ポジショントークとは?意味や具体例をわかりやすく解説|マウントとの違いや使い方について

 

 

今この記事を読んでいる皆さんはポジショントークをご存じですか?複数の意味合いがあるポジショントークですが、実は投資にも使われる言葉です。ポジショントークがどのように使われるのか、気になる方も多いはずです。

 

本記事ではポジショントークにスポットを当て、ポジショントークの意味やポジショントークを行うメリット、注意点などを解説します。

 

ポジショントークとはどういうものなのか、まずは基本的な情報について解説します。

ポジショントークの概要

ポジショントークは自分の立場に見合った発言を意味します。自らの立場が優位になるように発言を行って、市場を動かそうとするのがポジショントークです。実はポジショントークという言葉は和製英語とされており、適した英語が見当たらないと言われています。

 

一方、投資分野で使われているポジショントークですが、実は投資分野以外でも用いられているのも特徴です。意味合いとしては本来のポジショントークと大きく変わりません。

目次

ポジショントークを行うメリット

そもそもなぜポジショントークを行うのか、それはポジショントークを行うメリットがあるからです。ここからはポジショントークを行うメリットについて解説します。

相手の関心を引ける

ポジショントークを行うことで、相手の興味関心を引く効果があります。ポジショントークはいわばセールストークのようなもので、このポジションがいかに素晴らしいかを主張し、協力してもらうことが狙いです。

 

多くの人を味方にさせることで、結果として自分の利益につなげようとするのがポジショントークです。相手の興味関心を巧みに引くことが求められます。

議論を有利に導ける

例えば、自らが抱える資産の価値を高めたいと思ったとします。一方で、露骨に資産の価値を高めようとすれば警戒されてしまい、市場が思ったような動きをしなくなるでしょう。ポジショントークは予測として発言し、巧みに誘導する時に用いられます。

 

議論を有利に導くことができ、結果として思惑通りの状況を作り出せるのもポジショントークのメリットです。その分、露骨な誘導をしないようにすることが求められます。

ポジショントークを行う際の注意点

ポジショントークも決して万全とは言えません。ポジショントークを行う際の注意点について解説します。

風説の流布になってしまう場合がある

ポジショントークは自分の立場を有利にするため、資産価値を高めるために行われます。あくまでも「市場予測」として行ったポジショントークに、明らかに虚偽の事実が混じっていた場合には風説の流布と判断される可能性があるため、注意が必要です。

 

風説の流布は法律で禁止されており、過去には逮捕者も出ています。資産価値を上げようとついついウソの情報を言ってしまうと大変な事態を招くでしょう。憶測での発言だと風説の流布にはあたらないとされていますが、信頼自体を落としかねないため、細心の注意を払う必要があります。

うまくいかないことが多い

ポジショントークは基本的にうまくいくことの方が少なく、空振りに終わることが多い傾向にあります。誰しもがポジショントークを行って優位に立とうとするため、投資の世界では警戒されやすく、ストレートに受け取ろうとする人が多いとは言えません。

 

将来的に株価がどうなるか、円安と円高どちらに転がるかという予測も、極端なことを言えば多くの人に注目してもらえるかもしれないと下心をもって予測しているケースもあります。

ポジショントークは信じるべき?

結論から言いますと、ポジショントークは疑ってかかることがおすすめです。ポジショントークにも種類があります。もちろん第三者がフェアに判断し、評価しているケースもありますが、明らかに自分の立場を優位にしようとするケースも見られます。

 

ポジショントークを信用すべきかどうかは、ポジショントークで話された会話について情報を集めた上で吟味するところから始まります。情報がなければ、そのポジショントークが正しいかどうかはわかりようがありません。

 

ポジショントークは無条件に信じるべきものではなく、情報をかき集めた上、自分自身で思考を重ねたのちに信じるかどうかを決めることが大切です。特に経済関係では、数多くのポジショントークが散見され、すべてを鵜呑みにするわけにはいきません。

 

そのために投資家は投資の勉強を重ねていき、リスクやリターンなどを加味した上で決断します。ポジショントークは誰しもが行うからこそ、情報を収集しながら対応していくことが求められるのです。

