融資型クラウドファンディング（ソーシャルレンディング）における株式担保とは

2023年10月30日

融資型クラウドファンディングは貸付を行い、金利を投資家の皆様に分配する投資です。

そのため貸付を行う際には、投資家の皆様の資産保全対策の手段として担保を設定することがあります。

当社では不動産を購入する不動産会社への融資案件が中心であるため、融資先の会社が購入する不動産を担保に設定する案件が存在します。一方で融資型クラウドファンディングにおいては、必ずしも不動産だけが担保になるのではなく、例として貸付先の会社の経営者の資産を担保にしたり、また中には不動産ではなく株式会社が発行する株式を担保にすることもあります。

そこで今回は融資型クラウドファンディングにおける株式担保について、説明させていただきます。

株式担保とは

株式担保とは、文字通り、融資型クラウドファンディングにおいて貸付を行う会社からその会社の株式を担保として設定することを指します。

融資型クラウドファンディングでは貸付期間の終了後に返済を行いますが、融資先から返済が行われなかった場合は、担保に設定された株式を譲り受けます。

そしてその株式担保を売却して貸金を回収します。

また融資先の会社の株式を担保に設定するのではなく、融資先の会社が所有している会社の株式を担保に設定することもあります。

この場合所有している株式が上場企業の株式など社会的信用力のある株式であった場合は、資産保全対策としてより有効な手段と言えるでしょう。

融資型クラウドファンディング（ソーシャルレンディング）で株式担保を設定するメリット

株式担保を設定するメリットには、不動産を所有していない会社が資産調達を行う手段として活用できるという点が挙げられます。

不動産以外の事業を展開しており、不動産を所有していない。そこで自社の株式を担保にして融資を受けたい、もしくは自社で所有している株式を担保にして融資を受けたいという会社にとっては、融資型クラウドファンディングが資金調達の手段として活用されます。

また融資型クラウドファンディングが資金の調達先として選ばれやすくなるため、融資型クラウドファンディングを運営する会社にとっても新しい貸付先が増え、融資額が増えるメリットが生まれます。

さらに担保に設定する株式が東証プライム上場企業など資本力や社会的信用力がある会社のものであれば、担保価値が高いものと認められやすくなるため多額の融資を受けることが可能となってきます。

不動産に比べると上場企業の株式は流動性が高く、スピーディーに現金化を行うことができるため債務不履行の自体にも備えやすいと言えます。

投資家の皆様にとっても、投資先の選択肢が増える、担保を素早く換金できて返済を受けられるというメリットがあるのです。

融資型クラウドファンディング（ソーシャルレンディング）で株式担保を設定したときのデメリット

株式担保にはメリットだけではなくデメリットも存在します。株式であるため資産価値が上下することが最大のデメリットといえるでしょう。株価が下がるときは、その会社の業績が悪い時ですが、株式を発行した会社の事業がたとえ好調であっても、コロナショックやリーマンショックのような経済危機が発生すると、多くの会社の株価は短期的に大きく下落する傾向にあります。

そのため、仮に1億円の価値を持つ株式が担保だったとしても、相場の変動により5000万円の価値しかなくなってしまうこともあるのです。株価が下がると株価が戻るまで一定の時間を要するので、なかなか売却ができなくなることも考えられますし、素早く売却せざるを得ない場合は、大きく価値が損なわれて投資家の皆様に満額を返済できないこともありえます。

また株式を発行している会社が倒産してしまえば株式の価値もなくなってしまいます。そのため、融資案件においてはどういった会社の株式が担保になっているのかという点は、非常に重要になってきます。株式担保を設定している案件に投資するときには、担保となる株式を発行した会社がどこなのかは必ずチェックする必要があるでしょう。