗しないための心構えとチェックリスト
始める前に確認すべき3つのこと
資産運用をスタートする前に、以下の3点を必ず確認しましょう。
- 生活防衛資金の確保:突然の出費や収入減少に備え、少なくとも生活費3~6ヶ月分の貯蓄は残しておきます。住宅ローンやカードローンなど高金利の借金がある場合は、投資より先に返済を優先しましょう。余裕資金で運用することが鉄則です。
- 目標と時間軸の明確化:何のために、いつまでに増やしたいのか目標を設定します。例えば「○年後の教育資金に○万円」「老後までに○万円の資産形成」など具体的に描くことで、リスク許容度や運用商品選びの指針になります。
- 商品と業者の信頼性チェック:投資しようとしている金融商品やサービス提供者が信頼できるか確認します。必ず金融庁に登録のある正規業者かどうかを公式サイトで調べ、仕組みや手数料体系も理解してから契約しましょう。「よく分からないものには手を出さない」が初心者の基本です。
以上をクリアしたら、いよいよ第一歩を踏み出しましょう。小さく始めて経験を積み、慣れてきたら計画を見直してステップアップするぐらいが安全です。
リスク許容度の見極め方
投資では、自分がどれだけのリスクに耐えられるか=リスク許容度を把握することが大切です。リスク許容度は人それぞれ異なり、年齢・収入・性格などで変わります。見極める簡単な方法の一つは、「もし保有資産が一時的に〇%目減りしても我慢できるか」を考えることです。例えば、20%の評価損が出ても冷静でいられるか、自問してみましょう。
仮に「5%でも損は耐えられない…」という場合は、預金や債券中心の超保守型に留め、逆に「50%下がっても将来に期待して持ち続けられる」という人は株式比率を高めても良いでしょう。国内の主要証券会社や銀行協会では、10問程度のリスク許容度診断テストを無料提供しています。これらを活用すれば、自分の投資家タイプ(安定型・積極型など)が客観的に分かります。ただし、テスト結果はあくまで目安です。実際に運用すると予想以上に不安を感じることもあります。
大事なのは、不眠になるほどの額は投資しないことと、資産配分を定期的に見直すことです。自分の許容範囲内でリスクと付き合えば、長期運用でもブレずに続けられるでしょう。
目的別で選ぶ!自分に合ったお金の増やし方とは?
老後資金・教育費・旅行資金などの目標別戦略
老後資金
期間が長いので積立NISAやiDeCoで長期運用し複利を生かす。金融庁報告書で老後30年に約2,000万円不足とされたように、若いうちから少額でも積み立てれば資産形成の助けになります。
教育資金
お子さんが大学に進むまでの学費準備は期限が決まっているため、安全資産と積立投資を組み合わせて計画的に用意しましょう。全公立でも約1,000万円、私立なら2~3倍かかるので、必要額を試算して逆算で積み立てることが大切です。
旅行資金・マイホーム頭金
1~3年で使う予定のお金は、値下がりリスクのある投資を避け、預金や短期債券など確実な方法で貯めます。副業収入を充てるなど増収策も有効ですが、この期間は「増やす」より「減らさない」を優先しましょう。
まとめ|まずは1つだけ、始めてみよう!
いかがでしたか?お金を増やす方法にもさまざまな選択肢があり、それぞれに特色があります。本記事では「お金を増やす方法ランキング5選」として、積立NISA、高配当株、不動産クラファン、副業、ポイント投資を取り上げました。どれも一長一短ですが、共通して言えるのは「小さく始めてコツコツ続けることが近道」という点です。まずは関心を持った方法を一つ選び、少額から実践してみましょう。経験を積む中で知識も増え、自分に合うスタイルが見えてくるはずです。
また、どの方法にもリスクや注意点は伴います。本稿で解説したやってはいけない増やし方や失敗を防ぐ心構えを念頭に、健全なマネープランを心がけてください。幸い、日本では初心者を支援する制度や情報源が充実してきています。金融庁や日本銀行の発信するデータやガイドラインを活用しつつ、自ら学び行動することで、資産形成はきっと軌道に乗るでしょう。
最後に、「千里の道も一歩から」という言葉の通り、資産形成も今日の一歩から始まります。まずはできる範囲で一歩を踏み出し、続けてみること。そうすれば、塵も積もれば山となり、将来きっと大きな財産となってあなたを支えてくれるでしょう。あなたもぜひ、できることからお金を増やすチャレンジを始めてみてください。皆さんの健闘をお祈りしています!
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また、毎月の分配金があるため、継続的なインカムゲインを得られる点も魅力です。多くの案件に担保や保証が設定されており、万が一貸し倒れが発生しても、担保処分などで出資金の回収が図れます。
さらに、サービス開始以来、貸し倒れゼロの実績を誇る点も投資家にとって安心材料です。ただし、元本保証はないため、リスク分散が重要です。複数のファンドに少額ずつ分散投資することで、リスク軽減を図ることができます。
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参考元
・内閣府『家計の金融資産投資構造の現状と課題』(令和6年版 経済財政白書)
・総務省統計局『家計調査報告(家計収支編)2023年』
・労働政策研究・研修機構『副業者の就労に関する調査』
・全国銀行協会『あなたのリスク許容度診断テスト』
・金融庁『高齢社会における資産形成・管理』