LENDEXです。
今回は、ソーシャルレンディングという投資方法が抱えている問題点について紹介したいと思います。
日本のソーシャルレンディング業界では2017年から2019年にかけ、数々のソーシャルレンディング会社によって大幅な返済遅延やデフォルトを発生させる事態が続出しました。
ソーシャルレンディングは投資方法の一つである以上、元本が保証されているわけではありません。常にデフォルトが起こる可能性があります。
そこで、ソーシャルレンディングという投資がどういった問題点を抱えているのか投資家の皆様に知っていただくため、2020年時点のソーシャルレンディングの問題点をお伝えします。
問題点1.融資に関して公開される情報が制限されている
ソーシャルレンディングは貸金を行い、その貸付金利を投資家の皆様に配当する投資です。
その貸付先の情報開示において、問題があると考えられます。
それは
- 融資先の会社名が非公開の案件がある
- 担保や保証などの詳細な情報が明らかにされていない
- 融資先の財務情報が明らかになっていない案件がある
この3点です。
1-1.融資先の事業者名が一部匿名であり非公開
当社の一部の案件においては、融資先の事業者様の名前を明らかにして募集を行っています。
しかし、今でも多数の案件、特に不動産会社様への融資では匿名で資金の募集を行っています。
なぜ、匿名で募集を行っているかというと、融資先のご要望があるからです。
外部から資金を募集していることを公にしたくないとのお考えを持つ不動産会社様もいらっしゃいます。
当社では、投資家の皆様への情報公開への交渉を重ねていますが、匿名で募集することが多くなっている要因です。
そこで、匿名で募集を行う代わりに、その他の情報をできる限り公開させていただいたり、実際の売買契約書などを公開させていただいたりする取り組みを行っています。
融資時に事業者名が明らかにされないことは、当社でもソーシャルレンディング投資における問題点の一つであると認識しております。
投資家の皆様におきましては、この点について十分にご留意いただければ幸いです。
1-2.担保の詳細が不明である
ソーシャルレンディング案件においては、担保の詳細な情報が公開されていないものもあります。
担保の詳細な情報がわからないと、正確な担保価値を投資家の皆様が知ることができず、「融資金額に対して十分な担保価値があるのか」と判断できません。
当社の場合、融資を受ける事業者様のご要望に応じて、担保の詳細を公開している案件としていない案件があります。
投資家の皆様におかれましては、公開されている情報を見ながら、例えば路線価と面積を照らし合わせ担保価値のおおよその調査などを行っていただければ、投資リスクの低減につながります。
1-3.財務状況が不明である
ソーシャルレンディング案件には融資先の事業者名が出ていないものが多いだけではなく、融資先の事業者名が明らかにされていても、その会社の詳細な財務状況を確認することができない案件が多いです。
財務状況がわからないと、赤字で倒産寸前の会社への融資なのか、十分に資産があり返済能力がある会社への融資なのかを、投資家の皆様が判断することが難しいです。
この情報も開示できるかどうかは、融資先の事業者様との相談によって変わってきます。
当社では融資先の事業者名が匿名であっても、財務状況を公開させていただいている案件があります。
投資家の皆様に対し、極力公開できる情報を増やしていきたいと考えております。
問題点2.中小規模の事業者が多い
2020年時点におけるソーシャルレンディングの運営会社は、日本においては中小規模の事業者が多いです。
これは、運営事業者の倒産リスクにつながる問題だと言えるでしょう。
例えば、FX事業を運営する会社の場合、従業員の数が100人以上と一定の規模を持つ会社が多いです。
しかし、ソーシャルレンディング会社は従業員数が10名前後の中小規模の会社が大半を締めています。
当社も社員数は10名以下です。
もちろん、株式上場を行っている企業様もあるため、ソーシャルレンディングを運営するすべての会社様が中小事業者というわけではありません。
それでも、日本におけるソーシャルレンディング会社の全体的な傾向としては、中小企業が中心であることにかわりはありません。
中小規模の事業者であることが、倒産リスクの高さに直結するわけではありません。
しかし、会社の組織としての体制や資本力の面において大企業に劣ることは否めません。
ソーシャルレンディングの市場が拡大する中、当社は事業規模を拡大し事業者リスクを軽減するよう努めております。
問題点3.デフォルト時における回収実行力が不明
ソーシャルレンディングにおいて最も大きな問題点だと言えることが、案件のデフォルト時における回収実行力です。
ソーシャルレンディング会社は、案件の組成時に資金回収の確実性を高めるため、担保や保証を設定します。
しかし、デフォルト時に担保や保証を行使し、資金を回収することができた実績を持つソーシャルレンディング会社は非常に少ないのです。
過去にデフォルトが発生したソーシャルレンディング会社の例を見ても、担保や保証が設定されていたにもかかわらず、「担保そのものの存在に虚偽があった」「担保不動産を任意売却や競売にかけても売れず投資家の皆様に資金を返済できなかった」という例が見受けられました。
また、担保の売却には成功したものの、担保の売却金額が当初に掲示したものよりも遥かに低かったという例も見受けられました。
融資先からの返済においては、デフォルトなどの問題発生時に事態を速やかに解決し、投資家の皆様の損失を最小限化することがソーシャルレンディング会社の手腕の見せ所です。
そもそもデフォルトが発生し起きないようにすることはもちろん、そういった問題が発生してしまった際に早急に解決できるよう、当社においては無担保案件の融資時に公正証書を作成しています。
融資先の事業者様の代表者の資産を返済に充てられるよう、法的な根拠を設定しているのです。
返済遅延やデフォルトの実績がないソーシャルレンディング会社や安全性の高いソーシャルレンディング案件を選んでいただくことはもちろん、デフォルトといった問題が発生した際のリカバリー力がある会社かどうかについても、投資家の皆様におきましては見定めていただければ幸いです。
まとめ
ソーシャルレンディングは貸金による投資であるため、貸付先の情報の開示我どの程度行われているかが大きな問題となってきます。
そこで当社では融資先の事業者様と相談の上、随時公開できる情報を増やしています。
また仮にデフォルトが起きたときに、速やかに資金回収ができるような対策も講じています。
ソーシャルレンディングが貸金である以上、投資先の数件で返済遅延やデフォルトが発生した場合のシナリオを想定して、慎重に投資案件、投資先の会社を選んでいただければ幸いです。
当社で注力して行うべきことも、返済遅延やデフォルトが発生した際の対処だと考えております。
ぜひ当社サイトも併せてご覧ください。