ポジショントークの具体例

本項目では、ポジショントークの具体例について解説します。

財務省が行う国の借金に関する発表

ニュースで時折、国の借金に関する話題が報道されます。現状の国の借金は、2024年3月末において1,297兆円と過去最大になったことが報道されており、その数字からも財政の厳しさが強調されていることは明らかです。

 

国の借金に関する発表もいわばポジショントークであり、「財政状況が厳しいからこそ増税は仕方ない」という方向性に持っていくためにあると言っても過言ではないでしょう。日本の消費税は8%ないし10%ですが、この税率になったのは財政状況が厳しいと言い続けた結果と言えます。

 

消費税を上げてもなお厳しく、今後は15%、20%まで引き上げるべきだとIMFから指摘を受けている状況です。こうしたIMFからの指摘もポジショントークに盛り込まれる可能性が考えられます。本当に財政状況が厳しいのか、国の借金の中身をチェックした上で判断することも大事なのです。

ランキングを使ったポジショントーク

近年、多くの企業で、アンケートを活用したランキングにおいて顧客満足度ナンバー1になったことをアピールするケースが目立っています。「顧客満足度ナンバー1」という響きは耳あたりがよく、企業に対する信頼につながりやすいです。しかし、どのように調べた結果なのか、いつ調べたのか、どの専門機関の調査なのかがあやふやになっているケースも少なくありません。

 

例えば、ランキング1位になるような設問方法も可能であり、その手で1位をつかみ、「顧客満足度ナンバー1」と宣伝に使う事も考えられます。アンケートを介することで第三者のお墨付きを得ているように思われますが、調査対象をこちらで選べる分、本当の意味でちゃんとしたものかどうかは微妙です。

ポジショントークとマウントとの違い

最後にポジショントークとマウントとの違いについて解説します。

そもそもマウントとは

マウントは、何かしらの手段を使って相手よりも上の立場に立とうとする、イニシアティブを握ろうとする行為を指します。もともとの意味は、哺乳類であるオスが交尾を行う際にメスに乗っかる状態をマウントと呼んだことから始まっており、格闘技の世界でも使われています。

ポジショントークとの違い

ポジショントークもマウントも、自分の立場が正しいことを主張するという点では大きな差はありません。しかし、マウントの場合は、自分の立場が上で自分の主張を相手に認めさせる意味合いがあるのに対し、ポジショントークは自分の立場を生かした発言であり、その点に違いがあります。

 

例えば、投資の話をしている際に、「これからは仮想通貨か、それとも株か」という議論が始まったとします。ポジショントークであれば仮想通貨を扱う人は仮想通貨の優位性を主張し、証券会社の人であれば株のすばらしさを説くでしょう。

 

一方でマウントの場合は、仮想通貨で「億り人」になった自分だからこそ仮想通貨の今後がわかるとばかりに主張し、相手をねじ伏せようとします。仮想通貨で稼いだ自分のアピールや自慢、正当化が含まれており、議論で相手に勝とうとする姿勢が垣間見えるでしょう。

 

ポジショントークもマウントも同じような使われ方をされていますが、その目的は微妙に異なります。自らの立場を主張するものの、その結果、相手に自分の優位性を認めさせるのか、単に主張しているだけなのかという点が違うポイントと言えるでしょう。

マウントを取りがちな人の傾向

ポジショントークのように営業トークが事実上のポジショントークになってしまうケースがある一方、マウントを取るかどうかはその人の思惑や生き方などが反映されやすいのが実情です。

 

例えば、承認欲求が強い人はマウントを取りがちと言われています。劣等感を抱えており、劣等感を隠すためにマウントを取ってごまかすケースがよくあります。「自分は正しい、相手は間違っている」と主張し続けることで劣等感をひた隠しにすることもできるのです。言い換えれば、自分自身に自信がないからこそ、マウントを取らざるを得ない一面もあります。

まとめ

ポジショントークは投資の世界などでは一般的なものであると同時に、投資以外の世界でも日々用いられていることです。ただ、どの世界にも共通しているのは、ポジショントークは鵜呑みにしてはいけないものである点です。情報を収集し、疑ってかかることがポジショントークと接していく上で重要であり、それさえ守っていれば怖がることはありません。

 

むしろポジショントークは、その立場にいる人の主張を知れるという点で大事です。あくまでも鵜呑みにしなければいいだけなので、一生懸命情報収集を行って、ポジショントークと対峙していきましょう。

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